傷ついた一言「事を荒立てたくないけど…」4つの言い返しテクニック【イライラモヤモヤを持ち越さない「言い返す」技術 第1回】
Woman.excite / 2019年9月5日 21時0分
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「うるさい! 子どもを泣きやませろ」「ベビーカー、邪魔だな」といった通りすがりの人からの言葉や、「まだおむつなのね」「母乳じゃないの?」といった身近な人からの言葉など、ママの心にチクチク刺さる言葉は世の中にたくさんあふれています。
「言い返せないけど、モヤモヤウツウツする…」
そんなママたちの心を軽くしてくれる書籍『「言い返す」技術 ムカつく相手にスパッと言い返す』が発刊されました。著者は、作家でありカウンセラーの五百田達成さん。
ママはどうして言い返せないのか? もし言い返すとしたら、どんな言葉がいいのか? 五百田さんにお話をうかがいました。
五百田達成(いおた・たつなり)さん プロフィール
作家・カウンセラー。東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂を経て独立。鋭い視点から「コミュニケーション」「人間関係」を分析し、そこから導き出す実践的なアドバイスは高い評価を受けている。「コミュニケーションのプロ」としてメディア出演多数。著書にベストセラーとなった『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』『話し方で損する人 得する人』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)など。米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。
HP:五百田達成オフィシャルサイト
■「言い返す」技術は大切な人を守るママの強い味方
――五百田先生の新刊『「言い返す」技術 ムカつく相手にスパッと言い返す』は、タイトルから心惹かれました。
五百田達成さん(以下、五百田さん):編集者と最初に話していたのが、「最近みんな、イライラがたまっているよね」ということ。そこから企画が始まりました。相手をムカッとさせることを口にする人がいて、その言葉に傷ついてイライラして、まさに負の連鎖です。
僕の専門は、「どう言うか」によって人間関係を良くする、言葉を使って人間関係をまろやかにするコミュニケーションです。そこで、今のみんながイライラしている時代にフィットするような、むかつく相手を一発で黙らせる、スパッと「言い返す」技術を紹介する本を出したいと思ったわけです。
一部の女性からは、「私は言い返せません」という意見もいただいています。ズバッと言い返してことを荒立てたくない、しこりを残したくないと。かといって、黙って我慢しているだけでは、ウツウツとしたものがたまって、夫や子どもに「今、機嫌悪いの!」と当たってしまうかもしれません。
大切な人とのコミュニケーションは、大切にした方がいいと思うんですが、逆に、心ないことを言ってくる人とのコミュニケーションは、手を抜いてもいい。時にはバッサリ言い返してもいいんじゃないでしょうか。
どうでもいい相手には、いちいち胸を痛めないで、サクッとストレスなく言い返せるようになれたらいいですよね。書籍で紹介している中には、ママにとって現実的ではない言い回しもありますが、そこは「ふふふっ」と笑いながら読んでもらえれば。そうやって、うまくガス抜きをして昇華できるママの味方、お助けグッズになればいいなと思いますね 。
■女性でもできる「事を荒立てない」うまい言い返し方
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――女性は何か言われてムッとしたりイライラしても、事を荒立てたくないので言い返さない、言い返せない人が多いと思います。それは、女性特有のものでしょうか?
五百田さん:そうでしょうね。事を荒立てたくない、平和主義、それが第一という気持ちは、女性の方が男性より強いでしょう。それは裏を返すと、みんなに好かれたい、嫌われたくないという「全面外交」だと思うんです。
でも、それがストレスをためる原因になる場合もあるわけですよね。ママ友や夫、義両親、通りすがりの人にまでいい顔をして、ストレスがたまる。一方、男性はそこまで周囲に気をつかいません。
――そんな「事を荒立てたくない」女性特有の気持ちを踏まえて、うまい言い返し方はあるのでしょうか?
五百田さん:例えば、荷物を置いて席をとっていたのに、戻ってみたら知らない男性が席を横取りしていたとしましょう。
男性を直接注意したり、隣の人に「私、この席とっていましたよね?」と周りを巻き込んで、その男性と争って席から立ち退かせる方法もありますが、それは「言い返す」技術ではなくて「やり返す」技術。
おそらく女性の場合、そこまでして立ち退かせようとする人は少ないと思うんです。最終的にはゆずるんでしょうけど、なんだかモヤモヤするから、その気持ちはスッとしたいですよね。
でも、男性のように「チッ」て舌打ちするのはスマートではないので、「あー…、ちゃんと荷物を置いていたのに、見えなかったんですね」と言いながら席を移動するのはどうでしょうか。その一言で、少しでもイライラやモヤモヤをガス抜きできたらいいなと思うんですよ。
人に迷惑がかかることを女性は気にしますが、何もせずに「ちゃんと荷物を置いとかなかった自分が悪いんだ」と自分を責めたり、「ああいう時は強く出ないといけないなって思いました」と自己否定をブログに書き込んだりするのは、女性特有の悪い癖だと思います。
男性より女性の方がコミュニケーション力に長けているのですから、何か言葉を使って解決できたらいいですよね。「そうだ、こう言えば良いんだ」という言い返し方を知ってほしい。
■言い返す技術の向上は「反復練習、無感情、得意技」
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――私自身、出産後のほうが、人から言われたことにモヤモヤしたり過敏に反応したりすることが多くなったような気がします。それは、どうしてなのでしょう?
