七十二候「大雨時行」 雨の名前も様々 昔と今の雨の違い
ウェザーニュース / 2020年8月2日 5時10分
7月下旬は九州から近畿で梅雨明けが発表されましたが「梅雨明け十日」とはならず、急な雨や落雷などが続いていますね。
そんな中、2日からは七十二候「大雨時行(たいうときどきふる)」が始まります。
昔の大雨と今の大雨は違う⁉︎
大雨時行とは、台風や夕立などにより、大雨が降る頃とされています。
台風はともかく、今はあまり「夕立」という言葉が使われなくなりましたね。
代わりに「ゲリラ豪雨」という言葉をよく耳にするようになりました。
夕立もゲリラ豪雨も夏の午後に急な激しい雨をもたらす、といったイメージですが、具体的に何が違うのでしょう?
ゲリラ豪雨と夕立

ゲリラ豪雨と夕立はよく似ています。
しかし夕立は突然ザーと降っても数十分で止むため、災害につながるようなことはあまりありません。
むしろ暑い土地に涼をもたらす「天然の打ち水」とも言えます。
ではゲリラ豪雨はどうでしょう?
時には1時間に100mmを超えるようなすさまじい雨量を観測します。
冠水被害も相継ぎ、深刻な状況になることもあります。
つまり、ゲリラ豪雨と夕立の大きな違いは災害につながるものかどうかということです。
雨にもいろいろ

私たちは、ザーザー、シトシトなど同じ雨でも降り方によって多様な表現を用いることがあります。
繊細な感性を持つ日本人ならではという感じがしますが、それと同じように、昔の人も夕立のことを様々な名前で表現していました。
例えば、突然降ってくるので傘を持ちあわせておらず、腕全体で雨を防いだ姿から「肘笠雨(ひじかさあめ)」。
明るい空から急に激しく降る雨ということから「白雨」。
雨の降り方がまるで細い竹や笹が束になって降ってくるように見えることから「篠突く雨(しのつくあめ)」などと呼ばれました。
一見憂うつな雨ですが、よくよく見てみると様々な表情をもっています。
昔の人のように、雨に思いを巡らせるのも、また一興かもしれません。
参考資料など
【参照・参考元】
goo国語辞書「篠突く」https://dictionary.goo.ne.jp/jn/99653/meaning/m0u/
goo国語辞書「白雨」https://dictionary.goo.ne.jp/jn/175048/meaning/m0u/
こよみのページ「肘笠雨」http://koyomi.vis.ne.jp/doc/mlko/200809190.htm
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
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