「性的同意って何?」「自分を大切にするには?」学校では教えてくれない性教育を学べるアニメ 『AMAZE』(アメイズ)って?
Woman.excite / 2020年6月30日 17時0分
(c)Rob Byron- stock.adobe.com
性犯罪やセクハラのニュースに「もし将来、わが子が巻き込まれたら?」「もし加害してしまったら?」と不安が浮かんだ経験はありませんか?
スマホやネットでの性情報が、子どもたちにどう受け取られていくのかも親として心配なところです。
そんな中、国際的にも幼い時期から年齢に応じた包括的性教育が、性行動を慎重化させ、性トラブルのリスクを減らすという認識が広がっています。
「性教育が大切」と思う一方で、自分自身もきちんと学んだ経験がなく、伝え方に自信がない、特に幼い子どもや思春期を迎えた子どもへ話しかけるきっかけやイメージがつかめず悩む人も多いと思いのではないでしょうか。
そんな人におすすめな、大人も子どももおうちで学べる性教育動画「AMAZE」(アメイズ)をご紹介します。
アメリカ発! 信頼できる性教育アニメ
AMAZEはアメリカの専門団体(Advocates for Youth、Answer、Youth Tech Health)が共同で製作する、インターネットで無料で閲覧できる性教育アニメ動画です。
思春期、多様な性、性暴力、人間関係、性感染症、妊娠・避妊など、性に関わるテーマを年齢に応じて幅広く扱い、信頼できる情報とユーモアあふれるアニメが特色の動画教材です。
AMAZEの動画は100本以上のラインナップがあり現在も更新中。10以上の言語に翻訳され世界中で活用されており、日本語版もおよそ40本が公開されています(2020年5月現在)。
性教育アニメAMAZEがおすすめの理由
▼話しづらさを感じるテーマもアニメ動画なら入りやすく分かりやすい
AMAZEの動画は、科学的に正確な情報に基づく一方で、ポップでわかりやすく、時にくすっと笑えるような表現のアニメ動画であること。月経や性器、やコンドーム等、普段は話しづらいと思う性に関するテーマも、3~5分ほどの短い動画でサクッと見て、大切なポイントを学ぶことが可能です。また、動画はYouTubeから閲覧できるので、気軽に何度でも見返すことができるのもおすすめです。
▼性や自分自身について、肯定的なメッセージで溢れる内容
幼い頃から性について、「興味を持ってはいけない」「話しちゃいけない」「恥ずかしいもの」など、ネガティブなイメージを刷り込まれてきた人も多いのではないでしょうか。それに対し、AMAZEの動画は、“何よりも自分と相手を大切にしよう”、“いつでもNOと言っていい”、“自由でありのままの自分でいることってすてきだよね”と、性についてだけでなく、人間関係について、楽しく、包括的に、分かりやすく伝えており、普段からの子どもの自己肯定感を高め、維持する声かけにも役立つフレーズが豊富に含まれています。
▼学校では学べない幅広い知識を扱っている
AMAZEは性や人間関係に関わるテーマを幅広く扱っています。どのテーマも勉強になりますが、現在の日本の学校教育の中では学ぶ機会が少ないことも学ぶことができます。例えば、「相手に確認する前に体を触っちゃだめ」「触られたいかを決めるのは自分だけ」など、「同意」とは何かを学ぶ動画があります。
また、「なぜ自分の見た目が気に入らないんだろう?」という動画では、思春期で多くの人が直面する自分のコンプレックスと向き合うヒントが説明されています。
その他にも「もしお断りされたらなら?」「インターネットの安全な使い方」など、10歳頃から見られるコミュニケーションや安全に関する内容や、思春期以降の子どもにむけた「コンドームの正しい使い方」「もし妊娠かもと思ったら?」「セクハラってなに?」など、信頼性の高い情報から学んでほしい内容も豊富に含まれます。
このような魅力的なAMAZEの動画ですが、以下のように活用してみてはいかがでしょうか。
親子で性について話すときのヒント
▼まずは保護者向けの動画シリーズを見る
AMAZEでは、保護者向けの動画シリーズも配信されており、まずはこちらから見ていただくのがおすすめです。幼い子どもに性についてどう伝えるべきか、イメージがわかない人にもぴったりな内容になっています。保護者向けでの動画では、性についてどう話せばいいのか、子どもから答えにくい質問をされたときにどう答えるべきか、など親子で性について話すときのヒントが語られています。保護者が直面する問題について、どう対処すればいいか事前に動画を見ることで不安を解消できるはずです。
▼親子で一緒に動画を見て話し合う
次に、子どもにAMAZEの動画を見せることもいいですが、親子で一緒に動画を見ることもおすすめです。なぜなら、保護者が子どもと思春期の体と心の変化や、性について会話をすることで、子どもたちは疑問を持ったときに、あなたに質問してもいいんだと思うようになるからです。子どもの理解度や反応を見ることも今後の性教育のヒントになるはずです。親子で安心して性について話せる土台を作ることで、子ども達は親や保護者に、性に関する質問やアドバイスなどを求めやすくなります。
例えば、生理についての動画を一緒にみた場合、「まだ生理が始まっていないことは知っているけど、もし必要になった時には生理用品を使えるんだよ」と一言伝えるだけでも、子どもには保護者が生理についていつでも話せる存在であるということが伝わります。
▼動画を見て学んだ内容やフレーズを活用して、子どもに話しかけてみる
保護者が動画を見て学んだ内容やフレーズを使って、普段の会話の中で、子どもに性や思春期、人間関係に関する話題提供を投げかけてみるのも一つの方法です。例えば、
「誰かを小突いたりブラを触ったり、ズボンを下ろすのは仲良くなるいい方法ではないし、いじめにつながるよ」
「セクハラはどんなときも被害者のせいじゃないよ」
「愛情表現は同意があれば素敵な経験になるはず」
「思春期に自分が誰を好きになったりドキドキするかで、自分の考えや気持ちに戸惑うこともあるよ。もやもやするかもしれないけど、それは自然なことだから心配しないで」
など、子どもにどう話しかけるか悩んだ時も、ぜひAMAZEの動画をヒントにしてみてください。
▼ピルコンのAMAZE活用ガイドを使う
AMAZEでは様々なテーマを扱っています。筆者が代表を務めるNPOピルコンでは、そんな様々なテーマをより理解し、子どもと話し合う際の活用ガイドを日本語に翻訳・作成しました。AMAZE活用ガイド詳細を見る >>
AMAZE活用ガイドでは、字幕を書き起こしているだけでなく、各テーマで会話の例を掲載しています。そのため、保護者がどう子どもと話したいいかわからないテーマでも活用ガイドを用いれば、子どもと話すきっかけを作りやすくなります。
また、動画ではカバーできなかった内容も「もっと知りたい方へ」というセクションで詳しく説明しているため、活用ガイドを読むことでさらに理解を深めることができると思います。
AMAZEの動画が性の学ぶヒントやきっかけとなり、子どもたちや皆さんの豊かな人間関係につながっていくことを祈っています。
(染矢明日香)
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