寝ない子ども「どうして子どもは寝るのが下手?」眠りの環境3つの約束【ママがラクになる“赤ちゃんの寝かしつけ” 第2回】
Woman.excite / 2018年7月18日 21時0分
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育児をしていると、どんなにかわいいわが子でも、思うようにいかずイライラしてしまうことがたくさん! 人によって悩みのタネは違いますが、多くのママが口をそろえて訴えるのが、子どもの寝かしつけ。日中、たくさん遊んだからよく寝てくれると思いきや…深夜に何度も起きて泣きぐずったりと、大人では理解できない行動をとるのが子どもです。
どうして子どもはなかなか寝てくれないの? そのメカニズムと解決策を、子どもの睡眠コンサルタント・愛波文さんにうかがいました。
お話をうかがったのは…
愛波 文(あいば あや)さん
子どもの睡眠コンサルタント。APSCアジア/インド代表。IMPI日本代表。一般社団法人日本妊婦と乳幼児睡眠コンサルタント協会代表理事。慶應義塾大学卒業。2012年に長男出産。夜泣きや子育てに悩んだことから乳幼児の睡眠科学の勉強をはじめ、米国IMPI公認資格(国際認定資格)を日本人で初めて取得。2015年に次男を出産。現在、2人の男の子の子育てをしながら、子どもの睡眠に悩む保育者のコンサルティングや個別相談、日本人向けに子どもの睡眠教育プログラムを提供。IMPIと提携し、オンラインで妊婦と子どもの睡眠コンサルタント資格取得講座の講師も務めている。著書に『ママと赤ちゃんのぐっすり本 「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイド』(講談社)がある。
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■寝ぐずり、夜泣き…子どもはどうして寝るのが下手なの?
――寝つくまでに時間がかかったり、早朝起きてしまったり、子どもの睡眠トラブルが絶えません。そもそもどうして、子どもは上手く眠れないのでしょう?
愛波さん:大人は疲れたらその晩はぐっすり眠れますが、子どもはその逆で眠れなくなってしまうんです。というのも、疲れすぎると目覚めをうながすホルモン、コルチゾールが過剰に分泌されてしまうため、興奮してしまうんですね。こうなってしまうと大変で、なかなか寝つけなかったり、早朝起きしてしまうなどの結果を招くんです。
――ということは、疲れすぎないようにすればいいのでしょうか?
愛波さん:すこしニュアンスが違いますね。疲れすぎないようにするのではなく、疲れすぎる前に眠らせるのがコツです。ただ、小さなお子さんはまだ言葉がしゃべれませんので、疲れているかどうか判断するのは難しいですよね。そこで注意して見て欲しいのが、以下に挙げられる子どもの眠い時のしぐさです。
・目をこする
・目を大きく開ける
・おもちゃに興味を示さなくなる
・転ぶ
・ぐずる
・背中をそらせる
ほかにも、子どもによっていろいろなパターンがありますが、こんなしぐさをし出したら眠くなってきた証拠。理想としては、このようなしぐさをする前に寝かしつけることですが、そのサインを見逃さずに睡眠へ誘導できるといいでしょう。特に就寝前は興奮させすぎないでくださいね!
――なるほど。疲れすぎる前に寝かせる。まずはこのキーワードを頭に入れて寝かしつけをすれば、ある程度、睡眠トラブルは改善できそうですね。
愛波さん:ただ、寝ぐずりの原因はいろいろありますので、疲れすぎる前に寝かせれば大丈夫、とは言い切れません。これを踏まえたうえで、睡眠の質を上げる“睡眠の土台”を整える必要があります睡眠の土台には下記のとおり、3つの要素があります。
1) 寝室など睡眠にかかわる環境(睡眠環境)
2) 子どもとのコミュニケーションやママなど保育者の心の安定(幸福度)
3) 生活リズム(ねんねルーティン)
睡眠の土台について、一つずつ解説していきましょう。
■「子どもの眠り」土台つくり1:明るさ・温度・音楽
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愛波さん:まず、1)の「睡眠にかかわる環境」ですが、子どもが朝までぐっすり眠るためには、寝室の環境が重要になってきます。就寝時の照明はすべて消すのが基本。遮光カーテンをつけて、真っ暗な状態で朝まで眠らせるのが理想です。ただ、真っ暗だと夜中の授乳やおむつ替えが困難な場合は、足もとを照らすおやすみライトを利用してみましょう。
音に関しては、無音の方が睡眠には良さそうですが、なかには不安を感じる子もいます。特に月齢の低い赤ちゃんにその傾向が強く、そのような場合は、安心して眠れるぐっすりノイズを流すのがコツ。テレビやラジオの砂嵐の音や波の音などが該当するのですが、換気扇の音や専用のCDなどを代用するのも手。流す時は、寝かしつけから朝起きるまで流しっぱなしにすると、たとえ夜中に起きたとしても、子どもは安心してまた眠りにつく確率が上がります。
