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子供のアレルギーはお母さんの腸内フローラに関係してる?

Woman.excite / 2015年8月16日 6時15分

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最近何かとメディアに出てくる「腸内フローラ」。健康の秘訣は腸内フローラが元気である必要があるといわれています。腸内フローラは免疫力アップ、精神安定、アンチエイジングに効果的だということがわかってきました。しかし、子どものアレルギーにも関係していると知っていましたか?


© Chepko Danil - Fotolia.com


その前に、そもそも腸内フローラとは何なのでしょうか。医療関係者であれば誰でも知っていますが、大腸菌や乳酸菌を代表とする「腸内細菌」を言います。

私たちの腸内には100兆匹から1000兆匹、約300種類の腸内細菌が生息し、重さにしてなんと1Kg(肝臓や脳と同じぐらいの重さ)もいるそうです。

善玉菌が2~3割、悪玉菌1割、日和見菌がその他大多数の比率で生息しているといわれ、善玉菌の代表はビフィズス菌などの乳酸菌、悪玉菌の代表はウェルシュ菌、大腸菌、そのときどきに合わせて優勢な側に付く日和見菌は連鎖球菌、バクテロイデス菌などがいます。

私は前職で便や尿などから菌を培養し、何菌なのか同定する仕事をしていました。初めて培養すると驚くほどの数と種類、増殖力があり驚いたのを覚えています。そして同じ人でも日によって差が多いということも経験してきました。

きっと食生活などの日ごろの生活が腸内フローラに良くも悪くも影響を与えているのではないでしょうか。

腸内フローラと密接な関係の食事ですが、最近では食物アレルギーの子どもが多いような気がします。腸内環境とアレルギーとの関係は以前から言われており、きっとお母さんの腸内フローラ、新生児・乳児の腸内フローラがキーワードになるのではないでしょうか?

それでは、次はもっと詳しく子どものアレルギーに着目してお話をしていきます。


子どものアレルギー、なぜ発症するの?
おなかの中にいる赤ちゃんは「無菌」です。お母さんが食べる食事のブドウ糖やアミノ酸、脂質やナトリウムなどの無機質などが胎盤を通過して栄養します。一部の菌(溶連菌、淋菌、クラミジア、梅毒など)、ウイルス(ヘルペス、肝炎、HIVなど)、原虫(トキソプラズマ)、真菌(カンジダ)以外は胎盤を通過しませんので、感染症をお持ちでなければやはり原則無菌というわけです。

アレルギーとは、あるもの(アレルゲン)に過剰に起こる免疫反応をいいます。簡単にいうと敵から体を守る防御機構のようなもの。しかし、それが過剰に働くと起こるのですが、どうやら遺伝子的にアレルギー体質というものがあるということもわかってきました。

しかしアレルギー体質だからといって全員がアレルギーになるわけではありません。アレルギー体質に「悪化させるような原因」が加わることで発症すると考えられているので、アレルギーは環境の変化が影響しているといわれています。

住宅環境によりダニやカビが増える、食品流通や食生活の変化で食事の欧米化や食品添加物の増加、皮膚に厳しい乾燥環境が増える、菌との接触が減って体の免疫反応がアレルギーの起こりやすい方向に傾くなどの可能性が示唆されています。

赤ちゃんは生まれてからはじめて菌に接触します。次第に皮膚や口などの消化器官、鼻などの呼吸器官へ菌が入り増殖を起こし始めます。この時点から多くの菌に触れることで、免疫力を養っていくのです。

腸内では生後3~4日で善玉菌であるビフィズス菌が大多数で、悪玉菌の大腸菌は微々たる数しかいません。

このビフィズス菌は、母乳中にある物質が増殖を促し、整腸作用を発揮します。また母乳には白血球やリンパ球、抗体、ホルモン、酵素なども多く含まれるので、赤ちゃんの免疫に一役買っているということは誰もがご存じでしょう。

こうして免疫を獲得し、腸内フローラは2歳~3歳ごろに完成するといわれています。

こんなデータがあります。アトピーの子どもと、そうでない子どもの生後1カ月の腸内細菌の数と種類を調べると、そうでない子どものほうが多かったと。やはりアレルギーと腸内フローラは切っても切り離せない関係であるといわざるを得ません。


アレルギーとの付き合い方
また未完成の腸内フローラの時期に牛乳、貝、お刺身、そばなどを食べさせると、分解できずに体内に入り、その食べ物に対する抗体が作られ、同じものが入ってきたとき、激しく攻撃してしまうアレルギー反応が起こると考えられていますので、離乳食が始まってからは気をつけなくてはいけません。

こうして考えてみると、赤ちゃんのアレルギーを含む免疫のすべてはお母さんに依存しているというのはお分かりでしょうか。

(1) 妊娠中のお母さんの腸内フローラが正しく活動していること
(2) 出産方法(菌との接触)
(3) 母乳育児(菌との接触と腸内フローラへの栄養)
(4) 母乳の質を高める(腸内フローラへの栄養)
(5) 育て方(アレルギー、免疫の獲得)

私が子どものころ、食物アレルギーやアトピー、花粉症はそこまで多かったイメージはありません。当時は今のように「殺菌・消毒」の概念はそこまで強くなかったと思います。もちろん怖い菌も存在するので、一概に悪いというわけではありません。

しかし何でも抗菌といい、菌に触れる機会を減らしてしまった結果がこのアレルギーの原因のひとつであれば、ある程度育て方で予防できるのではないかと考えます。

そしてやはり、赤ちゃんの栄養はお母さんからです。妊娠中、授乳中、離乳食もすべてお母さん。まずはお母さんの腸内フローラを正常化し、子どもの将来の体のことを考えてあげてください。
(鈴木元)
(鈴木元)

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