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残業しないと生活できない…『わた定』第3弾で“生活残業”をテーマにした理由

ウートピ / 2021年7月1日 20時0分

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2019年に吉高由里子さん主演でドラマ化もされた朱野帰子(あけの・かえるこ)さんの小説『わたし、定時で帰ります。』(新潮社/以下、わた定)の第三弾「ライジング」が4月に発売されました。

定時帰りをモットーとする結衣の奮闘を描いた人気シリーズで、「ライジング」では、残業代を稼ぐ目的で必要のない残業をするいわゆる「生活残業」に切り込みます。

生活残業をテーマにした理由は? 朱野さんにお話を伺いました。全3回。

生活残業をテーマにした理由

——生活残業をテーマにした理由は?

朱野帰子さん(以下、朱野):私は新卒で入った会社が裁量労働制で、勤務時間は自由だけれど残業代は出ない会社だったんです。逆に2社目では残業代は出たのですが、労務管理が徹底されていて、残業する場合は上長の許可を取らなければいけませんでした。残業は極力させない会社だったので、残業代で生活費を稼ぐという感覚が私にはありませんでした。

でも、ドラマが放送されたときにTwitterの感想を見ていたら、「残業代の話を扱っていない」という指摘があって……残業代を稼がないと生活できない給料の人もいるのだとも書いてありました。そういう人たちにとっては、定時退社イコール給料減なのか、と気づかされました。

同じ頃、女性雑誌の取材を受けた後、送られてきた雑誌を見たら私のインタビューと並んで、「夫が早く帰ってきたらローンが返せないから早く帰ってきてほしくない」という主婦の方の声が紹介されていました。「家計のためにしなくてもいい残業をするのはおかしいのでは」とは思いつつ、一方で、今までより給料が減るのであれば、定時退社へのモチベーションが上がらないのも当然だと思いました。

また、とある企業の人事部の方が主催したイベントに参加したときに、働き方改革のおかげで過労死をするまで働く人は減っているけれど、1、2時間程度の残業をする人は減っていないと伺ったんです。1人当たりの残業代は月2、3万程度だとしても合算すればかなりの人件費になる。それが減らない以上は給料を上げられないと聞いて、どうすればそれが実現するかを新作のテーマにしようと決めました。

——小説でも人事側の事情として語られていましたね。

朱野:管理する側からしたら、その人の仕事が遅いだけなのか、生活残業なのかは判断しづらいですよね。決めつければパワハラになってしまう。そもそも、上司からいっぱい仕事をもらっていっぱい残業する人が評価されて出世していった時代においては、定時退社させることこそがペナルティだったこともあったわけです。

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