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「どうして?」完璧な妻をがんばるほど、夫の気持ちが離れる理由:柚那の場合【リアル・モンスターワイフ、再び 第3回】

Woman.excite / 2018年2月24日 21時0分

写真


ⓒoka-stock.adobe.com


夫の愛が冷めてゆく…それは、妻にモンスターワイフの影が見えるから。ということで、モンスターワイフにはさまざまな種類があります。

前回は、「ビジュアル系モンスター 産後ボーボー」というモンスターワイフを紹介しました。今回は、一見なんでもやってくれる妻だけど、どんどん夫は疲弊してしまうというメンタル系モンスターをご紹介します。

■誰が見ても完璧な妻、しかし夫にとっては…

「メンタル系モンスター 仕切り鬼」代表:柚那(仮名)37歳の場合

駅前にあるドラッグストアでパートの仕事を終え、急いで体育館に向かう。柚那はPTA仲間で結成したママさんバレー部の副主将だ。火曜の夜と土曜の午後は汗が床にしたたるほど猛練習をしている。

バレーの練習がある日の夕食は早起きして作り、夫の和樹と息子の壮馬がレンジでチンするだけで食べることができるようしてある。

火曜の夜のことだった。バレーの練習を終えて帰宅すると、和樹が夕食で使った食器をシンクに置いたままスポーツニュースを見ていた。

「ちょっと。カズ、何これ? 火曜と土曜の夜の食器洗いはカズと壮馬って決めてるよね。壮馬はもう寝てるの?」
「…ああ。今日、壮馬は体育で水泳だったから眠いって言うし、俺も野球の結果が気になったからつい…」

柚那は首にかけていたタオルをはずしながら目を吊り上げて言った。

家族で決めたことは守る約束だよね。カズがそんなんじゃ、壮馬にサボりぐせがつくじゃない。やると決めたらやり通してよ」
「…う、うん。悪かったよ」
「今から洗って。洗ったら水気を切ってから拭いてね」
「今からか? 明日の朝やるよ」

柚那は低い声になる。

「壮馬に『決まりは守らなくちゃダメ』ってことを教えたいの。私も仕事始める時『家事はおろそかにしない、両立する』って約束したからがんばってるんだよ。お弁当だって、毎日5時起きして作ってる。ママさんバレーの日も夕食は作ってから行ってる。後片付けくらい…」

和樹は、柚那の言葉をさえぎるように立ち上がってシンクに向かう。背をかがめ、面倒くさそうに食器を洗い始める。背中越しに柚那がボソっと言う。

「油汚れは、ここにあるボロ布で拭き取ってから洗って。洗剤もったいないし

和樹はチっと舌を鳴らした。



■「私がルール!」家族のすべてを仕切るモンスターに変身


ⓒpolkadot-stock.adobe.com


家族3人、リビングでくつろいでいた時のことだ。柚那がうれしそうにアニメ映画のチケットを取り出し、ヒラヒラさせながら言う。

「ネットショッピングでポイントたまったから映画チケットに替えてもらったの! 壮馬、観たいって言ってたでしょ。今度の日曜は映画に行くのよ」

壮馬がうれしそうな困ったような顔をする。

「母さん、日曜はケンちゃんちで小川っちと3人でゲームするんだ」

和樹も言葉をかぶせる。

「俺も、日曜は職場の先輩に釣り具を見せてもらいに行く約束したんだ。釣り、始めたいと思っててさ」

柚那はキッと口を結んで数秒黙った。そして目をギョロリと見開いて一言。

「聞いてない」

和樹と壮馬は背筋を伸ばし、太ももの上で手を固くにぎった。

「うちら家族でしょ。買い物のこととか、趣味のこと、話し合ってみんなで納得してから決めなくちゃダメでしょう。私だってドラッグストアで働く時もママさんバレー始める時も、2人にちゃんと相談してから始めたよね。家にいなくても、食事や掃除は手抜きしない約束で。守ってるでしょ。全部完璧でしょ!!

2人は言葉を返せない。テレビの音がむなしく流れる。柚那がテレビを消して和樹をにらむ。

「カズ、家族を一番大事にするって言ったよ。いろんなこと、家族で話し合って決めようって」
「ああ、言ったけど、ちょっと違ってきてないか。柚那が全部決めて、俺らがその通りにしてるような気がしてるんだけど」

柚那はとうとうと家族論を述べ始める。家族は決まりをつくってそれを守らなければ子どもがだらしなくなる、秘密はあってはならない、各々の行動を全員が把握しておくべき、規律正しい生活が良い子を育てる…。

日曜日、結局3人で映画に行った。帰り道、和樹が「たまには外でメシ食おう。一杯飲みたいなあ」と言うと柚那は笑いながら答えた。

「外食を1回がまんして、その分、食べたつもり貯金するって決まりだよ。そしたら念願のマイホーム購入が早くなる。今日は朝のうちにクリームシチューを作ってきたから大丈夫。あっためて食べよう」

和樹は、胸の中でため息をついた。決して柚那に聞こえぬように。柚那ががんばっていることはわかっている。責めることはできない。だが、だが…。長いため息をつかずにいられない。

「悪い、俺、行くとこあるから2人で先に帰って。壮馬、帰ったら一緒にゲームしような」

和樹は人混みの歩道に消えていった。柚那は呆然として立ちすくむ。

「なによ、あの態度。ケンカ売ってんの? 帰ったら話し合いしなくちゃ。家族の平和のために」



「メンタル系モンスター 仕切り鬼」のモンスターワイフとなった柚那。和樹の不満に気づかない彼女の過ち、間違いはどこだったのでしょうか?

「リアル・モンスターワイフ、再び」第4回では、あなたの「メンタル系モンスター 仕切り鬼」度をチェック、判定! 「第二の柚那」とならないためのアドバイスをご紹介します。
 
 
(三松真由美)

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