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もし避難前に大雨特別警報が出たら…「命を守るための最善の行動」とは

ウェザーニュース / 2020年7月6日 17時3分

ウェザーニュース

本日16時30分に福岡県、佐賀県、長崎県の一部に、大雨特別警報が発表されました。大雨特別警報は【警戒レベル5相当】で、とるべき行動は「命を守るための最善の行動」とされています。

レベル4の段階までに避難をすることが基本とはいえ、もし間に合わずにレベル5に相当する状況となってしまった場合、どのように行動するべきかを防災・減災の専門家に取材しました。

大雨警戒レベルとは

大雨警戒レベルと避難行動

気象庁が大雨や台風などの際に発表する特別警報や土砂災害警戒情報などの他に、各自治体から発表される避難指示や避難勧告など、気象状況や各自治体での災害の状況に合わせて発表される情報がいくつかあります。それぞれの情報には、警戒レベルという情報も一緒に付与されます。

「警戒レベル3」は避難準備・高齢者等は避難、「警戒レベル4」は全員が避難すべき段階です。

最上級の「警戒レベル5」はすでに災害が発生している状況で、避難所などへの避難が難しいため「命を守るための最善の行動」が求められますが、具体的にはどうしたらよいのでしょうか。

まだ可能なら避難する

「警戒レベル5を待っていてはいけません。本来は警戒レベル5が出る前に避難している必要があります。もし、避難をするとするなら、警戒レベル5が出ても、基本的には警戒レベル4の避難と変わりません。

ただし、すでに災害が起こっている、あるいはすぐに起こるかもしれないので、避難する場合は最大限、注意を払って対応する必要があります」と語るのは、東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センターの関谷直也准教授です。

洪水と土砂災害では異なる対応が必要

警戒レベルは、洪水・高潮・内水氾濫・土砂災害の危険がある場合に出されます(津波はレベル区分になじまないため対象外)。

ただ、避難の判断や命を守るための行動は、河川氾濫など洪水の場合と土砂災害の場合では異なります。

洪水害 あらかじめ浸水リスクの確認を

垂直避難のイメージ

「河川災害に関するレベル5は、氾濫が発生した段階、つまり浸水区域について浸水していてもおかしくなかったり、まだ浸水が進展したりするかもしれない状況で出されます(氾濫発生情報)。河川近傍で上階まで浸水する地域の場合はそれでは間に合わないわけですから、基本は、警戒レベル5を待っていてはいけません。ただし、場所によります。

自宅が浸水してなければ、もしくは避難できる余裕があるなら警戒レベル4と同様に自宅から離れて避難してください。

しかし、避難する余裕がない、あるいはすでに浸水が発生しているなら、家の上階に行くなど少しでも高いところに避難します」(関谷准教授)

いわゆる垂直避難です。室内の水位が上がれば上階に逃げる、上階に水が来れば屋根に登って助けを待つのです。ただ、それ以上に浸水する場所ならそのような対応もできませんので、ハザードマップを確認し、自分の家がどのくらい浸水するかを確認しておくことが必要です。

土砂災害 崩れやすい場所から遠ざかる

ハザードマップの確認を

「土砂災害に関するレベル5は、土砂災害危険個所で土砂災害が発生していてもおかしくないとき(大雨特別警報)、もしくはその地域ですでに発生した場合に出ます(災害発生情報)。

土石流やがけ崩れなどの土砂災害は、発生してからでは避難出来ませんから、基本は、警戒レベル5を待っていてはいけません。ただし、区域全体の全ての場所で同時に土砂災害が発生するわけではないので、場所によります。自宅周囲で土砂災害が発生してなければ、もしくは避難できる余裕があるなら、レベル4と同じように避難します。

しかし、避難する余裕がなかったり、すでに周囲に土砂の流入や浸水が始まっているのなら、少しでも助かる可能性がある家の上階、山や崖の反対側に行くことです」(関谷准教授)

土砂災害は起きてからでは避難はできませんから、ハザードマップを確認し、早目に土砂災害の危険がない場所に移動することが必要です。


洪水害、土砂災害それぞれについてのリスクを把握し、なるべく早く危険の少ない場所に避難するようにしてください。

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