塩と砂糖で固まる理由に違い サラサラに戻す方法と保管のコツ
ウェザーニュース / 2021年1月18日 5時0分
日々の料理に欠かせない調味料の塩と砂糖。ただ、固まりができやすいのが悩みです。冬は湿度が低いからと安心している人も多いかもしれませんが、逆に冬だからこそ、急速に固まり始める場合もあるのです。
サラサラに戻す裏技と上手な保管のコツを料理研究家の町山千保さんに教えていただきます。
塩と砂糖、固まる理由が違った!
そもそも塩や砂糖はどうして固まりができてしまうのでしょうか。湿気ないように気をつけているのに、固まってしまうことがあります。
「それは固まる理由を勘違いしているからかもしれません。塩と砂糖は、同じようにサラサラした状態から固まりますが、“固まり方”が異なるのです」(町山さん)
どういうことなのでしょうか。
「サラサラの塩の1粒1粒は、塩の結晶です。空気中の水分(湿気)を吸って表面が溶け、粒同士がくっつくことで固まった状態に変わります。塩は、“湿気ると固まる”のです。
砂糖が固まるときにも水分が関係しますが、塩とは異なります。一般的に使われる白砂糖(上白糖)は、結晶の表面に転化糖液をかけてコーティングしたものです。白砂糖が、お菓子を作るときなどに使うグラニュー糖に比べしっとりした感触なのはこのためです。ところが乾燥が進むと転化糖も結晶化することでくっつき、固まりになってしまうのです」(町山さん)
砂糖が固まる原因は乾燥なので、冬に固まりやすいのですね。固まりになった砂糖や塩は、ガシガシ崩すしかないのでしょうか。
「それぞれの性質に合わせた方法なら、簡単にサラサラに戻すことができます。
塩は、水分を飛ばすため、耐熱皿などに塩の固まりを広げて電子レンジにかけます。600Wで2~3分までを目安に、量や湿り方に合わせて調節しましょう。粗熱がとれたらスプーンなどで崩すとサラサラになります。足りないようなら、少しずつ加熱を繰り返しましょう。
一方で砂糖は乾燥が原因なので、湿度を加えます。キッチンペーパーを水で湿らせて、ふたと容器の間に挟んでふたを閉めます。そのまま1時間ほど置いておくと、砂糖が湿気を吸ってサラサラになります」(町山さん)
塩や砂糖を固まりにしないための保管法
塩や砂糖が固まりにならないためには、どうしたらよいのでしょうか。
「まず、両方とも密閉できる容器に入れて、湿度や温度変化の少ない場所で保管するのが基本です。
ただ、塩や砂糖は毎日使うものなので、容器の開け閉めも頻繁です。塩の容器の中には水分を吸うマカロニなどのショートパスタや珪藻土のスプーンを入れておくといいでしょう。湿気を調節する働きのある素焼きの容器は、塩にも砂糖にも効果があります」(町山さん)
調理のときに、塩や砂糖が固まっているのはストレスとなるものです。サラサラの状態を保って、気分よくおいしい料理を作りたいですね。
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