初心者でも失敗リスクが少ない 秋の家庭菜園がオススメの理由
ウェザーニュース / 2022年10月10日 5時0分
暦(こよみ)も10月を迎えて、本格的な“食欲の秋”が到来しました。日々の食材用にと家庭菜園での野菜作りに精を出している人も増えているようです。
実は秋こそ家庭菜園を始めるのにふさわしい季節で、失敗のリスクも少ないといいます。秋が家庭菜園での野菜の栽培に向いている理由や注意点などについて、種苗や園芸製品の大手メーカー、サカタのタネ(本社・横浜市)に伺いました。
秋がオススメの理由
一般に家庭菜園での野菜栽培は通年行われている印象が強いのですが、とくに秋が向いているというのは、どんな理由があるのでしょうか。
「まず天候の問題です。特にベランダ菜園の場合、夏は太陽の高度が高いため、南向きのベランダだと思いのほか太陽が当たる時間が短くなってしまいます。また、西向きのベランダや庭の場合は太陽の光が強すぎて、新芽や野菜そのものを痛めてしまう可能性が高くなるのです。
その点で、秋は西日の影響も抑えられ、ベランダでも庭でも家庭菜園にほどよい暖かさが終日保たれるようになり、野菜を育てるのに適した環境が生まれます。
また秋の家庭菜園は春や夏と比較して、虫が少なく、病害虫による野菜への被害が少なくなります。さらに夏や冬ですと極端な暑さと寒さがありますが、秋は気温も比較的安定しているため、植物にとっても生育しやすい環境と言えます。
加えて作業をする人間にとっても、猛暑から逃れられ、蚊などの虫も少なくなったりといった好条件が揃います。
そのため、特に初心者にとっては、夏よりも秋に家庭菜園を始めるのがオススメと言えるのです」(サカタのタネ)
秋の家庭菜園の注意点
好条件が整っても、家庭菜園は自然相手の作業です。注意すべき点もあると言います。
「まず、台風への注意が必要です。8月後半から日本は台風の上陸が多く、台風が接近すると強風によってベランダ等に置いた鉢が飛ばされたり、畑に置いてある道具などが飛ばされることがあります。
植物の生育に悪影響となるばかりでなく、道具が飛んでぶつかるなどして近隣への被害が出てしまうことも考えられます。台風の接近や上陸の予報が出たときは、強風に備えて畑においた道具は片づける、ベランダにある鉢を室内に入れるなど、強風への対策が必要となります」(サカタのタネ)
台風以外にも気をつけることがあります。
「秋の家庭菜園では水やりの頻度に注意してください。春や夏の家庭菜園と比較して、秋は比較的水やりの頻度も減るので、毎日水をやってしまうと根を腐らせてしまう可能性があります。
水やりは土の状態をよく観察してから行ってください。土の表面が乾いていたら水やりのタイミングです。鉢底から水が流れ出てくるくらいたっぷりと水をあげてください」(サカタのタネ)
必要な用具は?
この秋、初めて家庭菜園での野菜栽培を始めようと思ったときに“必要なもの”は何でしょうか。
「庭や畑で育てる場合は、種や苗はもちろんですが、選んだ野菜に合った培養土と土を耕す鍬(くわ)を準備してください。ベランダの場合は、育てる野菜の大きさに合った鉢と培養土が必要です。
そのほか必要なものとして、シャベル、鉢底石(または鉢底ネット)、支柱、肥料、ジョウロなどがあります。これらは、園芸専門店やホームセンター、インターネット通販などでも手軽に購入できます。家庭菜園を始めてみたいと考えている方はまず専門店などを訪れて、いろいろ相談してみるのがいいでしょう」(サカタのタネ)
初心者にもオススメの野菜とは!?

具体的に、秋に種をまいて育てるのにオススメの野菜を教えてください。
「初心者向けの『入門編』といえる野菜としては、チンゲンサイ、コマツナ、ホウレンソウ、リーフレタス、タマネギ(苗)が挙げられます。
これらはタマネギを除くと栽培期間が1~2ヵ月と短いうえに、タイミングを逃さずに行わなければならない作業がないので、初心者でも栽培しやすい作物といえるからです。
入門編で“コツ”をつかんだら『中級編』にチャレンジしてみましょう。選ぶ野菜としては、ニンジン、ネギ、ソラマメ、サヤエンドウ、カブ、ダイコンが挙げられます。
これらは収穫までに2ヵ月以上かかりますので、それぞれの成長に従って必要な養分(肥料)を追加して与える『追肥』が必要となります。一般的には効果の現れるのが速い、化成肥料や即効性の液体肥料を用います。さらに、病害虫対策も実行してください」(サカタのタネ)
秋まきの家庭菜園に向く野菜とはいえ、同じ10月でも寒冷地・温暖地・暖地といった地域差があるため、挙げた野菜がすべて「適している」とは言い切れないことはもちろんです。お住いの地域ごとに栽培カレンダーの適期や生育条件を確認してから始めましょう。
それぞれに適した野菜を育てて、秋の家庭菜園を楽しみ、味わってみてはいかがでしょうか。
参考資料など
取材協力/サカタのタネ「園芸通信」(https://sakata-tsushin.com)
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