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週刊地震情報 2022.5.15 与那国島近海でM6.6 緊急地震速報(警報)が発表される

ウェザーニュース / 2022年5月15日 10時40分

ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は前週に比べるとやや少なくなっています。

西日本から東海にかけての地震がやや目立ち、先島諸島周辺でも地震が多くなりました。震度3以上の地震は2回発生しています。(5月9日~5月15日10時の集計)

国内:島嶼部における緊急地震速報の注意点

与那国島近海の地震

9日(月)15時23分頃、与那国島近海を震源とするマグニチュード6.6、深さ19kmと推定される地震が発生しました。この地震で与那国町で最大震度3、石垣市や竹富町などで震度2を観測しています。地震のメカニズムは北北西ー南南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

気象庁はこの地震に関して緊急地震速報(警報)を発表しています。その中で推定された規模は最大でマグニチュード8.0で、実際の規模に比べてかなり大きいものでした。

緊急地震速報は揺れを検知し始めた段階で地震の震源や規模を推定するため、島嶼部(とうしょぶ)など観測点の少ない地域では過大/過小な予測が計算されることがあります。

今回と同じ与那国島近海を震源とする地震では、過去に2回、緊急地震速報(警報)が発表されています。2018年10月の地震では推定された規模がマグニチュード7.8に対し、実際の規模がマグニチュード6.3と過大。一方で、2015年4月の地震では推定のマグニチュード7.1に対し、実際がマグニチュード6.8と比較的近い水準でした。

いずれにせよ、緊急地震速報(警報)が発表されるケースでは、ある程度の強い地震であることがほとんどですので、緊急地震速報を受信した場合には落ち着いて身の安全を守る行動をとることが重要です。

国内:遠州灘の深発地震で異常震域

遠州灘の地震

9日(月)17時33分頃、遠州灘を震源とするマグニチュード5.2、深さ341kmと推定さえる地震が発生しました。(速報では震源が伊勢湾とされていましたが、暫定値で遠州灘に変更されています。)
この地震で東京都千代田区、埼玉県加須市、栃木県宇都宮市、栃木市、茨城県水戸市、笠間市、福島県白河市など、関東から東北南部で震度2を観測しています。その一方で、震央に近い東海や近畿では震度1以上の揺れは観測されていません。

震源が深い深発地震の際に見られる「異常震域」と呼ばれる震度分布です。異常とついているものの、同様の地震が起きた場合にはしばしばみられ、異常な現象ではありません。

深発地震では沈み込んだプレートに沿って強い揺れが伝わり、プレート境界に近い遠方で揺れが大きくなる現象がみられることがあり、これを「異常震域」といいます。震央の近傍では揺れが小さくても、遠方に強い揺れが伝わることがあるため注意が必要です。

太平洋プレートが深く沈み込んだ所で発生

東日本太平洋側の震源分布

東日本の太平洋沿岸で発生した地震の震源を東西断面で見ると、沈み込む太平洋プレートと他のプレートの境界に沿うように分布していることがわかります。

関東の東の海底では深さ100km未満(赤いプロット)の所に地震が集中し、関東から静岡のあたりでは100~300kmと西へ行くほど震源が深くなります。(黄色のプロット)そして、今回の震源付近の遠州灘や三重県南東沖などでは、300kmより深い所に分布しています。(青いプロット)

この領域で発生した地震の揺れは地震波を伝えやすい太平洋プレートに沿って、関東や東北などに伝わるのです。

世界:アルゼンチンでM6.8の深発地震

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は3回発生しています。最も大きな地震はアルゼンチンで発生したマグニチュード6.8です。

日本時間の11日(水)朝にアルゼンチンを震源とするマグニチュード6.8、深さ約194kmと推定される地震が発生しました。地震の規模は大きかったものの、震源が深かったため強い揺れは観測されていません。地震のメカニズムはほぼ垂直方向にズレたと解析されています。

南米はナスカプレートが南アメリカプレートの沈み込むことで、プレート境界型の地震が多数発生しています。アルゼンチンはプレートが深くまで潜り込んでいるため、いわゆる深発地震が起きやすく、今回の震源付近は深さ200km前後の地震が多い領域です。最近では今年2月にマグニチュード6.0、深さ約251kmが発生。2000年にはマグニチュード7.2と規模の大きな地震も起きています。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。

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