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【2022年カタールへ期待の選手vol.94】2019年アジアカップ以来の代表復帰。30歳を迎えるFWはカタールW杯に手が届くのか?/武藤嘉紀(ヴィッセル神戸/FW)

超ワールドサッカー / 2021年12月31日 22時0分

写真:©︎J.LEAGUE

「Jリーグで毎試合しっかり出場して得点感覚を戻す、そして『ゴールマシーン』になることを目標にして、大きな決断をしました」

今年8月のヴィッセル神戸移籍会見でこう宣言した武藤嘉紀。今季前半戦だけで15ゴールをマークした古橋亨梧(セルティック)が背負った11番を引き継いだ男は貪欲にゴールに突き進み、14試合出場5ゴールという数字を残した。神戸もJ1・3位でフィニッシュ。目標だったアジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得に少なからず貢献してみせた。

「ゴールマシーンになる」という大目標を公言した本人にしてみれば、「自分はこんなもんじゃない」という気持ちが強いのだろうが、今季後半が復活への序章となったのは間違いない。

実際、武藤の前線からのハイプレスと献身的なアップダウン、ゴール前での駆け引きの鋭さ、敵を背負いながらのペナルティエリア内への侵入などは、Jリーグ基準をはるかに超えていた。森保一監督が2022年1月のウズベキスタン戦(埼玉)に挑む日本代表候補に抜擢したのも、確かに頷ける話だ。

武藤が代表に戻ってくるのは、2019年アジアカップ(UAE)以来、3年ぶりとなる。あの時は浅野拓磨(ボーフム)の負傷辞退によって追加招集された形だった。当時はニューカッスル移籍1年目で試合に出たりでなかったりの状況だったが、プレミアリーグ参戦で身に着けたタフさや逞しさを前面に押し出してくれるのではないかと大いに期待された。

絶対的1トップ・大迫勇也(神戸)が初戦・トルクメニスタン戦で負傷したこともあり、武藤には第3戦・ウズベキスタン戦(アルアイン)で先発のチャンスが訪れ、値千金の先制弾も奪った。が、指揮官の評価が急上昇することはなかった。

その後、ニューカッスルで出番を失った影響から代表復帰は叶わず、2020年夏にエイバルへ赴いてからもお呼びがかからずじまい。そのまま3年もの月日が経過してしまった。不完全燃焼のまま終わった2018年ロシアW杯のリベンジを果たしたいと渇望しながら、長期間、足踏み状態を強いられていたのだ。

この間、森保ジャパンの最前線は大迫がずっと主軸を担い続けてきた。ただ、彼もケガやコンディション不良で離脱することが少なくなく、鈴木武蔵(ベールスホット)やオナイウ阿道(トゥールーズ)など複数候補が試されてきたが、なかなか指揮官のお眼鏡に叶わなかった。今年9月からスタートした最終予選でも大迫依存症は顕著で、セルティックでゴールを量産している古橋でさえも、1トップでは使ってもらえない時期が続いている。

神戸移籍後の大迫が復調傾向なのは、誰もが認めるところだが、彼がいなければまともに戦えないというのは、日本代表にとっては歓迎すべき状態ではない。最前線でしっかりとタメを作り、攻撃のスイッチを入れられる人材が最低もう1人は必要だ。高さと強さ、ゴール前での嗅覚を兼ね備えた武藤はその役割をこなせるだけのポテンシャルを備えた選手。ここは一気に序列を上げるチャンスなのである。

武藤のアドバンテージは現在、大迫とともにプレーしている点。10月2日の浦和レッズ戦から三浦淳寛監督が2トップを採用したことで、お互いに生かし生かされる関係がスムーズに構築できている。

大迫も「自分がゴールを奪えるようになったのも、フォーメーションによるところが大。僕と武藤でしっかり前に行けるし、そこにアンドレス(・イニエスタ)だったり、(山口)蛍だったりが絡める。相手にとってすごく怖い攻撃ができている」と太鼓判を押していた。

日本代表は2トップを採用するケースは限られているものの、停滞した時間帯に2人が揃ってピッチに立つことで、ゴール前の厚みが増すのは間違いない。そういう使い方ができることを考えても、武藤を代表に置いておく価値はあるのだ。

かつてチェルシーからオファーを受けたスピードと推進力は30歳を目前にした今も健在。両ウイングでもプレーできる。最終予選突入後の代表は右サイドの快足アタッカー・伊東純也(ヘンク)への依存度が高まっているが、彼に何らかのアクシデントがあった時を考えても武藤というカードがあるのは心強い。彼ならば、ドリブラータイプの堂安律(PSV)や久保建英(マジョルカ)とは違った色合いをチームにもたらせるはずだ。

武藤が本気で2022年カタールW杯を引き寄せようと思うなら、こういった数々の強みを強く押し出すことが肝要である。負けん気の強い男は1月17日からの代表合宿の重要性を誰よりもよく分かっているはず。そこに向けてトップコンディションを作ってくるに違いない。

果たして彼は手薄感の強いFWに殴り込みをかけられるのか…。年明けのパフォーマンスが大いに楽しみだ。


【文・元川悦子】

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