五百田さん:母になった瞬間、女性は守るべきものが増えるんです。子どもというのは、母にとって自分の手足、分身みたいなもので、攻撃から守るべきものが広がって増えるわけです。
さらに、防衛本能も強くなり、危険を感知するセンサーが研ぎ澄まされます。何か自分たちを阻害するものがないかといつもピリピリしてしまうわけですが、良く言えば感受性が豊かになる。望まないタイミングでつい泣いてしまったりしませんか? それは、モヤモヤがたまりやすくなっているからです。
一方、夫は、妻ほど子どもを自分の分身だとは思っていないでしょう。そのうえ、たまに事を荒立てることをしてしまう(笑)。例えて言うなら、我が国(ママと子ども)は平和主義で丸く収めようとしているのに、同盟国(パパ)が戦争を始めてしまうようなことです。
すると、防衛したかったママはさらにストレスがたまりますよね。平和主義のママという国と同盟を結んだ以上、パパは子どもがいない頃よりも慎重な外交をしなければいけません。そのために、男性は女性のような言語能力を身につけたほうがいいんです。
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――確かに、「どうして家庭の平和を壊すの?」と妻から言われる夫は少なくないようです(笑)。書籍の中で、試してみたい言い返し方がたくさん紹介されていますが、女性の中には言い返したことで自己嫌悪に陥るタイプもいます。
五百田さん:ここで紹介する「言い返す」というのはあくまで技術なので、繰り返すことでうまくなっていきます。言い返すこと自体、女性には現実的ではないかもしれませんが、できるところからやっていけば技術は磨かれていきます。
それに人間ですから、繰り返すことによって良い意味で麻痺します。例えば、思春期に初めて好きな人へ告白というのはとてもドキドキしたものですよね。でも5回、6回と繰り返すとドキドキは薄まってきます。
そして8回、9回となってくると上手になり、タイミングも見計らえるようになります。言い返すことも同じで、言葉によるコミュニケーションは技術なので、 理論と反復練習でうまくなるんです。
「コミュニケーションは真心」と思っている方も多いでしょうが、僕はそこまで感情や気持ちをこめる必要はないと考えています。そういった気持ちを言葉にのせて、渾身の力を込めて言い返すから、相手が反応したら「やりすぎたかな…」と反省したり、効果がなかったら「ああ~、うまくいかなかった…」と落ち込むわけです。
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言い返して自己嫌悪になるっていうのは、そこに感情をのせているからなんですね。女性はもっとドライになってもいいと思うんです。そして、これならできるかな? ってところから始めてみて、100回すれば慣れますし技術も向上します。
それに、できないと思うことはやらなくていいと思います。サッカー経験のない人が突然、オーバーヘッドシュートができないのと同じで、コミュニケーションにもできる・できないがあるのは当然です、技術ですから。
そこで、自分ならできる言い返し、自分の得意技というのを持つといいかなと思います。書籍にはいろいろな言い返し方を相手別、シチュエーション別で紹介していますが、自分で「これならできるんじゃないかな」という得意技を見つけるといいかと思います。
■ママにおすすめ! うまい言い返し4つのテクニック
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――ママにおすすめの言い返し方には、どんなものがありますか?
五百田さん:鈍感な人を装う言い返し方というのがあって、「わからないですね」「どうでしょう…」を得意技にしている女性は強いですね。うちの妻はそういうのがうまい人で、僕が無理難題な相談をすると「どうだろうね~」って(笑)。
でも、そう言われると僕も気づくんです。「無理難題を言いすぎた」って。だから、「これとこれだったらどっちが良いと思う?」とか、逆に「アドバイスはいらないから聞くだけ聞いてほしい」という言い方をします。
この「どうだろうね〜」「あまりよくわからない」は、人の悪口や噂話をされた時にも有効です。僕もよく使いますね。
――それも言い返す技術ですね。
五百田さん:そう! これも言い返す技術なんですよ。「言い返す」というと、はねのけるような印象を受けるかもしれませんが、そらす、かわす、避ける、素通りするというのもある意味、言い返す技術だと思います。
カウンターパンチを相手に食らわす方法もありますけど、それは女性にとって現実的ではありませんよね。そうやって、スッスッとかわす。
そういう意味で、うちの妻は天才かも知れません。昔、僕が初めて念願の著作本を出した時、大学の友人がしれっと「俺も本、書こうかな〜」と言ったんです。そこで僕はちょっとモヤモヤしたんですよね。なんだか、自分が大切にしているものを軽んじられたような気がして。
それを妻に相談したら、「『じゃあ、書いたら?』ってそのまま言い返せば良かったのに」と言われたんです。あー、そうだなって! それも、事を荒立てない言い返す技術ですよね。だから、うちの妻は最高なんです(笑)。
子どもを持ったからこそ、事を荒立てず、平和に過ごしたい。心ない言葉にも言い返せず、モヤモヤ・ウツウツとしてしまうことも多いママ。
五百田さんの「言い返すのも、技術。繰り返すこと、必要以上に感情を込めないことがコツ」というアドバイスが胸にスッと響いたママも多いのではないでしょうか。
次回は、公共の場や乗り物で「うるさい、子どもを泣きやませろ!」とどなられたら? とっさの「言い返す」技術について、引き続き五百田さんにお話をうかがいます。
『「言い返す」技術 ムカつく相手にスパッと言い返す』(徳間書店)
突然キレてくる人。怖いパワハラ。気持ち悪いセクハラ。遠回しに悪口ばかり言ってくる人…。そんなムカつく相手にスパッと言い返す超簡単テクを大紹介! 事を荒立てたくはない。でも、言われっぱなしはイヤだ。あっちに「すみません」と反省させ、こっちもスカッと気持ちが晴れる。そんな魔法のような「言い返し方」を教えてくれる1冊。
(山本知美)
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