「人との距離感がわからない…」○○を変えるだけで人間関係も変化【人間関係に悩まない“うまい呼び方” 第1回】
Woman.excite / 2018年5月29日 20時0分
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あなたは周りの人からどんなふうに呼ばれていますか? 「○○ちゃんママ」と呼ばれる度に、「この人たち、私の名前を知っているんだろうか?」と不安になったり、夫に「ママ」と呼ばれる度に、違和感を感じたり…。そんなママも多いのでは?
また、逆にあなたは、周りの人をどう呼んでいますか? 同じように、ママ友を「〇〇ちゃんママ」、夫を「パパ」と呼んでいますか? それとも、下の名前やあだ名、名字にさん付けでしょうか?
呼び方によって相手との距離感を考えてみると、遠かったり近かったり。なんとなく呼び方と人間関係に密接な結びつきがあるのでは? と感じるでしょう。
「人の呼び方が、人間関係においてとても重要ではないか?」、つまり「呼び方によって、相手との関係が決まるのでは?」ということを分析したのが、作家・心理カウンセラーの五百田達成さん。呼び方と人間関係についてお話をうかがいました。
・「子どもの名前、どう呼んでる?」親の呼び方が“子どもの心”を育てる【人間関係に悩まない“うまい呼び方” 第2回】
・夫婦の満足度が急降下「夫をどう呼んでいますか?」【人間関係に悩まない“うまい呼び方” 第3回】
・ママ友つき合い「トラブルに発展しない」上手な呼び方【人間関係に悩まない“うまい呼び方” 第4回】
五百田達成さん プロフィール
作家・心理カウンセラー。東京大学教養学部卒業後、角川書店→博報堂を経て独立。鋭い視点から「コミュニケーション」「人間関係」を分析し、そこから導き出す実践的なアドバイスは高い評価を受けている。「コミュニケーションのプロ」としてメディア出演多数。著書にベストセラーとなった『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』(新潮文庫)など。米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。
著書:『あの人との距離が意外と縮まる うまい呼び方』
HP:五百田達成オフィシャルサイト
■「名前をちゃんと呼んでもらえない…」フラストレーションがきっかけ
――そもそも、なぜ「呼び方=人間関係」に着目したのでしょうか?
五百田達成さん(以下、五百田さん):私の名前は、「五百田達成」と書いて、「いおた たつなり」と読みます。「五百田」という文字は覚えられても、読み方を正しく覚えてもらったことがほとんどなく。下の名前も同様に、「たつのり」「たつや」と呼ばれることもしばしば。自分の名前を正しく呼んでもらうために、あらゆる説明方法を試してきましたが、うまくいったことがありません(苦笑)。
また、何より切ないのが、自分で自分の名前を気に入っている、ということなんです。なのに、きちんと呼んでもらえないというフラストレーションが小さな頃からありました。逆に、きちんと呼んでもらえると、とてもうれしい! という気持ちも味わい続けてきました。自分の名前を通して、昔から「呼び方=人間関係」は気になっていたんでしょうね。
もちろん、心理カウンセラーという立場からも、気になっていたテーマです。なぜ、夫婦は子どもがいない場所でもママ・パパと呼び合うのか? なぜ女性は下の名前で呼ばれるとうれしいのか? これは、女性ホルモンが活発化するという研究結果もあります。呼び方により、人の心はどうして動かされるのか? 常々気になっていました。
そこへタイミングよく、「呼び方に着目した本を書いてみませんか?」というご提案をいただき、書籍『うまい呼び方』(サンマーク出版)を書くことになったんです。呼び方に焦点をあてた本は過去にもないようで、“日本初の呼び方研究家”を名乗る思いで分析&メソッドをまとめてみました。
■「どう呼ぶか?」に表れる距離感と人間関係
――どうして呼び方で人間関係は変わるのでしょうか?
五百田さん:「名は体を表わす」ということわざがありますよね? まさにその通り! と多くの人が実感していることと思います。ということは、そのことわざを発展させると「呼び方は人間関係を表わす」とも言えるのでは? と思ったんです。
仲が良いふたりは、あだ名や呼び捨てなどの呼び方をします。これは裏返せば、「呼び方を変えれば、仲良くなれる」ともいえるのではないかと。逆に、距離を置きたい人には、あえてよそよそしい呼び方をしてみたらどうかと考えたんです。
例えば、初対面の男性から「〇〇ちゃんさぁ〜」などと下の名前で気安く呼ばれると、一歩二歩うしろに下がりたい気持ちになりませんか? そんな時、たいていの人は「〇〇さん、なんでしょうか?」と、名字にさん付け+敬語で相手から心理的に離れることを無意識に行っているはずです。
このように、近づきたい人には距離を近づける呼び方を、離れたい人には距離を離す呼び方をすることで、お互いの距離(=人間関係)を呼び方ひとつでコントロールできるのです。
■こんな経験ありませんか? 「呼び方で関係が変わった!」
――呼び方で人間関係が好転した事例を教えていただけますか。
五百田さん:では、心理カウンセラーとして、よく聞くお話を例に挙げてみましょう。
ママ友は、子どもをありきとした関係ですよね。多くの人が「〇〇くんママ」「〇〇ちゃんママ」と呼び合うはずです。でも、LINEやメールのやりとりにいちいち「〇〇くんママ、近々お茶しませんか?」「〇〇ちゃんママ、あさってなら都合いいですよ!」なんて書き続けるのは正直、面倒…。
そこで、いつの日からか「ミカちゃん、明日お茶どう?」「アヤちゃん、OK!」と下の名前で呼び合うようになって距離がぐっと近づき、旦那の浮気話までできるほどの仲、つまりママ友ではなくふつうの「友だち」の関係に発展したと聞きました。
――夫婦間ではいかがでしょう?
