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寄生虫や毒キノコにもご用心! 意外と多い秋の食中毒対策とは

ウェザーニュース / 2020年10月5日 5時1分

ウェザーニュース

気温が高い夏は、お弁当の食中毒に気を使って傷まないおかずを入れたりしますが、意外にも秋の食中毒も多いのです。昨年の「原因物質別月別食中毒発生件数」を見ると、10月の食中毒件数が100件を超えていました。なぜ秋は食中毒が多いのでしょうか。

秋は毒キノコによる食中毒が多い

「秋に食中毒が多い理由の一つは、この時期に発生する毒キノコによる食中毒が多いからです。食用のキノコに似ているため、ツキヨタケ、クサウラベニタケ、テングタケ・イボテングタケの3種類が全体の7割を占めています」と言うのは、管理栄養士の井上久仁子さんです。

山でキノコ狩りして採ってくるものだけでなく、市販のキノコでも食べ過ぎたり加熱不十分で食中毒を起こした例もあります。食用と判断できないキノコは採らない・食べない・人にあげないことが大切です。

魚の寄生虫で猛烈な腹痛も

「もう一つ秋の食中毒が多い理由は、この時期に旬を迎える魚の寄生虫です。サバ・アジ・サンマ・カツオ・イワシ・サケ・イカなどに寄生するアニサキスが猛烈な腹痛を起こします」(井上さん)

アニサキスの幼虫は長さ2〜3cm、幅1mmくらいで、少し太い白い糸のように見えます。目視で取り除くのは難しいので、加熱・冷凍で死滅させてください。

「加熱の場合は70℃なら瞬時に、60℃では1分くらいで死滅するといわれています。冷凍の場合は-20℃以下で24時間冷凍すると死滅するといわれていますが、家庭用冷蔵庫は-20℃以下に下がらない場合もあるので48時間以上の冷凍がお勧めです」(井上さん)

屋外のバーベキューも要注意

秋は屋外で過ごすにはちょうど良い気候です。中でもバーベキューは多くの方が行うかもしれません。

「バーベキューではお肉の十分な加熱はもちろん調理用トングや箸は食中毒防止のため食べるときの箸と別に準備をしてください。作りおきのお料理も食べるときは十分な加熱を心がけてください。秋は夏を乗り越えた疲れが知らず知らずのうちにたまり、体の免疫力も低下しているので食中毒を発症しやすいといえます」(井上さん)

食材の買い方にもコツがある

井上さんは病院の栄養科に勤務している管理栄養士です。病院では大量調理マニュアルやHACCP(ハサップ=食品を安全に製造・調理する管理手法)を遵守していますが、家庭でも食材の買い方にコツがあると言います。

「要冷蔵・要冷凍の食品は買い物の最後に購入し、帰宅までに時間がかかりそうな場合は、保冷剤やスーパーの保冷BOXを利用するなど適切な温度で保管し、帰宅したらすぐ冷蔵庫・冷凍庫に保管します。

肉・魚から汁が出てしまうことがあるためビニール袋に包み他の食品に汁がついてしまわないようにします。レジ袋が有料化になりエコバッグを持参する人が増えていますが、感染予防から使用した後は毎回必ず洗います」(井上さん)

家庭での食中毒は統計以上に多い

家庭での食中毒は全体の2割ほどですが、実際はもっと多いと言います。

「統計は保健所に届出があり、その調査により確定した件だけなので、実際にはもっと多いものと推察されます。家庭では発症する人数も少人数で、“お腹にくる風邪”などと思われて食中毒と気付かないケースもあるようです」(井上さん)

新型コロナで新しい生活様式が根付き、食中毒防止の基本である個人衛生は以前に比べて格段に向上したといわれます。あなたも油断せず、食欲の秋を楽しんでください。

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