「いい加減にしなさい」に変わる言葉は? ネガティブ言葉の変換【ママのイライラ言葉変換辞典 第2回】
Woman.excite / 2018年10月18日 17時0分
ママのイライラ言葉変換辞典
「いい加減にしなさい!」「早くして!」。つい、使ってしまうイライラとした言葉。
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でも、「イライラ言葉では、子どもは『ママが怒っていること』はわかるものの、『ママが本当に伝えたいこと』は理解できない場合も多いんです」と言うのは、教育コーチングオフィスを主宰する江藤真規さん。江藤さんは、家庭で使う言葉について考え続けています。
江藤真規(えとう まき)さん
教育コーチングオフィス、サイタコーディネーション代表。マザーカレッジ主宰。自身の子育て経験を通じて、コミュニケーションの重要性を実感。東大大学院で研究を続けながら、保護者と教師が連携をとることの重要性を提言している。
・マザーのための知的な学び場:MOTHER COLLEGE(マザーカレッジ)
■「イライラ言葉」を言い換えるには
江藤さんは、「イライラ言葉をなくす」のではなく、「子どもに話しかける語彙を増やす」という発想で、家庭内の言葉を整えていったそう。
そこで必要なのが、今まで使っていたネガティブな口癖をポジティブな表現に置き換えた「新しい言葉」。この連載のなかでは、「イライラ言葉」に対して、「ポジティブ言葉」と呼びます。それでは、早速、教えていただきましょう!
▼言い換えファイル その1.「いい加減にしなさい」
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お部屋の片づけをしてほしいな
【ポジティブ語変換】
大人にとって簡単に理解できるニュアンスだからといって、子どもが理解できるとはかぎりません。
「いい加減」という言葉がまさにそれで、子どもは怒られていることはわかっても、具体的に何を求められているかまではわからないもの。
感情で話すのではなく、ママ自身「自分が何を怒っているのか?」を冷静になって整理をし、伝えることが大切です。
▼言い換えファイル その2.「早くしなさい!」
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時計の針が「6」になったら出かけるよ
【ポジティブ語変換】
「早くしなさい」と言われて、急げる子どもはまずいません。子どもは大人ほど時間感覚が育っていないので、親が教えてあげる必要があります。
「この先で、やるべきこと」を考えることができる大人に対し、子どもは「今」という世界に没頭して生きているからです。急がせるという発想ではなく、時間になったことを伝える気持ちで声をかけてみましょう。
▼言い換えファイル その3.「つべこべ言わない!」
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あなたはそう思うのね
【ポジティブ語変換】
ひとつ、提案です。ママに対してのヘリクツや、単なる言い訳に聞こえることも、ひと呼吸おいて、「子どもが自分の意見を伝えている」という視点を持ってみてはいかがでしょうか?
「あなたの意見はわかったわ。でもママはこう思う」と、子どもの意見をいったん認めつつ、自分の意見を伝えると、そこにディスカッションが生まれます。家庭内でディスカッションができるようになれば、子どもの考える力はグングン伸びますよ。
▼言い換えファイル その4.「信じられない!」
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びっくりしちゃった
【ポジティブ語変換】
子どもがとんでもない失敗をしたとき、このような言葉を使ってしまったことは、ありませんか? 日常の中でわりと使う言葉ではありますが、子どもにとっては、人格を否定されたと感じるくらいのインパクトのある言葉で寂しさを感じてしまうかも。
ママの怒りやショックは理解できますが、それは自分の気持ちのなかで受け止めるに留め、驚いたことのみ伝えます。見放すようなニュアンスは、できるだけ避けられると良いですね!
