うなぎの旬は夏じゃなかった! 種別の特徴からおすすめの食べ方まで紹介

Woman.excite / 2020年7月20日 11時0分

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7月中旬ともなるとスーパーやデパートはもちろん、最近ではコンビニでも目にできる「うなぎ」。甘辛いタレがかかった蒲焼は見るからに食欲をそそり、思わず手に取ってしまいたくなる一品ですよね。しかし、そんなうなぎの旬が、実は夏ではないことをご存じですか? なぜうなぎの旬が夏だと思われているのか、さらに養殖モノと天然モノの違いからおいしい食べ方までまとめてご紹介!

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■うなぎの旬って本当はいつなの?
・うなぎが1番おいしいのは冬


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脂がのっておいしいうなぎの旬は実は晩秋から初冬にかけてにあたります。本来うなぎは冬眠する生き物なので、寒くなり水温が下がると冬眠に備えて体に栄養を蓄えるため、脂がのっておいしくなるのです。しかし、これは天然モノだけの話。

「土用の丑の日」や夏バテ防止などのイメージからうなぎの旬が夏だと思っている方も多かったのではないでしょうか。うなぎには天然モノと養殖モノがあり、現在市場に出回るほとんどが養殖モノです。


・土用の丑の日はマーケティング!?


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では、なぜわざわざ夏にうなぎを食べることが慣習となったのでしょうか。諸説ありますが、もっとも有名なのは江戸の学者・平賀源内の案。

江戸時代に濃口醤油が開発され、現在のようなタレで味をつけたうなぎが食べられるようになりました。しかし、冬眠あけのうなぎはうまみも少なく、また夏の暑いさなかではあまり売れなかったそう。そこで困ったうなぎ屋が知恵物である平賀源内に相談したところ、「土用丑の日、うなぎの日」の張り紙をするよう助言を受け、それが見事にヒットしたと言われています。今で言うキャッチコピーが当たったというわけですね。


・夏バテに効く栄養素がたっぷり


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実は「土用」とは夏だけではありません。立夏、立秋、立冬、立春の直前の約18日間をそう呼びます。つまり、土用とは季節の変わり目で、体調を崩しやすい時期にあたります。

特に、夏は暑さから夏バテになりやすいので、胃腸に良いものを食べることをよしとされ、むかしから“う”のつく食べ物を食べる習慣がありました。古くは奈良時代末期の万葉集にも夏痩せにはうなぎを食せと詠われていたのだとか。

うなぎの身は消化吸収によく、ビタミンA、ビタミンB1・B2、ビタミンD、ビタミンEなどのビタミン類を中心に、栄養を豊富に含んでいます。夏でも脂がのっていておいしい! という魚はあまり多くはありませんし、夏バテで弱った体に少しでも精がつくようにうなぎを食べることは、とても理にかなったことだったんですね。

他にも「土用」に食べたい“う”のつく食べ物は、牛、瓜、梅干し、うどんなどがあります。


■旬が違う【うなぎの特徴】
・7月が旬『養殖うなぎ』


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市場の大部分を占める養殖うなぎは、徹底した水温管理のもとで育てられているため、本来旬はありません。食べごろになる時期を調整しながら育てているので、いつでもおいしいうなぎが提供できるようになっています。漁獲量が多い県は鹿児島、愛知、静岡といったきれいな水が豊富で温暖な地域なのが特徴。

しかし、日本で一番うなぎが出回るのはやはり「土用の丑の日」なので、その時期に合わせて多くの養殖うなぎが育てられており、ある意味7月が旬であるともいえます。

うなぎの養殖が行われるようになったの明治時代。養殖方法はニホンウナギの稚魚であるシラスウナギを河口で捕獲して、それを育てるというやり方です。2010年には養殖うなぎから卵を得て、次の世代をつくる「完全養殖」にも成功しましたが、まだ大量生産する技術までは確立できていません。

