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ママだからわがままに、トライ&エラーで勝ち取った理想の転職【ママが転職するとき。 第3回】

Woman.excite / 2017年9月13日 21時0分

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仕事をするも辞めるも、今までは自分の思いひとつで自由に選択できていたはず。けれど、子どもを持つと環境を替えたいと感じていても、いろいろな絡み合う事情により、一歩を踏み出せる人は多くはないようです。

今、ママにとって大きなハードルとなっている「転職」。さまざまなケースのママたちの転職ストーリーを連載で紹介していきます。



■熊谷花名さんの「転職するとき」
熊谷花名さん プロフィール
不動産投資業、広告代理店、ITベンチャーを経て2017年1月株式会社スタディストに入社する。ママでの転職は2回目で、10月に4歳になる女の子のママ。
http://studist.jp/

【熊谷花名さんの出産後の転職歴】

▼1社目広告代理店 正社員
2013年10月第1子出産 → 
2015年4月仕事復帰 → 2015年12月に退職

▼2社目 外資系ITベンチャー企業 正社員
2016年1月転職
 → 2016年12月退職

▼3社目 現在
2017年1月 株式会社スタディストに正社員として転職

■広告代理店でママ1号に! でも…
2013年に結婚後、子どもを授かり、産休・育休をとったのは広告代理店にいたときでした。社員の多くが外国人やクリエイターという小さいながらもとてもグローバルで勢いのある会社。私はそこでアカウントマネージャー(法人営業)をしていました。

産休・育休の制度こそあるものの、利用したのは私が初めて。そういった会社の中でママ1号となるため、休みに入るまではお腹が大きくなってもハードに働いていました。そのためか切迫早産になりかけてしまったんです。それで半ばドクターストップのような形で産休に入りました。

子どもを無事に出産し、その後は育休をとって、子どもが1歳半になった4月に復帰しました。

復帰後の仕事は時短で再開できましたが、広告代理店という仕事柄、なかなか早く帰ることもできず、忙しい毎日を送っていました。さらに案件によっては休日のイベント対応や、深夜のサイト公開などに立ち会いが求められることも。その対応をしてしまうとどんどん家庭に影響が出るため、手がけてきた案件の最後の瞬間である成果物を見られないジレンマが大きくなっていきました。

家庭も仕事もどちらに対しても中途半端なスタンスでいるような感覚になり、こんな気持ちで続けていても、もう会社に貢献できることがないかもしれないと思い始めるようになりました。「今ここを動かない理由もないし、進まない理由もないよね!」と強く感じ、復帰後半年で退職する決断をしました。
 
 

■ママとして初の転職、いきなり2週間の海外出張!?
転職するため大手の就職サイトに登録。いくつか良さそうなところを紹介していただきましたが、今度はちゃんと家庭を優先できる仕事に就きたかったので、「社員で、時短で」と条件を出すとなかなかやりたい仕事、入りたい会社までたどり着くことはできませんでした。

そんなとき、知り合いから「外資系のITベンチャー企業で、英語のできる人を探しているけど話を聞いてみない?」と声をかけてもらったんです。事務系の仕事と聞いていたのですが、面談で経歴やその他いろいろと話し込んでいくうちに、その後上司となる人から「熊谷さんはこういうアシスタント業務じゃ満足しないよね?」と言われたんです。そんなことはなかったのですが(笑)、ITに関してまったく知識も経験もない私の“これまで”をすごく買ってくれ、話を進めていくうちに法人営業をすることになりました。

入社してまもなく、日本支社長からアメリカの本社に2週間行ってほしいと出張命令が。2歳の子どもを置いて2週間…とても悩みましたが、断れるような状況ではなく、夫もサポートしてくれるとのことだったので思い切って行ってきました。


しかし、帰国後家に戻ったときのすさんだ部屋を見たとき、「やっぱりこれはちょっと違う」と思いました。時短勤務だったはずが、実際は常に仕事に追われる生活になってしまっこともあり、入社後1年で退職を決めました。けれど、この会社を経験したおかげで、IT知識ゼロだった私がその後もIT業界に身を置くきっかけになりました。それがあったから今の会社にもつながったと考えると、どの経験も自分にとっては必要だったと思っています。
 
 

■ママとして働く罪悪感に疲れ、次の転職へ
これまでの経歴をお話しすると、高校卒業後は、アメリカの大学に進学。卒業後、現地のホテルで働き、1年後にビザが切れて日本に帰ることになりました。タイミング的に日本の新卒採用時期を逃していたので、中途採用のような形で外資系の不動産投資会社へ入社することになりました。

そこは金融業だったので、当時、男性は夜中まで働き、女性もキャリア志向の方が多かったです。そこで、いわゆる「社会人たるもの」、「大人としての社会の歩き方」のようなことを教えてもらいました。仕事は4年目まで続けていましたが、アメリカでも学んだホスピタリティマネジメントというか、人を楽しませるという、もともと自分が好きだった仕事に就きたいという思いが芽生えて退職しました。

その後、しばらくは旅をしたり、展示会やTV取材などの通訳や英会話講師などフリーランスのような生活をして、わりとのんびり「自分探し」をしていましたね(笑)。その中で、展示会の通訳で知り合った方の経営する会社に誘われて社員となったのが、最初にお話しした広告代理店だったんです。

