小川彩佳アナが妊娠して感じた「罪悪感」 働く女性の出産めぐる空気

wezzy / 2020年6月29日 13時0分

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 現在『NEWS23』(TBS系)のキャスターを務める小川彩佳アナウンサーが、妊娠中に働くことについての<罪悪感のようなもの>が常にあったと、「週刊文春WOMAN」vol.6(文藝春秋)のインタビューで明かしている。

 小川彩佳アナは現在妊娠中でこの夏に出産予定。『NEWS23』では身重の小川アナを気遣い、3月31日にTBS局内で新型コロナウイルス感染者が確認されてから、報道番組のなかでもいち早くリモート出演に切り替わった。

 小川アナは『NEWS23』スタッフの努力と素早い対応に感謝しつつ、妊娠しながら番組出演を続けていることに「罪悪感」があったという。どういうことなのか。以下、インタビューから一部を引用する。

<もともと、妊娠した身で働いているということについては、スタッフに気を遣わせているのではないかという罪悪感のようなものが常にありました。ですから、こうした配慮で出演を継続させていただけたことは、一人の働く妊婦として、大変有難いことでした>

 また彼女は、非常事態にありながら自分が出産ギリギリまで仕事をしていることが、社会に良くないメッセージを発信しているのではないかと懸念してもいるようだ。

<感染予防を人一倍徹底しながらではありますが、こうした不安定な状況であるからこそ、報道番組のキャスターとしてできる限りお伝えし続けたいと思ってきました。一方で、妊娠中の私が仕事を続けることで、産休を取りづらい雰囲気を作ってしまっているというご批判の声をいただくこともあります。早く休業に入るべきなのか、このまま出演を続けていてよいのかと自問自答しながら放送に向き合い、産休についての方針を固めてきました>

 小川アナが逡巡するのは、この社会でいまだに「女性が産休で職場を離れることはリスクであり迷惑」との認識が生き残っているからだろう。出演者の安全に配慮した放送環境を整えるのは番組制作側の責務だが、周囲のサポートに対し、妊娠した当事者が罪悪感や無言のプレッシャーを感じざるを得ない空気が「産みにくく育てにくく働きづらい」社会には漂っている。

 女性アナウンサーやニュースキャスターは、そうした価値観のもとバッシングに晒されてきた存在だ。

 代表的なものがNHKの青山祐子アナへのバッシングだ。青山アナは産休と育休を複数回取得し、合計で7年休業して退職したことから、「給料もらい逃げ」「こういう女性がいるから産休を取りづらくなる」などと中傷されてきた。

 また、以前『NEWS23』でキャスターを務めていた膳場貴子アナは、第一子を出産して復帰するも、すぐにメインキャスターを降板した。その背景には、出産を機に契約を打ち切ろうとしたTBS上層部からのマタニティーハラスメントがあったのではないかと報じられた。ちなみに小川アナ自身も今年の2月に妊娠を公表した際、産休のタイミングで降板するのではないかと報じられていた。

 しかし産休や育休の取得は労働者の権利だ。出産を機に女性が職場から抜けること、また、それを周囲の従業員がカバーすることが「迷惑」「リスク」であるとするならば、批判すべき矛先は当人の女性ではなく、そうした事態にも対応できる人事を整えることができない企業上層部に向かうべきだろう。

 また、女性だけでなく男性も育児休暇を取得する動きが社会全体でもっと進めば、女性に偏りがちな負担も減らすことができる。日本の男性育休取得率は6.16%(2018年度)で、政府が掲げる「2020年までに13%」という目標にはいまだ遠く及んでいないのが現状だ。この現状に目を向けず、妊娠・出産・育児をする女性を非難することのおかしさに気づいてほしい。

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