愛は思い通りにいかないときこそ試される 『リオとタケル』著者が語る“深いパートナーシップ”

ウートピ / 2014年11月1日 12時0分

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ゲイカップルの深い愛から学ぶこと

>>【前編はこちら】“おネエ系タレント”だけがゲイじゃない! 『リオとタケル』著者に聞く、日米のLGBT理解の現状と同性婚議論

ゲイのカップルを取材したノンフィクション『リオとタケル』(集英社インターナショナル)。著者の中村安希さんへのインタビュー後編では、一組のカップルの「深いパートナーシップの物語」としての側面について話を伺いました。

世界で生きるには「違う考えがあって当然」と思うこと

――本書は、著者の価値観や結論を押し付けないし、あえて答えも出しませんね。「レズビアンは汚い」と発言をした女性を前にしても、中村さんはあからさまに批判せず、なぜその女性がそういう考えに至ったのかを真剣に考えたりする。なかなかこうはできないと思いました。

中村:私は多くの時間を海外で過ごしてきましたが、海外にいると常に自分はマイノリティーだし、自分が信じていた常識が覆されることばかり。断定なんかほとんどできません。特にアメリカのような多民族国家では、こういう考えもあるけれど、違う考えがあって当然というものの見方をしないと、「あなたは原理主義者なの?」と思われます。

そういう見方ができるようになったのも、リオの影響がすごく大きいと思います。彼のクラスには様々な人種や文化を持った人たちがいましたが、デリケートな議論をしていても、リオが中心にいると「とりあえず、みんなの話を聞いてみようよ」とケンカにならなかった。すると「自分はこの件で、こういう傷付き方をしているけれども、反対側には違う意見があるんだ」というものの見方が自然と身に付いていくんですよね。だから、差別的な発言をした女性を前にしたときも、ここにリオがいたらどういう言葉を返しただろうかと考えました。きっと反論せずに、妥協点を見つけ、素晴らしい言葉で彼女を自分の側に引き入れただろうと思います。

――また、本書には非常に美味しそうな料理の描写もよく出てきますね。

中村:彼らは料理上手で、よくキッチンやダイニングに仲良く一緒にいるんですよ。その姿が本当に微笑ましくて。そういう描写を通して、来てくれる人には美味しい料理を食べさせたいという彼らの人のよさも伝わるだろうとは思いました。

――セクシュアル・マイノリティーだって、四六時中、性の問題だけに囚われているわけではない。本書がゲイ問題だけにフォーカスしていないのは、そこを伝えるためだったのでしょうか?

中村:当事者の中には、セクシュアル・マイノリティーであることや性的な問題にこだわり過ぎている人も多くて、それだと逆に世間から隔絶されてしまう気もしていて。タケルさんが、「主人公はゲイでも、セクシュアリティーがテーマではない映画が撮られる時代がきてほしい」と言っていました。2人がそういうスタンスだったから、私も取っ付きやすかった。特殊なコミュニティーの中で生きたわけではなく、広く色んな人と付き合い、影響を与えることができた彼らの生き方に、私は惹かれたんだと思います。

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