また、室温は一年を通して20〜22度を目安に、子どもの様子を見ながら適宜エアコンの温度を調節してください。私のところに相談に来られるママたちからも、「室温を下げて涼しくしたら夜泣きがなくなった」という報告をたくさんいただいています。
――少し寒いぐらいのほうが子どもにはちょうどいいとは意外です! これもすぐ実践できそうですね。
愛波さん:睡眠環境はほかにも整えるべきことはありますが、まずは身近な照明と音、室温の改善を実践してみるのがいいでしょう。
■「子どもの眠り」土台つくり2:ママの幸せ
愛波さん:続いて、2)の幸福度について話をすすめますね。幸福度とは、心がどれだけ満たされているか、その度合いのことです。前回の記事でも触れましたが、私自身、心が満たされていない時は育児に対しても消極的でした。それが寝かしつけの改善を機にハッピーになり、子どもにも優しく接することができるようになったのです。つまり、ママの心が満たされていれば子どもの心も安定して、結果として寝かしつけがスムーズになるというのは科学的にも証明されています。(参考文献: Wendy A. Hall, Melissa Moynihan, Radhika Bhagat and Joanne Wooldridge, Relationships between parental sleep quality, fatigue, cognitions about infant sleep, and parental depression pre and post-intervention for infant behavioral sleep problems,
BMC Pregnancy and ChildbirthBMC series – open, inclusive and trusted201717:104)
逆に、ママ自身が疲れていたり忙しすぎると心に余裕がなくなり、その気持ちが子どもにも伝わり、ぐずったり睡眠トラブルが起こりやすくなると言われています。そのため、睡眠不足になり、悪循環におちいることも…。親子にとってどちらが幸せなのか、言うまでもありませんね。
――では、ママの幸福度を上げるにはどうしたらいいでしょうか?
愛波さん:日頃、頑張りすぎているのですから、時には、ママや妻をお休みしてはいかがでしょうか。家事の手抜きをしたり、パパや公共のサービスに育児を助けてもらうなどして、ママ自身がリフレッシュする時間を設けてみましょう。ママがご機嫌なら、子どもも安心して眠れるのではないでしょうか。
■「子どもの眠り」土台つくり3:生活リズム
――仕事や育児に没頭しすぎると、いつの間にか心も体も疲弊してしまいますからね。もっと気楽に過ごすことも大切ですね。
愛波さん:土台1)、2)が理解できたら、最後は3)の生活リズムの見直しです。子どもは、次に何をするのかわかっていると安心しますし、体もその流れに慣れて、リズムができます。つまり、寝るまでの流れ(ルーティン)をつくっておくことが大事なのです。
例えば…
お風呂に入る→パジャマに着替える→絵本を2冊読む→ぐっすりノイズをつける→電気を消す
上記のような流れはいかがでしょうか? このルーティンは新生児からでも始められます。とにかく一貫性をもって毎日続けることで、いつのまにかママと子どもの寝る前の“儀式”になり、寝かしつけもスムーズになるでしょう。こちらもぜひ、毎晩意識してトライしてみてください!
睡眠には精神を活発にしたり落ち着かせる作用があるほか、疲労回復、記憶力アップ、ストレス解消、肥満を防ぐなど、さまざまなメリットがあるそうです。逆に睡眠不足は集中力の低下、イライラして短気になる、自主的に遊ぼう・学ぼうという能力の低下などを招くそうです。
大切なお子さんの将来のためにも、あらためて普段の睡眠を見直してみてはいかがでしょう。もしトラブルを抱えているようでしたら、まずは睡眠の土台づくりから試してみてもよさそうですね。
『ママと赤ちゃんのぐっすり本「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイド』(講談社)
愛波 文著/西野精治監修 1,200円(税別)
これまで経験値でしか語られてこなかった赤ちゃんの睡眠対策。日本人で初めて子どもの睡眠コンサルタント国際認定資格を取得した著者と睡眠研究のエキスパート西野精治先生が、科学的エビデンスに基づいて日本人の生活スタイルに合わせた解決方法を紹介。夜泣き、寝ぐずり、早朝起きなど、ママやパパを悩ませる赤ちゃんたちの睡眠トラブルを解決します。
取材・文/長谷部美佐
(ライターチーム123)
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