五百田さん:心理学の世界では、「ママ・パパと呼び合う夫婦は満足度が低い」という調査結果があります。これは役割呼びをされると、個人として認められていない気持ちになるから。
ママをねぎらいたい場面にこそ「〇〇、いつもありがとう」と名前で呼びかけ、グンと株を上げるパパたちがいます。結婚記念日やパパの誕生日には、ぜひ、子どもが生まれる前の呼び方で夫を呼んでみましょう。お互い忙殺される日々で離れがちな心も、一気に近づくはずです。
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また、義父母の呼び方でも夫婦関係を好転させるケースがあります。例えば、夫の実家に帰省し戻ってきたあなた。同じ内容でも、夫から次の2つのパターンで言われたら、それぞれどう感じますか?
B:「〇〇(義母の名前)ってさぁ、いつも細かいこと言うんだよなぁ」
五百田さん:謝罪の言葉が入っているAより、義母の名前を呼び捨てにするBのほうが、素直に受け止めることができるのでは?
これは旦那さんがお母さんと距離をとる呼び方をすることで、夫婦が共犯関係になる心理が働くためです。義母のいない場面では下の名前で呼び捨てにし、義母を前にしたらきちんと「お母さん」と呼ぶ。呼び分けることで夫婦仲は良くなり、義母に対する奥さんのストレスが軽減するという事例もあります。
――本当に呼び方ひとつで人間関係やコミュニケーションって変わるんですね…。
五百田さん:私は、言葉の力を信じています。言えばわかると思っているので、メールも話も長いです(笑)。いわば、コミュニケーション信奉者。ネットやSNSの登場によりコミュニケーションが楽な時代になりましたが、だからこそコミュニケーションをさぼっちゃいけない! と思っています。そのとっかかりとして、「呼び方」はとても有効なツールであると思っています。
■子どもは見ている「ママの“うまい呼び方”」スキル
――人間関係に悩んでいるママたちも、呼び方で状況を好転できるでしょうか?
五百田さん:現代のママたちは、仕事に育児に家事に本当に忙しい日々を送っていると思います。コミュニケーションにまで気をつかっていられないという人も多いでしょう。
でも、だからこそ! 呼び方ひとつケアするだけでいいんです。子どもに当たってしまったり、ママ友にLINEを返せずにいる時は、下の名前で「○○ちゃん、ごめんね」と呼びかけるだけでも違います。
また、自分の子どもが、友だちからどう呼ばれているか? にも注目してみてください。あの子とだけあだ名で呼び合うから一番仲が良いのかな? という具合に、子どもを取りまく友人関係を推し量るバロメーターにもなります。
そして何より、子どもは親のコミュニケーション力を見ながら育ちます。ママが呼び方を上手に操り、パパやママ友、義父母たちとうまくコミュニケーションをとるところを子どもに見せるのは、教育上とても良いことだと思います。
“うまい呼び方”とは、正しい日本語の使い方やマナーの話ではありません。時には、日本語的に正しくないとしても、人間関係を円滑にするためにはこの呼び方を選択するほうが効果的! という話です。この連載を通して“うまい呼び方”をマスターし、忙しいママを取りまく人間関係がより良くなるお手伝いができればと思います。
五百田さんが提唱する“うまい呼び方”の基本の考えがわかったところで、次回から「子どもの呼び方」「夫の呼び方」「ママ友の呼び方」について、具体的なメソッドをご紹介していきましょう。
「あの人との距離が意外と縮まる うまい呼び方」(サンマーク出版)
「あの人のことをどう呼ぶかで、距離感は変わる」。コミュニケーション・人間心理の専門家として数々のメディアに出演し、ベストセラーをたくさん世に送り出す「対人関係のスペシャリスト」である著者が、コミュニケーションについてのさまざまな理論や方法論を分析した結果たどり着いたのが、「『話の内容』や『伝え方』以上に、『どう呼ばれるか』で人の心は決まる」という境地。巻頭にはスペシャル対談として、2016年に日本一を成し遂げた北海道日本ハムファイターズ・栗山英樹監督との「呼び方」対談を収録。
取材・文/山田裕子
(ライターチーム123)
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