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いよいよ後がなくなった…/原ゆみこのマドリッド

超ワールドサッカー / 2021年11月27日 22時30分

写真:©Atlético de Madrid

「絶体絶命度が高いのはどっちだろう」そんな風に私がしょうもない比較をしていたのは金曜日、すでに週末のリーガ戦が目前となりながらもまだ、CL5節のショクを乗り越えようとしていた時のことでした。いやあ、火曜にバルサがカンプ・ノウでスコアレスドローに終わり、2位ではあるものの、3位のベンフィカとは勝ち点差2。最終節で相手はグループ最下位のディナモ・キエフと当たるため、チャビ監督のチームはバイエルンに必勝を期して、アリアンツ・アレナに乗り込まないと決勝トーナメントに行けないとなった時は、「まあ大変ね」ぐらいにしか、思わなかったんですけどね。

それがCL水曜試合の終わってみれば、ミランに負けたアトレティコは何とグループ最下位に転落。リバプールがポルトに勝ってくれたため、敗退決定は免れたものの、12月7日にはエスタディオ・ド・ドラゴンでポルトに必勝なのは当然として、万が一、ミランがサン・シーロでリバプールに勝った暁には現在、負けている総得失点差を覆すだけのゴールを挙げないといけないって、ここまでCL5試合で4点しか取っていないアトレティコにはあまりにハードルが高くない?

まあ、他を見てみれば、5節はマンチェスター・ユナイテッドに終盤2点を奪われ、0-2と負けたビジャレアルも2位とはいえ、3位のアタランタとは勝ち点差1。ベルガモでの最終戦ではその直接ライバルに絶対に負けらませんし、ボルフスブルクに2-0と勝ったセビージャにしても4節まで3分け1敗と不調だったため、最近のコロナ感染拡大のせいで、無観客試合となる予定のレッドブル・アレーナでザルツブルクに勝利する以外ないといった具合で、突破が確定したレアル・マドリーを除けば、どこも似たり寄ったりなんですけどね。ビジャレアルがELに優勝したおかげで、今季はスペイン勢がCLに5チームもいるとホクホクしていたのも束の間の栄華、年を明けても生き残っているのはたった1チームだったなんてことにでもなったら、天下のラ・リーガの名が泣いちゃいますよね。

まあ、そんなことはともかく、水曜のマドリッド勢の試合がどうだったか、お伝えしていくことにすると。もちろん、私はアトレテイコファンが応援の限りを尽くすワンダ・メトロポリターノのスタンドに座っていたんですけどね。こちらは終盤まで、にっちもさっちも行かなかったため、まずはオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の2元中継でチェックしていたお隣さんの方から行きましょうか。モルドバでのシェリフ戦は、「Hoy no podíamos titubear/オイ・ノー・ポディアモス・ティトウベアル(今日は躊躇している訳にはいかなかった)。何かあったら、次のインテル戦が面倒になるからね」(カルバハル)というマドリーが優勢に進めていたんですが、先取点が入ったのは前半30分になってからのこと。

アラバが蹴ったFKが敵に当たって入ったゴールだったんですが、アトレティコとミランが双方、無得点のまま、ハーフタイムに入った直後、まだ前半ロスタイム中だったティラスポリではロドリゴのパスを受けて、クロースがシュート。ゴールバーに当たって落ちたボールの位置がラインの内側だったため、0-2のリードで折り返すことに。いやあ、この日もアンチェロッティ監督は「Si Kroos está bien, el entrenador está mas tranquilo/シー・クロース・エスタ・ビエン、エル・エントレナドール・エスタ・マス・トランキーロ(クロースがいいと、監督はより落ち着いていられる)」と彼をベタ褒めだったんですけどね。それでも当人は、「中盤で自分たちはゲームを作るけど、得点するFWが必要だ。Si no marcan, nuestros pases no valen para nada/シー・ノー・マルカン、ヌエストロス・パセス・ノー・バレン・パラ・ナーダ(ゴールを入れてくれなければ、ボクらのパスは何の役にも立たない)」とまったくもって、謙虚そのもの。

夏のユーロ2020の後にはまだ31才なのにも関わらず、ドイツ代表を引退して、マドリーに専念する潔さもあってか、ファンからは絶大の支持を受けるクロースなんですが、ワンダでの不毛な戦いが続く中、マドリーは後半10分にもメンディのアシストでベンゼマが3点目をゲット。終盤出場したアセンシオの惜しいシュートなどもあったものの、ゴールはそれで打ち止めだったんですが、9月のサンティアゴ・ベルナベウでの対戦では1-2で不名誉な敗戦をしましたからね。この試合の前には「Queremos tener una revancha/ケレモス・テネール・ウナ・レバンチャ(リベンジをしたい)」と言っていたアンチェロッティ監督も0-3の勝利となれば、十分、満足できたのではないでしょうか。

