子どもの予防接種「ワクチンの同時接種は赤ちゃんがかわいそう?」【知っておきたい予防接種! 最新ワクチン情報 第2回】
Woman.excite / 2018年6月28日 17時0分
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生後2カ月から始まる予防接種。小児科などでもらえるスケジュールを確認して、同時に接種しなければいけない予防接種の数に驚いたことはありませんか?
いざ、小児科に子どもを連れて行き、注射をされて大泣きする姿を見ると、「1本でもこんなに泣いているのに、2本も3本も同時に注射を打たないといけないなんて…」とわが子を気の毒に思ってしまうママもいるかもしれません。
同時接種は赤ちゃんがかわいそう? 安全面やメリットは?
日本小児科学会が発行する「知っておきたいわくちん情報」を参考にして、最新ワクチン情報をお届けします。
■同時接種って何? 赤ちゃんへの負担や安全性は大丈夫?
子どもが生まれてから「同時接種」という言葉を初めて聞いたママも多いでしょう。同時接種とは、同時に複数の異なるワクチンを接種すること。同時接種をする時は、左腕、右腕、左の太もも、右の太ももなど、それぞれからだの別の部位に接種をします。同じ腕や太ももに接種する時は、少なくとも2.5cm以上あけることになっています。
生後2カ月で4種類のワクチンの予防接種を同時に受ける場合を例にあげてみましょう。ロタウイルスワクチン(任意接種)を口から飲んで、ヒブワクチンを左腕に、肺炎球菌を右腕に、B型肝炎ワクチンを左太ももに同時に接種することがあります。
これだけを聞くと、「そんなにたくさんのワクチンを同時に受けて、赤ちゃんの体は大丈夫なの?」と思うかもしれません。日本で同時接種が必要になってきたのは、乳幼児が接種できるワクチンが増えてきた2008年以降、つまり歴史が浅いのです。
一方、海外ではもっと昔から同時接種を行っており、安全性が確認されています。また、子どもに接種できるワクチンをどのように組み合わせても安全だということが研究で明らかになっています。同時に何度も注射をされて泣く赤ちゃんを見ると心配になりますが、安全だとわかれば安心できますね。
■同時接種をすると副反応や効果が変わる?
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同時接種をすると、なんとなく副反応が増えるイメージを持つママもいるかもしれません。しかし、ワクチンを接種した後に起きる副反応の割合は一定であり、同時接種をしたからといって、その割合が増える訳ではないそう。
また、同時に複数のワクチンが体に入ると、それぞれの効果が落ちたり、逆に強くなったりするのでは? と気にするママもいるでしょう。ワクチンが体内に入った後にそれを処理するのが体の免疫ですが、一つのワクチンの接種に使われる免疫機能はごくわずかなのだとか。
例えるなら、「海の中に、塩を少し投げ入れるようなもの」。複数のワクチンが同時に入ってきても、効果が落ちたり、反対に強くなったりすることはないそうです。
■同時接種のメリットは大きく4つ
同時接種は安心安全なだけではなく、赤ちゃんやママ、さらには社会全体にとってもメリットがあります。
1.予防接種した日から免疫がつき始めるので、より多くの病気から早い時期に赤ちゃんを守ることができます。
2.医療機関に行く回数を減らせるので、ママやパパの時間的な負担が大幅にカットできます。
3.皆が予防接種に行く回数が減れば、医療関係者の時間的な負担が減らせる! 結果として、外来での待ち時間も減ります。
4.予防接種を終える時期が早まり、接種している人も増えるので、社会全体でその病気にかかる人を減らし、なくすことにつながります。
同時接種は見ていてかわいそうに思えるかもしれませんが、赤ちゃんをより多くの病気から早く守ってあげたいですね。
それでも、同時接種には抵抗があるというママは、予防接種を受ける医療機関に相談してみましょう。別日での接種を行っている医療機関もあります。ただし、接種スケジュールに遅れが出てしまい、赤ちゃんが病気にかかるリスクが上がってしまうことは事前に理解しておく必要があります。
■四種混合 症状と予防接種
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【どんな病気を予防できるの?】
ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオの4つの病気から守るワクチン。
ジフテリア…ジフテリア菌に感染し、のどの奥に厚い膜ができて呼吸がしにくくなります。死亡するケースも。
破傷風…破傷風菌が傷口から感染し、全身の筋肉がこわばって体全体が痛みます。あごが動かなったり、口を開けられなくなったりすることも。死亡する場合もあります。
百日咳…突然激しくせきこみ、ヒューと笛を吹くような音の咳が特徴。生後3カ月未満の赤ちゃんでは、息ができなくなり、ひどい場合は死亡することも。
ポリオ…ポリオウイルスに感染し、まれに手足を動かすことができない状態や呼吸がしにくい状態が起こり、一生障がいが残ることも。
【予防接種の時期や回数】
定期接種。計4回の接種があり、生後3カ月になったら早めに1回目を受けます。その後はそれぞれ3~8週間隔で2回目、3回目を接種します。3回目終了後、6カ月以上(標準的には12~18カ月)あけて4回目を接種します。途中で中止すると、発病する可能性があるので、必要な回数すべてをしっかり受けましょう。
■BCG 症状と予防接種
【どんな病気を予防できるの?】
肺結核…結核菌が肺で増えて炎症反応を引き起こします。初期症状はかぜと似ていますが、せきや痰、微熱などが長く続くことが特徴。体重減少や食欲不振などもあります。進行すると、呼吸困難などを引き起こし、死にいたるケースも。
全身感染症…肺以外の臓器に病気を引き起こす状態です。特に免疫機能が未発達な乳幼児は、全身に感染する粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)や結核性髄膜炎などを引き起こし、重症化する場合があります。
【予防接種の時期や回数】
スタンプ方式。定期接種。自治体によっては集団接種するところも。ワクチンの液を左腕に1滴たらし、はんこ型の注射を2回押して接種します。生後5カ月から8カ月未満が標準的な接種期間。1歳になるまでに1回接種します。
・日本小児科学会
・知っておきたいわくちん情報
(コバヤシカヨ)
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