「総合的に判断した」性加害報道の伊東純也についてJFA田嶋幸三会長が会見、伊東と直接会話も「サッカーに集中できる環境を作る必要がある」と離脱を決断
超ワールドサッカー / 2024年2月2日 17時45分
日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は2日、日本代表を離脱することにつながったMF伊東純也(スタッド・ランス)に関しての記者会見を行った。
1月31日、『週刊新潮』のニュースサイト『デイリー新潮』が、伊東が女性の同意なく性行為に及んだとして刑事告訴されたと報道。1日にJFAは伊東がアジアカップ2023に臨んでいる日本代表から離脱することを発表していた。
また、伊東側は虚偽告訴だということで告訴状を提出し受理された中、日本時間の1日夜にカタールで山本昌邦ナショナルチームダイレクターが「伊東選手とともに戦いたいという意見が多く出ました。その上で会長に相談をし、伊東選手を残す方向で改めて調整するということになりました」と説明。離脱を一時的に撤回していた。
JFAは2日に入り、検討を重ねた結果、伊東の離脱を正式決定。田嶋会長が記者会見で、今回の決定に関して説明した。
「この度、大変お騒がせしてしまったことをお詫び申し上げます。結論から申し上げますと、森保監督と相談した結果、伊東純也選手がアジアカップで戦っているSAMURAI BLUEから離脱することとなりました」
「昨日の日本時間の夕方に伊東選手の離脱についてご案内を差し上げました。カタールの現地で戦っているチームから連絡がありまして、選手たちの熱い思い、そういう中で継続して戦いたいという気持ちがあったと聞いていますが、我々としてはしっかりとした情報を集め、議論したいということで、昨晩は一時的に離脱について延期いたしました。本日改めて検討することといたしました」
「専門家、弁護士の方、様々な方にも入っていただきミーティングを行い、現在の状況を考えると、チームを取り巻く環境が騒がしいことが続くことも想定されます。チームがサッカーに集中できる環境をJFAがしっかりと作る必要があるということで、伊東選手のコンディションを含めて考えた上で、JFAとして総合的に判断しました」
「今回離脱のご案内をした後に再検討するなど、皆さんには色々と二転三転したことをお詫び申し上げたいと思います。しっかりとチームが戦える環境を作るということで、総合的に判断させてもらいました」
伊東の離脱に関して、事態は二転三転。結果的に最初の発表通り離脱となったが、「昨日の段階では、選手たちの本当に熱い気持ちもあり、本人もそういう仲間たちからのサポートを得た上で、我々としては心身ともにアジアカップで戦える状況ではないのかと思いました」とコメント。「本人と話した時には、しっかりと自分は調整したいという気持ちも持っていました。ただ、色々と取り巻く環境が今朝からミーティングをしていた中で、彼のコンディションを含めて離脱させることが望ましいという判断に辿り着きました」とコメント。また、スポンサーやパートナーについては「全くゼロではありません」と配慮したことを明かし、「やはりこういう事件が起きて、お互いが情報を出しているわけですから、その辺りも苦慮し、パートナーの方々に配慮したのも事実です」と、主張が双方で違うこともあり、慎重に判断することになったと語った。
今回離脱ではなくチームに残れば、性暴力はなかったことを認めることにもなっていた。ただ、「伊東選手の案件とは全く関係なく、我々は組織として性暴力に対しては絶対反対の姿勢をとっています」と、JFAとしてのスタンスを表明し、「この件について、今我々が白か黒かと言える立場にはないと思っていますので、その判断は我々は考慮していません。全てのことを総合的に判断したということです」と、そうした思いで離脱させたわけでは無いとした。
森保一監督の反応については「伊東選手と森保監督は話してくれました。私と森保監督も話をして、納得してこの結論に至っております」とコメント。「つい先ほど、カタールのドーハで山本ダイレクターから選手たちには説明をしています。その上で選手たちは納得してくれたと思っています。詳しい情報は聞いていませんが、説明はしたとのことです」と、日本代表の選手たちにもこの決定は伝えられたという。
伊東とも1日の夜に直接話したという田嶋会長。「「自分はやりたい」と言ってくれた」と、伊東も選手たちの思いを受けて戦い続けたいと言っていたという。ただ、離脱に決定。「総合的に判断した」としt。
今回の事件に上がっているペルー代表戦後の行動だが、田嶋会長は「我々は、いち大人として選手たちを扱っています。終わった後にしっかりと解散しています」と、代表活動は終わっていたと説明。「その中で選手たちが各自どういうことをしていることは我々は把握していません」と、その後の行動は関知していないという。
今後については「しっかりと考えていかなければいけないと思っていますが、選手1人1人がプロ選手として自立したものだと考えています」と語り、「こういうことがあったことが、もしかすると選手には一番響くものになるかもしれません。ただ、しっかりとした教育はしていかなければいけないと思います」と、注意喚起を含めて、しっかりと教訓にしていきたいとした。
バーレーン戦の直前に報道が出た中で、チームはしっかりと勝利。そしてイラン代表との準々決勝の前にもこうした動きとなった。
他の選手たちについては「選手たちは伊東選手をチームメイトとして、仲間として一緒に戦いたいということ。様々な基準が国によって違ったりしますが、そういう気持ちで伊東選手に対する気持ちを持っていたと思います」と語り、「どの程度影響したかは分かりませんが、今の選手たちは本当にプロフェッショナル。しっかりと切り替えて、明日の試合に臨んでくれると思っています」と、思いが叶わなかった結果となったが、しっかりと試合では結果を残すことを期待した。
また「確かに残念なことだと思っています」と今回の件について語り、「今後どういう風になっていくかは、僕らが分からないところで今後進んでいくことになると思うので、我々の立場で個別の案件についてはお話しできませんが、こういうことが無いように我々はしていけないですし、こういうことが無くても、困難な時を越えていけるようなチームであってほしいと思っています」と、チームとして強さを持っていきたいとした。
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