おかげでグループ突破が確定し、最終節は負けさえしなければ、1位通過という好条件で2週間後、サンティアゴ・ベルナベウにインテルを迎えることになったマドリーなんですが、それはまだ先の話。この日曜午後9時(日本時間翌午前5時)にはセビージャとのリーガ戦があって、こちらも前節、レアル・ソシエダに勝ち点差1をつけて立った単独首位の座を守る大事な試合ですが、幸いシェリフ戦後半に交代したアラバの左ヒザのケガは軽度だったことが金曜には判明。来週水曜には延期されていた9節のアスレティック戦も入っているため、ムリをさせることもないかと思いますが、実際、負傷禍の真っ最中なのは相手のセビージャの方ですからね。

ええ、ボルフスブルク戦でもエン・ネシリ、ヘスス・ナバス、スソ、ラメラを欠いていただけでなく、更にディエゴ・カルロス、クンデもケガをして、CBは負傷明けのレキクしかいないのだとか。その上、彼らにとって、マドリーのホームはここ14年で13敗という鬼門の地。唯一、無観客試合だった昨季だけは、バルデベバス(バラハス空港の近く)にあるエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)開催だったせいか、2-2と引分けることができたのだとか。何せ、今のマドリーで負傷のリハビリ中なのは、金曜の抽選会で3月のW杯予選プレーオフでウェールズが準決勝でオーストリア、決勝ではスコットランドvsウクライナ戦の勝者と当たることの方が気になっていそうなベイル、冬の市場でベティスへの帰還が決まるかもしれないセバージョス、そして先週末のグラナダ戦前に胃腸炎に罹り、未だにグラウンドに姿が見えないアザールと、昨今のチームの快進撃に貢献していない3人だけですからね。

となると、ほとんどマドリーに不利な要素は見えないんですが、それと真逆なのがお隣りさんなんですよ。ええ、ワンダでは試合が停滞していたと言ったんですが、正直な話、開始早々、いきなりコケがカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)の後輩、テオ・エルナンデスの足を強く蹴ってファール。もしや前日、ミランがワンダのピッチを散歩した際、故ルイス・アラゴネス監督の「el escudo no se pisa/エル・エスクード・ノ・セ・ピサ(紋章は踏まない)」という、アトレティコに綿々と受け継がれる禁忌を破り、ロッカールームからの出入り口前の地面にある紋章をテオが踏んでいたのが気に入らなかったのかと、私も驚いたんですが、それ以降、前半はずっと相手に押されっぱなしだったから、困ったの何のって。

ようやくレマルやカラスコがシュートを撃ち、改善を期待された後半もホント、どうなっちゃったんでしょう。敵からボールを奪い返しても、この日の彼らは見事なぐらい、「3回もパスが続かない」状態でしたからね。カウンターなど望むべくもなく、そうこうするうち、アンフィールドではリバプールが2点リード。勝ち点差1で2位にいるポルトの敗北が濃厚になったの幸いと思ったんでしょうか。30分過ぎにはシメオネ監督がルイス・スアレス、デ・パウルをクーニャ、ベルサイコに交代。更にはグリーズマンまで下げ、代わりに入ったのがコンドグビアだったため、ファンから引分け狙いの消極的な采配と、ネガティブな結果も相まって、猛烈な批判を浴びることに。

ただ、アトレティコのベンチには元々8人しかおらず、最後にコンドグビアでなければ、あとはエレーラの選択肢しかなかったのも事実。せめてオサスナ戦でデビューしたアタッカーのカルロス・マルティンでも呼んでいれば良かったんですが、カンテラーノのヘルプメンバーもDFのフラン・ゴンサレスだけでしたしね。交代でイブラヒモビッチが出て来たミランに比べると、ジョアン・フェリックスが負傷欠場していたのが致命的だった?それ以上に今季は豊富なFW陣を過信して、一気呵成に攻めると何故か、失点も増えるアトレティコだったため、シメオネ監督が慎重だったのはわからなくもないんですが、それでももたなかったんですよ、このダメダメ守備陣。まさか43分にもなって、ケシエが上げたクロスをマシアス・ジュニオールにフリーでヘッドされているようじゃ、一生救われませんって。

