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秋のしっとりした気分にふさわしい優しいバロック3選

Woman.excite / 2015年10月15日 12時0分

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しっとりと深い秋の気配が漂い始めた、今日この頃。柄にもなく、乙女な気分になったりしませんか? 枯葉を見ても、飛ぶ鳥を見ても、思わずため息が出てしまう。こんなにセンティメンタルなピュアな気持ちはまったく変わっていないのに、自分の年齢って、もう乙女じゃないんだなあ…なんて思うと、ますます寂しくなったりして。いえいえ、深まっていく人生においてこそ、ようやく感じられる豊穣な美しさがあるのです。


© nuzza11 - Fotolia.com


16~17世紀、ヨーロッパを席巻した「いびつな真珠」を意味するバロック芸術は、それまでのルネサンス様式の調和を破り、個性的でドラマティックな方向へ。若くて可愛いだけじゃ済まされない人生の深淵で、紆余曲折を経た感性を磨いてくれるもの。それがバロック音楽です。彷徨う心を整え、さらに浮き立たせてくれる名盤3枚をご紹介します。


朝、エレガントで軽妙なテレマン「パリ四重奏曲集」で
1日をスタート
ドイツ生まれのゲオルグ・フィリップ・テレマン(1681~1767)が1737年、ずっと憧れていたパリに旅行して作った、テレマンの作品中、最もフランスっぽい曲が、この「パリ四重奏曲(カルテット)」、通称「パリカル」。軽妙で洒脱な曲調が、特に、ふさぎがちな朝の気分を奮い立たせ、一日の明るいスタートを切らせてくれるでしょう。


フラウト・トラヴェルソという、フルートの前身の木管楽器を中心に、バロック・ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバという、チェロみたいに脚にはさんで弾くヴィオラ、チェンバロと、古楽器四種類による四重奏曲です。朝は、吹奏楽がお薦め! 吹奏楽器の息吹きが深呼吸するみたいに心身に酸素を送ってくれて、気分がリフレッシュします。

昼、コレッリの楽しげなバロック・ヴァイオリンで気持ちを整えて
午前中、職場でカリカリすることがあったら、ランチタイムの行き返り、コレッリのお世話になりましょう。アルカンジェロ・コレッリ(1653~1713)はイタリアのボローニャ生まれ。彼が作曲した「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集」は、今の私たちからは、ちょっとだけ浮世離れして聴こえるかもしれませんが、とってもラブリー。


単純明瞭で美しい旋律は、緩急の変化がありながらバランス感覚に優れ、ぐちゃぐちゃにこんがらがったあなたの気持ちに秩序を与えてくれます。午後からはまた、いつもの快活なあなたに戻れますよ。古楽器の持つ、地に足の着いたアコースティックな柔らかさが、焦って動かないで、ゆったりと余裕を持って行動するよう仕向けてくれると思います。

夜、ラモーのチェンバロで思う存分、癒されましょう
ああ、疲れた…と帰宅したら、BGMはジャン=フィリップ・ラモーの「クラブサン曲集」をぜひご指名ください。 英語ではハープシコード、ドイツ語ではチェンバロ、フランス語ではクラブサン、一般的にはチェンバロと呼ばれる、ピアノの前身である鍵盤楽器は、典雅で優しい響きが魅力です。


フランス生まれのラモーのクラブサン曲を集めた、この「ジャン=フィリップ・ラモーの肖像」は、パリの古楽コンセルヴァトワールで学んだチェンバリスト、崎川明子さんによる演奏です。録音に使用された楽器は、18世紀のチェンバロ製作家、名匠クリスティアン・ケロルが1776年に作り、2008年からシャルトル博物館に所蔵されている名器。歴史的な音色に生命が吹き込まれた名演に癒されて、秋の美しさを満喫してください。
(稲木紫織)

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