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BTS「ヘイトクライム抗議声明」に絡み付く日本の排外主義者が、麻木久仁子の賛同ツイートに突撃

wezzy / 2021年4月6日 6時0分

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 BTSがアメリカ・ヨーロッパで横行するアジア系住民を対象としたヘイトクライムに対して発信したメッセージが大きな話題を呼んでいる。

 2020年3月30日、BTSは公式Twitterを通じて、英語と韓国語で声明を発表。「#StopAsianHate」「#StopAAPIHate」とハッシュタグがつけられたそのツイートでは、同月16日に起きた銃撃事件で犠牲になった人たちに哀悼の意を表しつつ、こんなメッセージが出されていた。

私たちはアジア人として差別に直面したときのことを思い出します。私たちは理由もなく罵られたり、容姿について嘲笑されたこともありました。「アジア人なのにどうして英語を話すの」と聞かれたことすらあります。

そうした理由で憎悪や暴力の対象となってしまうことに対する痛みは言葉にできません。

私たち自身の体験は、数週間前に起きた事件に比べれば取るに足らないものです。しかし、そうした経験は、私たちに無力感を植え付け、自尊心を削り取るには十分でした。

いま起きていることは、私たちのアジア人としてのアイデンティティーと切り離して考えることはできません。そのことは私たちに注意深く議論する時間を要求し、我々はどのようにメッセージを発信するべきか深く考えました。

しかし、私たちが発するべき声は明確です。

私たちは人種差別に反対します。

私たちは暴力を強く非難します。

あなたも、私も、私たちも、すべての人が尊重される権利をもっています。私たちはともに立ち上がります。

(編集部訳)

 現在、アメリカではアジア系市民に対するヘイトクライムが社会問題化している。新型コロナウイルスをめぐってトランプ前大統領が中国に対する不当なレッテル貼りをして差別を煽ったことや、経済覇権をめぐって米中が激しく争っていることなどがその主な原因だといわれている。

 人権団体・ストップAAPIヘイトの調査によれば、アジア系住民を対象としたヘイトクライムは昨年3月から今年2月の間で約3800件も起きているそうだ。

 その結果3月16日には、アジア系女性6人を含む8人が銃撃によって亡くなる痛ましい事件まで起きてしまった。

 バイデン政権もこの状況を重く見ており、大統領本人が「ここ数年多くのアジア系アメリカ人が、自身や愛する人の安全を危惧しながら生きなければならなかった」「沈黙は共犯──私たちは共犯者になることはできない。声をあげ、行動しなければなりません」といった強い非難のメッセージを出すとともに、同月30日には被害者支援や取り締まり強化に関する追加対策を打ち出した。

BTSは差別・偏見を乗り越えてブレイクした

 韓国出身のグループであるBTSは、アメリカをはじめ全世界でアジア系のグループとしてはこれまでに前例のない規模の成功をおさめてきた。しかしその一方、彼らは出自を理由とした偏見や差別に苦しめられてきた。

 BTSのメンバーは、リーダーのRM以外は英語がそこまで流暢ではなく、注意深く考えて話さなければならない場面では韓国語に切り替えて話すことも多い。2019年にはオーストラリアの放送局・チャンネルナインの番組のなかで男性MCが「アメリカでチャート1位を獲得したくせに英語が話せるメンバーは一人しかいない」といった発言を行い、後日SNSを通じて謝罪している。

 差別的な扱いで受けたBTSメンバーの心の痛みはすさまじいものだったろう。アメリカのメディア「Variety」(2020年10月2日付)に掲載されたインタビューで最年長メンバーのジンが<海外など違った状況にいるときには、僕たちも偏見にさらされてきました。偏見は許容されるべきものではないと思います。偏見は本当に存在してはならない>と発言したこともある。

 そうした経験を経て、BTSは「差別反対」を掲げた連帯のメッセージを打ち出し続けてきた。

 昨年、黒人に対する警察官の不当な暴力が社会問題化した際は、今回と同様にSNSを通じて声明を出したうえ、Black Lives Matter運動を支援するためグローバル・ネットワーク財団に100万ドル(約1.1億円)を寄付している。



 自分たちの経験にも触れながらアジア系住民への差別・ヘイトクライムに対して強く厳しいメッセージを送ったBTSのツイートは大きな反響を呼び、約230万の「いいね」が集まっている(4月4日現在)。

 日本の著名人もBTSのこの動きに反応。たとえば麻木久仁子は3月31日にTwitterで、声明全文の和訳を載せたBuzzFeed Japanの記事URLとともに「素晴らしい。心が震えた」とツイートした。

 しかし、麻木の感想に対してネット上では「この方たちって自身は差別されたくないけど日本人は差別の対象なんですよね」「この中には“日本人”は含まれていませんよね」といったリプライが押し寄せたのだ。

 2018年に起きた「原爆Tシャツ」騒動以降、排外主義的な思想をもつ人々はBTSを目の敵にし、彼らを好意的に取り扱うメディアや識者を攻撃する流れが続いている。ネット上ではBTSの活躍を取り扱った記事に対して「こんなニュースは必要ない」「どこの国のメディアですか」といった反応が出てくるのも日常の光景となった。

 ただ今回、BTSが出した声明に対して「連帯」よりも「対立」を煽るような姿勢をとるのは、あまりにも問題を理解できていなさすぎるのではないか。

 現在社会問題化しているアジア系住民に対する差別・ヘイトクライムは、日本人や日系人も対象になっている。

 事実、2月25日には、リトルトーキョーにある東本願寺ロサンゼルス別院が襲撃された。白人男性が柵を乗り越えて敷地内に侵入して窓・灯籠を破壊、また、木製の提灯台に火をつけるなどの犯行におよんだという。

 今回の事態を受けてニューヨークなどの日本領事館は、ヘイトクライムに関する最新情報や、犯罪被害に遭わずに日常生活を送るための助言を記したメールを、現地に住む日本人に対して送信している。

 すべてのアジア系の人々にとって、今回の事態は対岸の火事ではないのである。

 だからBTSの声明文でも、「アジア人としてのアイデンティティー(identity as Asians)」と記されている。「韓国人」ではなく「アジア人」としてのアイデンティティーと強調し、国籍を問わずすべての人々に連帯を呼びかけているのである。

BTSに学んだARMYも社会的なアクションを起こしている

 前述したBlack Lives Matter運動への参加を含め、BTSは社会問題に関して積極的に発言してきたグループである。2017年からはユニセフのキャンペーンに参加し、翌年にはニューヨークの国連本部で「自分自身を愛し、自尊心を保ち続けることの大事さ」をテーマにしたスピーチを行っている。

 そうしたBTSの動きに刺激を受け、ARMY(BTSファンの総称)が有志で社会的なアクションを起こすことも多い。

 昨年はBlack Lives Matter運動をサポートするため、ファン有志が100万ドル以上の寄附金を集め、全米黒人地位向上協会(NAACP)のなどアフリカ系コミュニティへの支援を表明した。

 また「原爆Tシャツ」騒動時には、この件をきっかけに、現在でも被曝の後遺症などで苦しんでいる人がいるのを知ったというファン有志が募金活動を行っている。

 今回も、BTSのメンバーが国籍を越えた連帯を呼びかけていることの意義を理解しているARMYが排外主義的な思想のもと誹謗中傷を行っているアカウントに反論しているが、今回の社会問題を「自分事」として捉えられない人々が「学ぶ」のはいったいいつになるのだろうか。

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