このゴールで0-1と負けた後、ヒメネスなど、「Hay que asumir los errores, la culpa, yo era el central y el responsable/アイ・ケ・アスミル・ロス・エローレス、ラ・クルパ、ジョ・エラ・エル・セントラル・イ・エル・レスポンサボレ(ミスも責任も受け入れないといけない。CBだから、自分のせいだ)」と反省していましたけどね。「ホームチームだったから、前に出ないといけなくて、そしたらボールを失って、外側から攻められた。Los defensas en carrera es difícil mirar e ir a por la marca/ロス・デフェンサス・エン・カレラ・エス・ディフィシル・ミラール・エ・イル・ア・ポル・ラ・マルカ(走りながらの守備は相手を見て、マークにつくのが難しい)」って、いや、ヒメネスにしろ、サビッチにしろ、攻撃を始めるはずのパスがことごとく、敵目掛けてまっしぐらって、それを世間では自業自得と呼ぶんですよ。

おかげで全ての可能性をポルト戦に懸けることになってしまったアトレティコだったんですが、何故か、「Estoy optimista más que nunca porque estamos con vida/エストイ・オプティミスタ・マス・ケ・ヌンカ・ポルケ・エスタモス・コン・ビダ(私はかつてない程、楽観的だ。まだ生き残っているのだから)」とシメオネ監督は落ち込んでおらず。選手たちも「自分たちを信じないと。ボクらには才能があって、努力もしてて、勝ちたいという意志もある」(グリーズマン)と前向きではあったんですが、本音のところは「No sé por qué está pasando esto/ノー・セ・ポル・ケ・エスタ・パサンドー・エスト(何でこんなことが起きているのかはわからない)」(オブラク)といった辺りかと。

もうこうなると、最終節で奇跡が起きてくれることを私も祈るしかないんですが、こちらもリーガ戦は待ってくれません。ええ、日曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)から、アウェイでカディスに挑むんですが、慰めは前節、相手は弟分のヘタフェに4-0で完敗。降格圏と勝ち点差1の16位とあまり調子が良くないことですが、金曜の時点ではジョアンが復帰できるかどうかはまだ不明のよう。肩をケガしたトリッピアーはクリスマス休暇明けの復帰予定ですし、CLで2試合の出場停止処分になったフェリペは戻れますが、さりとてあまり守備力アップには役立つようには見えないため、とにかく撃ち負けないように前線がゴールづいてくれるといいんですが…。

そして月曜にマジョルカを3-1で破り、EL出場圏の6位を維持しているラージョはこの週末、土曜にメスタジャでバレンシア戦となるんですが、何せ、彼らは7試合1勝1分け5敗とアウェイが苦手でねえ。その分、ホームで1敗もしていないため、高みにいられるんですが、それだけに今度はファルカオのゴールが欠かせないかも。イラオラ監督によると、負傷明けの彼の体の状態はあまり変わらず、遠征には参加するようですが、先発はまだ早い?来週は昨季の国内戦優勝、準優勝で1月にスペイン・スーパーカップを戦う4チーム(アトレティコ、マドリー、バルサ、アスレティック)以外、全ての1部チームが参加するコパ・デル・レイ1回戦があり、ラージョも木曜にギフエロス(RFEF3部、実質5部)戦が入っているため、ちょっと日程がハードになりそうです。

一方、ヘタフェも土曜の午後6時30分からマジョルカ戦なんですが、何より今の彼らの励みとなっているのは前節の勝利で最下位を脱出、19位ながら、上2つのチームとは勝ち点差2と、上手くいけば降格圏を抜けるのも夢ではないこと。いやあ、こちらもアウェイではまだ1勝もしておらず、ラージョに輪をかけてひどいんですが、13位の相手もここ6試合白星なしと決して好調ではありませんからね。だんだん、キケ・サンチェス・フローレス監督の指導が実って、失点が減り、ゴールも入るようになってきたため、いい試合が期待できるかと。彼らも来週火曜にはコパのモレスサ(カタルーニャ地方リーグ1部)戦もありますが、今はリーガの状況が状況なため、あまり気は遣っていられないかもしれません。

ちなみにマジョルカではいよいよ、久保建英選手の復帰が近いようで、ルイス・ガルシア監督によると、「A Take le queda un poquito para entrar desde el principio/ア・タケ・レ・ケダ・ウン・ポキート・パラ・エントラール・デスデ・エル・プリンシピオ(タケが先発するにはまだちょっとかかる)。今は少しの間、プレーできるだけ」なのだとか。今季は2部のマドリッド弟分、レガネスにいる柴崎岳選手やカルタヘナの岡崎慎司選手はコンスタントに試合に出ているんですが、久々に1部の試合でも日本人選手が見られるかもしれないのは楽しみですよね。


【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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