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サングラスの紫外線カット効果には寿命がある?

ウェザーニュース / 2020年8月4日 10時30分

ウェザーニュース

関東甲信などほとんどの地域で梅雨が明け、夏本番がやってきました。
夏の陽射しに負けないためのサングラス、紫外線カットの疑問からお手入れのNGまで、レンズのプロが気になることを教えてくれました。

サングラスで紫外線対策

紫外線は皮膚だけでなく、白内障や紫外線角膜炎にもつながるなど眼への影響も見逃せません。紫外線は散乱しやすく、つばの広い帽子をかぶっても眼への曝露は20%程度しか減らせませんが、顔に合ったサングラスなら紫外線を最大で約90%カットしてくれます。サングラスに苦手意識のある人も多いですが、ぜひ使いたいものです。

気をつけたいのが、サングラスの紫外線カットの効果です。勘違いしやすいのですが、サングラスの濃い色は、可視光線の透過率を低くしてまぶしさを軽減するもので、紫外線を防ぐわけではありません。

「一般的なサングラスでは、レンズに『紫外線吸収剤』が練り込まれています。実は紫外線吸収剤の吸収力には、限界があります。使用頻度や条件によっても違いがありますが、基本的に3年が目安とされています」と、偏光レンズメーカー・タレックスの松村達也さんは言います。

紫外線カットの効果を伸ばすことはできるのでしょうか。

「残念ながら、それはできません。理論的には、紫外線を浴びなければ伸びますが、使わずにしまい込んでしまってはせっかく購入した意味がないですよね。また、プラスチックの特性から、3年くらいでレンズやフレームの劣化が始まるとされています。サングラスは見た目がキレイであれば5年でも10年でも使い続けられるかというと、そうではないのです」(松村さん)

サングラスの劣化を防ぐために

1枚に見えるレンズも、光学レンズの間に雑光をカットするフィルムがはさまれていたり、キズや光の乱反射を防ぐためのコーティングが施されているなど、様々な技術が使われていることが多いそうです。それだけに、扱いには注意が必要です。

「よくないのは、熱や湿気です。まず、60℃以上になる場所での保管は避けましょう。炎天下の車内なら簡単に達します。見た目にすぐ変化がなくても、プラスチックの劣化につながります。また、多くのサングラスに施されているコーティングは金属製のため、プラスチックとの熱膨張率の違いからクラック(ごく細かなキズ)が生じる原因にもなります。

水に濡れたまま放置するのも、レンズやフィルターによくありません。海水や汗がついた場合は水洗いの必要がありますが、レンズとフレームのすき間など細かい部分に水分が残りがちです。すぐにケースにしまうのではなく、1日程度部屋干ししてからにしましょう。

前述したように、紫外線カットの効果は時間とともに落ちていくものです。最近は、UVカット率を調べられる機器が販売店にもずいぶん普及しているので、心配ならば調べてもらってもいいかもしれません」(松村さん)

買い替えや新たに購入する場合は、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。

「サングラスは、レンズによって紫外線カット率のほかにもまぶしさ軽減や視覚のバランスなど様々です。屋外でのスポーツ、車の運転、街中を歩くときなど、シチュエーションによって必要な性能も違ってくるもの。適切なレンズなら見え方や眼の疲労度に差が出ます。ぜひ、販売店かレンズメーカーなどプロに相談して、目的に合ったものを選んでください」(松村さん)

特に紫外線量の多い夏はサングラスを適切に活用して、目の健康を守っていきたいですね。

参考資料など

取材協力/タレックス
参考資料/「紫外線環境保健マニュアル2020」(環境省)

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