養殖といえど稚魚であるシラスウナギは天然資源。しかも、その数は減少の一途をたどっており、国産は養殖でも価格は高騰しています。シラスウナギはその価値から「白いダイヤ」と呼ばれ、今では密漁も問題になっています。


・10~12月が旬『天然うなぎ』


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冒頭でも述べたとおり、天然うなぎは冬眠からあけて餌を食べ始めて肥えたころから、また冬眠に入るころまでと比較的長い期間楽しめます。その期間の中でももっとも脂がのっておいしい旬を迎えるのが、産卵するために川を下る時期に漁れる「下りうなぎ」です。

ニホンウナギは川や湖沼で育ったのち、日本から約2,000km以上離れたマリアナ諸島付近の海域まで南下して産卵し、そこでふ化した卵がシラスウナギになり黒潮に乗って再び日本やアジアの河口まで戻ってくる「降河回遊」という形態の魚類です。さまざまな環境変化の影響を受けやすく、現在ではなんと絶滅危惧種に指定されてしまっています。

味は養殖モノより脂がさっぱりしていて、川魚特有の爽やかな香りがあるとされていますが、天然なぶん個体差もあり、取れた場所や時期でだいぶ違うようです。


■家でも旬の味を満喫出来る! うなぎの食べ方
・温め方が重要『うな丼』


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うなぎといえば蒲焼! そしてうな丼ですね。お店で食べるのはなかなかハードルが高いけど、スーパーなどで蒲焼を買ってきて自分で温めなおせば、ほかほかふわふわのおいしいうな丼にも手が届きます。

肝心なのは温め方。せっかくのうなぎをパサパサにしてしまってはおいしくないので、お酒を振ってから、電子レンジやフライパン、グリルなどで温め直しましょう。ただし、どの温め方でも温めすぎには注意してください。焦げないように一度タレを水で洗い流し、しっかり拭いて、皮目を下にして温めます。

レンジの場合はふんわりとラップをして、約1〜2分。フライパンやグリルはアルミホイルに乗せて約3〜5分蒸し焼きにします。(アルミホイルは1度丸めてくしゃっとさせてから使うと、うなぎがくっつきにくくなりますよ!)

ここでポイントなのが、ごはんにもタレをかけること。しっかりと味のしみたごはんはそれだけでもご馳走ですよね。タレのしっかりかかったごはんのうえに温めた蒲焼を乗せ、さらにタレをかければ完成です。

・いろんな風味が楽しめる『ひつまぶし』


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ひつまぶしとはうなぎの蒲焼をつかった名古屋名物で、食べながら自分でアレンジができるのが特徴です。お櫃に入った蒲焼をごはんごと4つに分けて、まずはそのまま、次にネギやわさびなどの薬味をのせて、さらに出汁をかけてお茶漬け風にして食べます。そして、最後はお好みで楽しみます。



・本来のおいしさを感じる『白焼き』


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関東では蒲焼が主流ですが、関西では白焼きという食べ方もあります。蒲焼が身をよりトロッとふっくらにするため1度蒸すのに対して、こちらはそのまま素焼きすることで皮がよりパリッと香ばしく焼けて、タレに邪魔されずうなぎ本来の味を楽しめるということで人気になりました。塩はもちろんわさび醤油なんかも合う食べ方です。

ちなみに、開き方も関東と関西では違います。関東は武士の文化で栄えた土地なので、「背開き」。切腹を連想させる「腹開き」は敬遠されていました。逆に関西は商人の文化で栄えた土地なので、「腹開き」。こちらは「腹を割って話そう」という心意気を表現したものといわれています。


■世界からうなぎが消えるまえにぞんぶんに楽しもう!


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なかなか高級食材のうなぎですが、年に1度くらいは食べたいもの。きゅうりや錦糸卵などの他の食材を組み合わせて量を抑えたり、価格がもっとも上がる7月以外に食べるなど、少しの工夫でご家庭でも十分楽しめるのではないでしょうか。 

このままでいけば近い将来うなぎが食べられなくなるなんて可能性もあります。そうなるまえにたっぷり味わっておきましょう!


(AYA)

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