いろんなことがあった2020年。1人で過ごすお正月におすすめの映画4本

ウートピ / 2021年1月1日 15時1分

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大人数での忘年会や集まりはしない、帰省も控える人が多い、いつもとはちょっと違う年末年始になった人も多いのでは。そんなときだからこそ、換気が徹底された映画館やお部屋で1人映画に浸ってみてはいかがでしょう?

いろんなことがあった2020年だからこそ、「今年は、なりたい自分になろう」と思える作品4本をご紹介します。(映画ライター:新田理恵)

生き方を選べなかった女たちの人生が浮かび上がる『燃ゆる女の肖像』

舞台は18世紀のフランス・ブルターニュ地方の孤島。画家マリアンヌは、そこに暮らす貴婦人から娘エロイーズの見合い用の肖像画を描く仕事を依頼され、島にやってくる。結婚を望んでいないエロイーズに拒まれないよう、散歩相手として近づき、その姿を記憶にとどめてひそかに絵を描き上げようとするマリアンヌ。やがて2人は恋に落ちるが、自らの将来を選べないエロイーズとの関係に終わりが来ることは確実。限られた時間の中で燃え上がる愛と、当時の女性たちの置かれた状況を、ミニマルな設定と抑制のきいた演出で見せる。

マリアンヌとエロイーズ、屋敷で働く召使ソフィの3人が、ギリシャ神話に登場する詩人・音楽家オルフェウスについて語るくだりが秀逸。死んだ妻を冥府から連れ戻そうとするオルフェウスは、条件として課された「地上に戻るまで、振り返って妻を見てはならない」という約束を守れず、妻が再び地獄送りになるというエピソード。

妻を深く愛するがゆえ振り返ったと解釈するエロイーズに対し、芸術家としての関心がそうさせたと受け取るマリアンヌ。そんなさりげないやりとりから、家庭と仕事、別々の道を行く2人の人生が決して交わらないことを端的に感じさせて思わずうなる。

2019年・第72回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィアパルム賞を受賞し、日本では12月初めに封切られた作品だが、ミニシアター系作品好きの観客に支持され、まだまだ絶賛上映中。ストーリーは架空だが、マリー・アントワネットが生きていたこの時代、作品に名を記されることのなかった女性画家たちが実在した。マリアンヌを通して名もなき芸術家たちの人生が、エロイーズを通して自分で生き方を選べなかった無数の女性たちの人生が、鮮やかに浮かび上がる。こうしたあまたの女性たちの静かな戦いの続きに自分たちが生きていると考えると、後悔しない生き方をしたいと改めて胸に刻みたくなる。

『燃ゆる女の肖像』
公開中
監督・脚本:セリーヌ・シアマ
配給:ギャガ
(C) Lilies Films.

夢に向かって奮闘する2人にくぎ付け!『ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢』

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