コロナ流行中の大雨災害時、避難する際の持ち物や注意点は

ウェザーニュース / 2020年6月11日 9時40分

ウェザーニュース

梅雨入り早々、梅雨前線の活動が活発化して大雨となる可能性が高まっています。


ウェザーニュースでは6月10日に新型コロナと避難所に関する意識調査を実施。「避難所への避難、感染は心配?」という設問に対し、“かなり心配”"心配”と回答した人が全体の約8割にのぼりました。(※)

このように、今年は避難所での新型コロナウイルスの感染を恐れて避難行動をとらない人が増えることが懸念されていますが、気象庁は「災害の危険度が高まった時には、これまでと変わらず迅速に避難してほしい」と呼びかけています。「きっと今回も自分は大丈夫」という意識が命取りとなるため、適切な判断ができるよう備えておいてください。

コロナ禍のもとでの避難の際にはどのような点に注意するべきか、横浜相原病院(神奈川県横浜市)の吉田勝明院長を取材しました。

非常用持ち出し袋の見直しを

「新型コロナウイルスは症状が急激に現れるインフルエンザと違い、感染していても無症状のまま、気づかぬうちにウイルスが蔓延(まんえん)してしまうことがあるので、常に感染の可能性を意識して、避難生活を送る必要があります。できる限り感染リスクを減らすためにも、消毒液、マスク、専用の体温計、記録用のノートと筆記具などを持参するようにしましょう。

もちろん避難生活のなかでは、新型コロナウイルス以外の疾病、特にこれからの時期は食中毒などへの注意も必要です。家庭での常備薬のほか、下足袋やゴミ袋、吐いたときに使えるビニール袋(レジ袋もOK)を余分に持参すると安心です」(吉田先生)

非常食や飲料水などだけでなく、感染を予防するため、こうした持ち物は事前に非常用持ち出し袋に入れておくようにしましょう。

「避難所に着いたら自身で居場所を確保する前に、症状がある場合には必ず受付、管理者に報告してください。無症状であっても、海外への渡航歴など感染の可能性がある人は申告が必須です」(吉田先生)

避難所では基本的に、「感染症と診断」「疑われる症状がある」「まったく症状がない」の3段階で居場所を分ける対応が取られています。さらに新型コロナウイルスの予防には「プライベートスペース」の確保がより必要とされます。

「ただし、プライベートスペースの拡大は避難所の収容人員を制限することなどにもつながってしまいます。無症状で避難した人も感染症の疑いが生じた時点で、別の場所への移動を指示される可能性があることを覚悟しておく必要があります。また、最寄りの避難所でなく、安全な地域にある親戚・知人宅やホテルなどへの事前避難も、『3密』を避けるために有効です」(吉田先生)

「複合災害」に備えて避難所も改革

自治体側でも、自然災害だけでなく新型コロナウイルスの蔓延と合わせた「複合災害」に備えた避難所のあり方、転換策を新たに構築しています。たとえば神奈川県防災部災害対策課は今年6月、「新型コロナウイルス感染症を踏まえた避難所運営ガイドライン」を定め、各市町村(避難所運営協議会)に提示しました。

神奈川県防災部災害対策課によると、「マスクやフェイスシールド、アルコール消毒液に加え、避難者の滞在時の飛沫(ひまつ)感染防止用として間仕切り用パーティションや段ボールベッドを事前に備蓄しておくよう呼びかけています」。

いざ災害が発生し、避難所を開設した場合は、入所時の検温と健康状態の確認を徹底し、症状が確認された人に対しては専用スペースへ誘導します。

「避難所では健康な避難者と、症状がある、または症状が出るおそれのある避難者の専用スペースをゾーニングし、専用スペースは可能な限り個室とし、専用の階段・トイレを確保できるよう、各市町村に呼びかけています。

また、健康な避難者に対しても、距離はできるだけ2m以上(最低1m)開け、間仕切り用パーティションなどでスペースを区切り、床面から35cm以上の高さの段ボールベッドの設置を呼びかけるなど、飛沫感染防止の対策に努めています」(神奈川県防災部災害対策課)

もちろん、1時間、最低でも2時間おきには15分ほどの換気を行うことも忘れてはいけません。

いざ災害が発生したときに冷静に判断し行動するためにも、日頃から豪雨災害などに備え、事前に災害リスクを確認し、「非常持出袋」に感染症予防用品を封入しておくなど、「自分の命は自分で守る」ことを心がけておきましょう。

参考資料など

※調査
スマートフォンアプリ「ウェザーニュース」より
実施:2020年6月10日 回答:全国5,760人
「避難所への避難、感染は心配?」

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