おばあちゃんって呼ばないで! 若くして祖母になった母の心の叫び(前編)【息子愛が止まらない!! 第24話】
Woman.excite / 2019年11月6日 16時0分
おばあちゃんって呼ばないで! 若くして祖母になった母の心の叫び【息子愛が止まらない!! 第24話】
こんにちは、ねここあんな。です。
今回は、3話連続でお伝えした『私と母の“友人のような親子関係”』の「番外編」というか…、私の母側の気持ちについて少し焦点を当ててお話ししたいと思います。
私と母の“友人のような関係”に、この夏トラブルが発生。実家の宿泊をめぐって私が母の地雷を踏んでしまったことで、親子喧嘩に。しかし、これがキッカケで長年母が抱えていたトラウマが明らかになり、お互い思うことを素直に伝えられたことで、仲直りすることができたのでした。
私と母の"友人のような関係"が起こしたトラブル(1)
私と母の"友人のような関係"が起こしたトラブル(2)
私と母の"友人のような関係"が起こしたトラブル(3)
というのも、なぜこんなにも母は「がんばってしまっていたのか」という点です。前回の記事では、母のトラウマが理由と書きましたが…
実は、もっと前から秘められた大きな理由があったというのです。
「自分じゃない誰かを作り出していた」そうで、「その誰か」になることで気づかないうちに、自分自身を苦しめていたかもしれないと母は話していました。
そしてそれは、ある日突然「ばあば」「おばあちゃん」という存在になったことが原因だったのです。
■“おばあちゃん”と呼ばれることで感じたプレッシャー
よく女性は子どもを産むと「○○ちゃんのママ」という名詞で呼ばれることがあります。
その呼び方に「私の名前はママじゃない!」などと違和感を覚える…といった記事はよく目にすることがありました。
母の場合、「おばあちゃん」という呼び名が、戸惑いを与えるものだったのです…
まずその呼び名は、母を「こうあるべき」と気負いさせてしまうのでした。
そんなあたたかい存在でいなくてはならない、そう自分で自分を追い込んでいったのでした。
周りからも「おばあちゃんなんだからこうあるべき」というプレッシャーがあり、母は気づけば「頑張らなきゃ」と必死になっていました。
今思うと、「自分さえ我慢すれば平和になると、自己犠牲に陶酔していただけ」と母は話していました。
たしかに以前の母なら、私に対して言いたいことがあればストレートに伝えてくれました。
私もその場で言いたいことを言う。だから仲良くやってこれたんだと思います。
その母が、私に子どもが生まれてからストレートにものを言わなくなりました。
すべてを許す。そんな「いつもの母じゃない」母になっていたことに、私も不思議に思うところがありました。
そう思うと今回のトラブルは、そんな母のたまりにたまった何かが、私たちの無神経な行動によって爆発したんだと思います。
母は「我慢し続けるのはいけなかった。衝突したけど、結果的に良かった」そんなふうに話していました。
■うれしいはずなのに心が痛む「おばあちゃん」という呼び名
さらに母は「ばあば」や「おばあちゃん」という呼び名そのものにも抵抗があったと言います。
特に母は若くして兄を、そして私を産み育ててきました。
しかも母はスタイルが良く、周りからも「お母さん若いね!」と幼少期の頃はよく言われていました。
そんな母は、私にとってもどこか自慢でした。
しかし、突然周りから「おばあちゃん」と呼ばれることで、母は「私はオバアサンになったんだな…」と、複雑な心境に。
もしかして心のどこかで傷ついていたのかもしれない、と言います。
かわいい孫の口から、私を認識して「ばあば」と呼ぶ声がする。
すごく愛しい。
うれしいはずなのに、なぜか心のどこかが痛む…。
しかし、母はこの年齢ならではの憂鬱を人に話せなかったと言います。
「いつまで若いと思っているんだ?」「あなたは孫もいて幸せなのに、そんな考え持つなんてひどい」
そんな声が聞こえてきそうで誰にも打ち明けられなかったのです。
複雑な思いの中、葛藤と闘いながらも「今」を受け入れていくうちに、自分じゃない「誰か」を作り出していたのでした。
母は長いこと、戸惑いを隠していたのでした。
体力や気力の衰えは自覚しているけれど、周りに悟られたくない。
そんな自分は、見栄を張っていたんだと母は話します。
だけど、もしかして女性ならわかることじゃないかな、と私は思いました。
「若い」と言われたら、やっぱりうれしいし、気持ちまで若返ると思うんです。
でも逆に周りから「おばあちゃん」扱いされたら?
やはり身も心も、なんだか老けていくような気がします。
そして今回の喧嘩をきっかけに、母の中にも心の変化がありました。
長くなってしまったので後編に続きます!
(ねここあんな。)
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