▼言い換えファイル その5.「あなたにはムリ!」
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まず○○からやってみようね
【ポジティブ語変換】
たとえば、お手伝い。子どもが「包丁を使いたい!」と言ってきても、「まだ、危ない」と感じることはあるでしょう。そんなときは、親がムリと決めてしまわず、小さな目標に分解し実現できそうなことから提案してあげましょう。
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「じゃあ、今日は、猫さんの手で3回だけ、トントンしてみようか?」。こんなふうに少しずつ包丁に慣れていくことで、いつか上手に包丁が使えるようになります。小さな積み重ねが大きな成果に繋がるのです。
▼言い換えファイル その6.「小さい頃からずっとそうだよね」
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それ、あなたの個性だよね
【ポジティブ語変換】
良いことを指して言うなら、もちろん問題ありません。けれども、悪い意味で使っているのであれば、子どもの性格を否定するNG言葉に。
もしお母さんにとってはなじめない性格でも、「持って生まれたものだから変えられない」と割り切り、「宝物の個性」と思える言葉でとらえ方を変換させましょう。具体的な性格のとらえ方の変換は次を参考にしてみてください。
▼言い換えファイル その7.「どうして先にやっておかなかったの!?」
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次はどこに気をつけていこうか
【ポジティブ語変換】
過去のことを否定的に質問しても、「だって…」という言い訳しか出てこないのは、大人でもそうですよね。
言い訳に使うエネルギーほどムダなものはありません。大事なのは子どもの意識を過去ではなく、未来に向けてあげること。次回からどう気をつけたらいいのかを考えさせ、少しずつでもステップアップできるようにしてあげましょう。
▼言い換えファイル その8.「バカじゃないの!」
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気持ち切りかえようか!
【ポジティブ語変換】
たとえば、テストで悪い点をとった時。子どもだって、もちろん落ち込んでいます。こんなときのママのイライラ言葉は、子どもの勉強嫌いや苦手意識を高めてしまうかもしれません。
できないことをできないまま終わらせるか、できないことができるようになるかは、親の言葉かけ次第。子どもが気持ちを切り替え、前向きになれるよう仕向けてあげて!
▼言い換えファイル その9.だからダメなのよ!
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忘れちゃったかな?
【ポジティブ語変換】
人間だから失敗したり、忘れたりすること、やってもできないこともあります。つねに完璧でいることなんてできませんよね?
できなかったことを取り上げて、こんな言葉で子どもの自己肯定感をペシャンコにしても、ママも子どもにもいいことはありません。まずは、困難に立ち向かっている子どもの気持ちに寄り添う言葉かけをしてみて。
▼言い換えファイル その10.「●●ちゃんは上手にできるのに!」
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こんなところが成長したよね
【ポジティブ語変換】
よく言われていることかもしれませんが、子どもと「ほかの子」の比較は、絶対にNGです。比べるなら、子ども自身の過去と現在。「どれだけ成長したか」を言ってあげることで、親に認められていると安心し、自己肯定感もアップします。
子育てでは、結果だけに目を向けるのではなく、それまでのがんばりや成長を思い出し、伝えてあげることが、とても大切です。
■ネガティブ → ボジティブ変換例
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ネガティブ → ポジティブ
●神経質 → 感性が豊か
●落ち着きがない → 活動的
●わがまま → 自分の意志をもっている
●引っ込み思案 → やさしい/人の気持ちがわかる
●集中力がない → 新しいことをやりたい
出典:『子どもに伝わる! 子どもが変わる! ママのイライラ言葉言い換え辞典』(江藤真規/扶桑社)
■ママが笑うだけでも意味がある!
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もっとパターンを知りたい方は、『ママのイライラ言葉言い換え辞典』にたくさんの事例が紹介されています。
筆者は原稿を執筆しながら、「なるほど、こんなふうに伝えれば良いのか!」と、前向きな気持ちになりました。イライラの下にある「本当に気持ち」をポジティブな言葉に変換できるようになれば、それはプラスのエネルギーとなる。イライラ言葉を使うより、親子関係(夫婦関係も?)は、もっとスムーズになるのではないでしょうか?
江藤さんご自身は、「ポジティブ言葉を本で見た娘から、『こんなことを言われたら、かえって気持ち悪い!』と笑われました」と、おっしゃっていました。
ポジティブ言葉が「どうにも気恥ずかしい!」と思う人は、「こんなこと、普通、言わないよね」と、クスっと笑うだけでも良いと思うのです。「新しい語彙」にママ自身が触れてみるだけでも、充分意味があると思いますよ!
次回は、イライラ言葉を使ってしまうママの心の内を、もう少し深く探ってみます。
(楢戸ひかる)
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