【医師監修】おりものの色が変! 注意が必要な色やにおいとは

Woman.excite / 2019年11月26日 22時0分

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あなたにとって、おりものはどんなものですか? 下着をぬらす不快な存在? それとも、においや色が気になる心配の種?

いずれにしても、おりものは女性にとってデリケートな問題です。体のためには必要で、つきあいの長いおりもの。快適に過ごせるよう、おりものの働きやもたらす影響について知りましょう。


【監修】
成城松村クリニック院長 松村圭子先生


婦人科専門医。1995年広島大学医学部卒業、同年広島大学付属病院産婦人科学教室入局。2010年、成城松村クリニックを開院。女性の「体の健康」「心の健康」のために、一般の婦人科診療だけではなく女性のあらゆる面をトータルにケア。講演、執筆、TV出演など幅広く活動。

著書に、『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)、『医者が教える女性のための最強の食事術』(青春出版社)など多数。



■そもそもおりものとは
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おりものの役割


おりものには腟(ちつ)をうるおして乾燥や汚れから守るという大切な働きがあります。おりものを漢字で書き表すと「下り物」。子宮や腟の雑菌や老廃物を排出するという働きを知ると、「下り物」という表記には大きくうなずけます。

おりものの役割は腟の自浄作用だけではありません。

セックスの際に分泌されるおりものは通常時よりも量が多くなります。これは、腟をうるおわせて摩擦から守るため。さらに、このときのおりものは粘度が低く、精子が子宮内に侵入するのを手助けする働きをするそう。

排出させたり、守ったり、手助けしたりと、おりものにはさまざまな働きがあるのですね。

月経周期や年齢によっても変わるおりもの


普通に生活していても、女性の体はめまぐるしく変化します。そんな変化がおりものにも影響を与えているのです。

ひとつめは、生理。月経の周期によっておりものは変わります。月経後2、3日の間はおりものの量が少なく、排卵期が近づくにつれておりものの量が増加。そして排卵後、またおりものの量が減り、月経直前にはふたたび量が増える…といった繰り返しをしています。

このように、月経周期によっておりものの量が変化するのです。量だけでなく、形状やにおいにも変化があり、排卵日直前には生卵の白身のようなおりものになり、月経前には少しにおいがきつくなることがあります。こうしたおりものの変化から、自分の体のサイクルを知ることができそうです。

妊娠すると、また違ったおりものの変化がみられます。妊娠中はホルモン環境が大きく変わるため、腟からの分泌物が増えておりものの量が増えます。こういった変化を迎えるのは、妊娠2カ月ごろと妊娠後期の妊婦さんに多いようです。

月経の周期がおりものの量に影響するのは、おりものとエストロゲンという女性ホルモンと密接な関わりがあるから。女性ホルモンの量は年齢によって変化することから、おりものの量も年を重ねるごとに変化します。健康な腟にはうるおいがありますが、年齢を重ねるごとに女性ホルモンが減り、うるおいが減少していくのです。

最初、初潮を迎えるころからおりものが分泌されるようになり、20、30代にピークを迎えたあとは女性ホルモンの減少とともにおりものの量も減り、閉経後はさらに少なくなります。

おりものの正常な量とは


おりものの量は人それぞれなので、量について正常か異常かを判断するのはむずかしいもの。人と比べて量が多い、少ないというよりも、自分の通常の状態を知っておくことが大切です。

先にご紹介したように、おりものの量が増えるのは、排卵期や生理前、そして妊娠中です。このほかに気をつけておきたいのが、睡眠不足や疲れがたまっているときにはおりものが増えることがあるということ。

また、毎日大量におりものが出る場合は、カンジダ腟炎やクラミジアなどの感染症にかかっている可能性もあります。

おりものは体のコンディションがよくないときに増える傾向がありそう。せっかくわかりやすいサインを出してくれているのですから、普段から自分のおりものについて少し気にかけておきたいところです。





■おりものは色で状態を見極めよう
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白~透明のおりもの


白やクリーム色、乳白色、水っぽい、透明といった色をした、すっぱいにおいのおりものは問題ありません。妊娠後期の妊婦さんなら、白くて水っぽいおりものはお産が近づいたしるし。赤ちゃんが産道を通りやすくするための準備です。

黄や緑のおりもの


黄色や黄緑色、緑色のおりものは、細菌などが繁殖している可能性があります。トリコモナス腟炎をはじめ、不妊症の原因になることがあるクラミジア感染症、淋菌感染症などの疑いがあります。

おりものの量が増えたり、性器のかゆみや排尿時の痛み、下腹部痛といっしょにあらわれることも。灰白色のおりものが出ているときも同様に注意が必要です。すぐに医師に相談しましょう。

茶色のおりもの


妊娠中によく見られる茶色のおりものは、着床出血をはじめとした血が混ざってできたものです。妊娠中の子宮は血液量が多いため、少しの刺激でも出血することが。茶色のおりものが続くようであれば病院を受診しましょう。茶色のおりものはいつもよりにおいが強いことが多いです。

ピンクのおりもの


ピンクや赤色のおりものが出るときは、子宮から出血しているため、病気のおそれがあります。子宮頸管ポリープや子宮腟部びらん、子宮がんなどのように治療が必要なものも。早めに婦人科を受診しましょう。

色がいつもより濃い


白っぽいおりものでも、いつもより色が濃いものや濁っているのは要注意。同じ白でも、ポロポロとした状態だと、カンジダ腟炎の疑いがあります。この場合、強いかゆみも出るので判断しやすいでしょう。

■おりものはにおいも要注意
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正常な時


すっぱいにおいといえば何か問題でもありそうに感じますが、おりものにおいては正常である証。腟のなかに常在して乳酸を作り出している「デーテルライン桿菌(かんきん)」の働きによるものです。外からの細菌感染を防ぐために、腟内を酸性に保っています。

異常がある時


体の免疫が低下していると、デーデルライン桿菌(かんきん)の働きが弱くなり、腟内に細菌が繁殖してしまいます。そうすると、おりもののにおいにも変化が。魚が腐ったような生臭いものへと変わります。

■おりものは健康のバロメーター
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日常的にできるケア


ムレを防ぐためにも通気性のいい下着を身に着けましょう。薄い色の下着なら、おりものの色や量がよくわかり、自分の体の変化に気がつきやすくなるのでおすすめです。

しかし、おりものが多いときは下着を汚すだけでなく、ベタベタ…こういった不快な状態を避けるためには、手軽なおりものシートを使いましょう。ただし、決してつけっぱなしにはせず、こまめな交換が必要です。

生活の中で気をつけたいポイント


何かと不快なおりものですが、おりものが不足して腟が乾燥すると、細菌を排除する力が失われて炎症を起こしやすくなってしまいます。

まずは、腟まわりを清潔に保つことが大切です。排せつ物で汚れやすい部分なので、普通に洗っているだけではきれいにはなりません。刺激の少ない石けんでひだの間まで洗うのがポイントです。

しかし、強くこすったり腟の中まで洗うのは厳禁! 必要な常在菌まで流してしまい、炎症を引き起こすことも。洗うときは、前から後ろに向けて、手でやさしくていねいに洗いましょう。

■まとめ

おりものは体の健康のバロメーターといっても過言ではありません。おりものの働きや正常な状態を知ることは、自分の体の状態を知ることにつながります。個人差の大きいおりものですから、人と比べるよりもまずは自分の通常の状態を知ることが大切。上手につきあっていきたいものですね。

参考資料:
日本産科婦人科学会
国立がん研究センター がん情報サービス
日本産婦人科医会




(河野能子)

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