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WEリーグ開幕戦で感じたこと/六川亨の日本サッカーの歩み

超ワールドサッカー / 2021年9月14日 12時10分

写真:©WE LEAGUE

昨日12日、華々しく開幕したWEリーグ。味の素フィールド西が丘の東京V対浦和の試合を取材した。試合はカウンターから浦和のDFラインの裏を突いた東京Vが植木理子のゴールで先制すれば、前線に安藤梢(165cm)と塩越柚歩(166cm)の大型FWを擁し、後半からはエースの菅澤優衣香(169cm)を投入した浦和が、菅澤と塩越のゴールで2-1と逆転勝利を収めた。

開幕戦にもかかわらず、タイムアップの瞬間に東京Vの選手はピッチに崩れ落ち、浦和の選手は優勝したかのように喜びを爆発させた。それだけ女子初のプロリーグである「WEリーグ」の誕生は、彼女たちにとって画期的な出来事だったのだろう。

WEリーグのチームには15名以上のプロ契約選手を保有することが義務づけられている。そして東京Vの登録選手は20名。そのせいかどうか詳細を確かめることはできなかったが、スタメンのリザーブ選手の登録枠は7名に対し、東京Vは6名の選手しか登録していなかった。ベテランの岩清水梓や大会前に移籍した宇津木瑠美らはメンバー外だった。ここらあたりもプロとなったことで、クラブチームの運営(経営)の難しさが出ているのかもしれない。

そもそもWEリーグは、地盤沈下の著しい日本代表の強化のための環境整備、選手の地位向上、小中高生の育成など底辺の拡大を目的に創設された。

93年に開幕したJリーグもそうだったが、「昨日までアマチュアの選手が、今日からプロになりました」と言ってすぐに技術が向上するわけではない。こちらは長い時間を要する。しかしそれでも環境が整備されたおかげで徐々にではあるが、選手のフィジカル(スピードとスタミナ)強化とプロとしての自覚は促進された。選手は毎日サッカーに専念できるからだ。

そして今までは、対外的に所属クラブの親会社の社員だったりアルバイトだったりという身分が、晴れて「プロ選手」と名乗れるようになった。これまでも「プロ選手」と名乗ることはできても、社会的に認知されていなかった。その意味でもWEリーグの創設は意義深い。

底辺の拡大も時間をかけて地道にやるしかないが、昨日の西が丘サッカー場では、バックスタンド右側に水色のユニホームを着た女子小学生の一団がいた。Jリーグが成功した一因に「地域密着」がある。WEリーグも同様に、ホームタウンの女子小学生チームを毎試合招待したり、サッカー教室を開いたりして地域密着を積極的に進めるべきだろう。

すでに西が丘サッカー場の周辺には、東京Vが北区と板橋区をホームタウンにするポスターが掲出されている(西が丘サッカー場は北区にあるが板橋区とも隣接)。そして、いかに露出を増やして認知度を高めていくか。これが今後のWEリーグの一番の課題になるだろう。選手たちは子供たちにとって、憧れの存在にならなければいけないからだ。

露出に関してはもう一言。昨日の試合では東京VがA4で6ページの観戦パンフレットを無料配布していた。これまであまり女子リーグを取材してこなかったので、サッカー専門誌が発行しているJリーグのような、全チームを網羅した選手名鑑が売っていないか探したところ、残念ながら発見することはできなかった。

もしかしたらコロナ禍で、金銭のやりとりによる感染のリスクを避けるためスタジアム内では販売していなかったのかもしれない。そこでネットで検索したら、ぴあMOOKから「オフィシャルガイドブック2021-22」(1100円)が発行されているのを知ったので、早速ポチッと購入した。

どんな選手が、どのチームにいるのか調べるのも名鑑の楽しみではないだろうか。そして試合会場でも、名鑑を販売していることをアナウンスするだけでも効果はあると思うが、いかがだろうか。まずはファンに知ってもらうことがプロ選手のスタートだと思うからだ。


【文・六川亨】

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