次の外資系ITベンチャー企業への転職も知り合いからの誘いでした。どれも来てほしいと言っていただき、思った以上の待遇で迎え入れてもらえたので、とてもありがたい話ではあったけれど、自分で懸命に転職活動をしてつかみ取った仕事ではありませんでした。それが原因なのか、また転職を考えることに…。自分のやってきたことを否定するつもりはないけれど、子どもに対しては時間をかけてのんびり育ててあげられないこと、会社に対しては「時短で“働かせてもらう”」という引け目を感じ、次第にいろいろなことに罪悪感を抱くようになっていました。

そんな時、スマホで何かのニュースを読んでいたら、なんとなく目に留まったのが女性の転職支援を謳っているエスキャリアでした。登録をするとコンサルタントの方がメールをくれるのですが、「私も子どもがいるのでわかります!」なんて言ってくれて、それだけですごく親しみがわきました。

 
 

■「もっとわがままになっていいんですよ!」のひとことが救ってくれた
「紹介したい会社があります」とエスキャリアから連絡をいただいたのですが、いざ面談というときにタイミングが合わず、一度は断りました。それにもかかわらず、また連絡をくださったので会うことになりました。

エスキャリアとの面談では、自分のリクエストを聞いてもらえるのですが、最初は「時短であればどんなところでも」とか「やらせてもらえる仕事があれば」などと消極的なことを言ってしました。でも一つ一つ聞き取ってもらっていくうちに、「本当はもっとこうしたい」「本当はこういうことをやりたいと思っている」と、どんどん閉じ込めていた思いを話せるようになりました。するとコンサルタントの方が「もっとわがままになっていいんですよ!」と言ってくださったんです。それを聞いて、今までぎゅっと固くなっていたものが柔らかくほどけていくような感覚になっていきました。

そんな時に、紹介してもらった会社が、今働いているスタディストです。仕事の紹介を受けて、「自分のリクエストが叶っているここで働きたい!」という思いを持つようになりました。

でも、前職のようにあまり内容を知らずに入社することは、自分にとっても会社にとってもマイナスになるので、私と同じような時短勤務で働く人に会わせてもらい、仕事の内容をうかがったり、その方が担当しているセミナーにお邪魔してお仕事をのぞいたりと、本当に納得ができるところまで協力していただきました。そして知るほどに「ここでしか働きたくない!」と思うようになり、入社にいたったわけです。


現在の仕事は、マニュアル作成・共有プラットフォーム「Teachme Biz」という仕事の伝達、情報共有に必要なマニュアルが簡単に作成・共有でき、働き方の効率化を図るクラウドサービスの法人営業をしています。会社のミッションは「伝えることを、もっと簡単に」で、そこに私自身とても共感しています。

私も前回の転職では弱気になる自分もいましたし、それは働くママの陥りやすい悩みだと思うんです。でも、非効率ゆえに感じる必要のないネガティブな思いは、こういった当社のサービスのようなものでいくらでも軽減できると思っています。今は、会社のミッションが私個人のミッションでもあり、会社のやっていることと自分のやりたいことが繋がっている心地よさがあります。

私が効率よく働くことが自分の時間を作ることになり、家族の笑顔につながります。そしてそんな私の姿が、自社の製品の宣伝になり、娘が将来働く環境にも繋がっていると良いなと思っています。


<ママの転職 Q&A>

Q:転職をして家庭環境は変わりましたか?
A:時短やリモート勤務がOKで、職場自体も前のところより近くなりました。いろいろな希望が叶っている今の職場に変わり、時間にゆとりができましたね。今は保育園の送りは夫が、迎えは私がしています。夫婦の家事分担なんてものはあまりありませんが、4歳になる娘と夫婦で4年かけて作り上げた生活は、「お互いできることをやる」という“ゆとり”ルールででうまく回っています。

Q:転職をする際に大切だと思うことは何ですか?
A:リクエストは、きちんとあらかじめ伝えることですね。「これを言ったら断られるかも…」と思って言いたいことを言わないまま入社してしまうと、結果それが原因で長く続けられなくなってしまうと思います。周りに迷惑をかけていいというのではなく、子どもがいても欲しいものは手に入れていいという意味で、自分のやりたいことに対しては「わがままになっていいんですよ!」ですね(笑)。

Q:仕事をするうえで大切にしていることは何ですか?
A:今は時短ですが、仕事の量が少ないわけではありません。だから仕事が終わらないときは時短で帰ったとしても、リモートできっちり仕事は終わらせています。家庭があるので夜中のチャットには参加できないけど、業務時間内にきっちりコミットする「私」、というブランディングをするようにしています。

Q:これから転職をしようとする人へ、アドバイスをお願いします!
A:転職する理由がないなら、する必要はないと思います。でも、もし今がしんどいなら転職は早めがいいのでは。今が転職のタイミングじゃないとしても、アンテナを張って情報収集したり、転職サイトをのぞいたりといった活動は継続していて損はないと思います。



自身の経験からたくさんの思いを語ってくれた熊谷さん。とてもハキハキ、サバサバとしていて、自分のできること、進むべき方向はもうすでにわかってると言い切るような潔さとまっすぐな心意気を随所に感じます。でもその一方で、「仕事を通して以前の私のような働き方をしているママたちを少しでも助けられたら……というのが裏ミッションなんです」という弱い立場を知るからこそ出るそういった言葉が、どんな立場の人も自然に許容している熊谷さんのボーダーレスな人柄そのもので、いままでの多くの引き抜きや採用に繋がっていたのだろうと思わされました。
 
 
 
(赤荻瑞穂)

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