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冬が旬の大根の栄養は? たくあんは新選組の副長、土方歳三も大好きだった

ウェザーニュース / 2020年12月11日 10時10分

ウェザーニュース

大根(ダイコン)は1年中見かける野菜ですが、夏大根などを除く、多くの大根の旬は冬です。ふろふき大根やぶり大根としても人気が高い食材ですが、今回は「たくあん」について詳しく見ていきたいと思います。

大根には、発がん物質を抑える消化酵素も含まれる

まず、たくあんにする前の大根について見ていきます。

一般的に実(み)と考えられているところは大根の根です。根は淡色野菜で、ジアスターゼやアミラーゼなどの消化酵素が豊富に含まれています。これらの酵素は消化を助け、胸焼けや胃もたれを防いでくれます。

葉に近い部分には、発がん物質を抑制する働きのある酸化酵素のオキシダーゼが含まれています。辛味成分のアリルイソチオシアネートには、食欲増進や消化促進、血栓予防などの作用があると考えられています。

さらに葉には、βカロテンやビタミンCなどが多く含まれ、免疫力を高める作用も期待できます。

発酵食品のたくあんは、ビタミンB1や乳酸菌などを豊富に含む

大根の食べ方として忘れてはいけないのは、たくあん漬け(たくあん、たくわん)です。塩と米ぬかで作るたくあんは発酵食品で、ビタミンB1やビタミンE、ナイアシン、乳酸菌などを豊富に含みます。

塩分の取り過ぎには注意が必要ですが、大根の栄養もぬか漬けとしての栄養も摂取できるたくあんは身近な健康食品といえます。

たくあんを考案したのはたくあん?

たくあんを考案したのは、江戸時代初期の臨済宗の僧、沢庵(たくあん)といわれます。

そして、「沢庵漬け」と命名したのは、3代将軍の徳川家光であるといわれます。沢庵が供(きょう)した大根の漬物を食べた家光が、そのおいしさに感じ入って、名づけたというのです。

ただし、たくあんの誕生と命名に関しては異説もあります。

地域による呼び方の違いもあります。ウェザーニュースでアンケートを取ったところ、年配者を中心に、秋田県では「がっこ」、島根県では「大根漬け」、北陸地方では「こうこ(う)」「おここ」、四国地方では「こんこ」「こうこ」などと呼ぶ人もいることがわかりました。

しかし、全国的には、9割以上の人が「たくあん(たくわん)」と呼んでいます。

『南総里見八犬伝』の滝沢馬琴もたくあん好きだった

歴史上、著名な人物で、たくあんに魅せられた人は徳川家光に限りません。

『南総里見八犬伝』などの著者として知られる、江戸時代後期の戯作者(げさくしゃ)、滝沢馬琴(曲亭馬琴)も、たくあんが好きでよく食べていたようです。滝沢家では毎年、下肥(しもごえ)のくみ取り代金と引き換えに干し大根を購入して、大量のたくあんを漬けていたといいます。

幕末の京都や箱館(函館)などで活躍した新選組の副長、土方歳三もたくあんが好物でした。京都時代には、毎日のようにたくあんなどの漬物を食べていたと伝わります。

12月11日は沢庵の忌日(きにち)でもあります。冬にたくあんなどの大根を食べるときは、沢庵や徳川家光、滝沢馬琴、土方歳三のことを思い起こしてみると、大根がいっそう味わい深く感じられるかもしれません。

参考資料など

『日本の365日を愛おしむ』(著者/本田美加子、東邦出版)、『決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典』(監修/足立香代子、西東社)、『からだに効く! 野菜の新図鑑』(編者/野菜の新図鑑編集部、宝島社)、『色の野菜の栄養事典』(監修/吉田企世子、エクスナレッジ)

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