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今年の台風発生数は26個前後 8月以降は発生域の対流活動が活発化

ウェザーニュース / 2020年6月9日 11時25分

ウェザーニュース

ウェザーニュース発表 台風傾向2020

夏に向かうに連れて気になる台風シーズン。

今年の台風発生は、7月までは少ないものの、8月以降は増えてくるとみています。9月以降は偏西風の南下に伴い、本州付近への接近・上陸の危険性が高まるため、台風の進路や雨風の影響に注意が必要です。

ウェザーニュース発表の詳しい台風傾向を解説します。

台風の発生位置

図1、フィリピン近海の対流活動と太平洋高気圧の関係(8月)

7月までは、インド洋の海面水温が高い影響で、北西太平洋熱帯域の対流活動が平年よりも不活発になりやすい見込みです。このため、台風の発生が平年並か少なくなる見込みです。

8月〜10月は、太平洋熱帯域で中立ながらラニーニャ気味またはラニーニャ現象が発生する可能性があり、その場合、熱帯の対流活動が活発なエリアが平年(フィリピンの東海上)よりも西にずれる傾向があります。対流活動が活発なエリアでは多数の積乱雲が発生しやすくなり、これらの積乱雲が集まって台風となるため、台風の発生位置は、秋を中心に平年よりも西寄りになる予想です。

海面水温が高い海域を通る時間が短くなったり、 大陸へ進む台風が多くなる影響で、秋は台風の発生から消滅までの寿命が短くなる傾向もあります。

月別の台風進路

図2、月別の台風進路傾向

今シーズンの太平洋高気圧は、平年よりも西への張り出しが強い予想です(図1)。
月別の台風進路傾向を見ると(図2)、7月までは台風は大陸へ向かう進路を取りやすい見込みです。

8月は太平洋高気圧が勢力を強める時期と弱める時期があり、太平洋高気圧の勢力が強い時期は、台風は高気圧の縁を時計回りに進み、平年よりもやや外回りの進路をとって沖縄〜中国大陸へ向かうことが多くなりそうです。
一方、太平洋高気圧の勢力が弱い時期は、台風を動かす風が弱くなり、複雑な進路をとったり、動きが遅くなったりしながら日本付近に接近する可能性があります。

9月以降、偏西風が南下してくると、台風は本州付近へ 向かう進路をとることが多くなる予想です。
昨年、各地に大きな被害をもたらした台風15号や19号も9月以降に上陸しています。台風の進路や雨風の影響に特に注意が必要です。

台風の発生数

今シーズンの台風発生数は、多かった昨年の29個よりも少ないものの、平年並の26個前後の予想です(これまでに発生した1個を含む)。

シーズン前半(〜7月)は、インド洋全域昇温が北西太平洋の主な台風発生域の対流活動を不活発にする方向に働きます。
一方、シーズン後半(8〜10月)は、太平洋熱帯域で中立ながらラニーニャ気味またはラニーニャ現象が発生する可能性があり、台風発生域の海面水温は平年より高くなる予想で、こちらは対流活動を活発にする方向へ働きます。

このため、今後7月までは、北西太平洋の台風発生数は平年並か少ないものの、8月以降は台風の発生が増え、シーズン全体としての台風発生数は平年並になりそうです。

今シーズンの台風発生数の予想の背景

図3、インド洋の海面水温とフィリピン近海の対流活動の関係 模式図

(1)シーズン前半(〜7月)は、インド洋の海面水温が高く、フィリピン東海上よりも相対的に高い。
→北西太平洋の主な台風発生域の対流活動が不活発になる方向に働く(図3)

図4、ラニーニャ現象 模式図

(2)シーズン後半(8〜10月)は、太平洋熱帯域で中立ながらラニーニャ気味またはラニーニャ現象発生の可能性がある。
→北西太平洋(平年より西寄り)で対流活動が活発になる方向に働く(図4)

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