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暑さ「新記録」の札幌、今日も35℃観測 五輪マラソンへの影響は

ウェザーニュース / 2021年8月6日 21時0分

ウェザーニュース

東京オリンピックの陸上・マラソン競技は、避暑のため北海道札幌市を舞台に、8月7日(土)に女子・8日(日)に男子の日程で競技が実施されます。

平年であれば東京よりも気温が低いはずの札幌ですが、今年は異変が起きています。今日6日(金)までに、東京では今年一度も「猛暑日」になっていないのに、札幌では今日までに3回も「猛暑日」になりました。

これは想定外のことなのでしょうか。気象面から分析します。

「最高気温」だけではない、今年の記録的な高温

札幌ではこの夏、最高気温が35℃以上の「猛暑日」を3回経験しました。年間に3回の猛暑日を記録したのは1877年の統計開始以来初めてで、新記録となっています。

最高気温が30℃以上の真夏日は今日まで17日連続となっていて、これは1924年とならんで最長タイ記録です。

一方、夏の北海道は「昼間暑く朝晩は涼しい」という印象があり、暑いのは昼間だけかと思われがちですが、今年はそうでもありません。

7月の月平均気温は23.9℃とこちらも統計史上最高を記録する新記録となっていて、一日を平均して気温が高くなっていることがわかります。

平年値の21.1℃よりも約3℃も高かったことになります。

東京と比較しても差は僅少

きのう5日(木)までの5日間平均の観測値で、札幌と東京を比べてみます。

▼日最高気温の平均
 札幌   東京
34.4℃  34.7℃ (0.3℃差)

▼日最低気温の平均
 札幌   東京
24.4℃  25.0℃ (0.6℃差)

ご覧のように、最高気温は0.3℃差、最低気温は0.6℃差となっていて、東京と札幌で大差はないことがわかります。

しかし平年はそんなことはなく、最高気温は4.6℃差、最低気温は4.1℃差で札幌が涼しいはずでした。今年の北海道がいかに高温傾向なのかがわかります。

▼平均湿度
札幌  東京
75%  77% (2%差)

「蒸し暑さ」に象徴される湿度もみてみると、2%差とほとんど差がありません。「カラッとしていて涼しい」は今年の札幌にはあてはまりそうにありません。

また、札幌のコースは東京のコースに比べて日陰が少ない可能性があり、日射による体力の消耗も気になる点です。

明日の競技時間帯も30℃に迫る可能性

マラソンのスタート時刻は両日ともに7時の予定です。

明日7日(土)の札幌は晴れで、予想気温は7時で26℃、9時で29℃となっています。明後日8日(日)はくもりで、予想気温は7時で24℃、9時で27℃です。

特に明日は気温が高く、競技中に気温が30℃に迫る可能性があります。

気温は風通しの良い日陰での値が基準となっていますので、日射のあるアスファルト上ではこれ以上の高温になると考えられます。選手だけでなく、大会関係者も十分に熱中症対策を行う必要があります。

東京は日曜朝に台風接近

なお、明日7日(土)の東京はくもりで、予想気温は7時で26℃、9時で29℃となっています。明後日8日(日)は雨で、予想気温は7時で24℃、9時で25℃です。予想気温は札幌とほぼ同じで、8日はむしろ東京のほうが低いくらいです。

ただ、8日(日)の東京には台風10号が接近する予想のため、強い雨が降ったり煽られるような風が吹いたりして、屋外競技には不向きな荒れた天気となるおそれがあります。

この点を考慮すると、札幌での競技開催は運が良かったと言えるかもしれません。

台風10号による影響度合いやタイミングは変化する可能性があるため、最新の台風情報をご確認ください。


写真 時事通信フォト

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