1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

『世界から猫が消えたなら』川村元気が2年半ぶりの新作で描いた「不信の時代に信じられるもの」とは

ウートピ / 2021年11月18日 20時0分

写真

小説家、脚本家、映画プロデューサーなどさまざまな顔をもつ川村元気(かわむら・げんき)さんの2年半ぶりの長編小説『神曲』(新潮社)が11月18日に発売されました。

通り魔に息子を殺され、ある「神」を信じることになった一家の、秘密と崩壊、再生を描いた物語。信心と不信、そして「目に見えないけれども、そこにあるもの」を描いています。

執筆期間はちょうど新型コロナウイルス感染症まん延の時期と重なったという川村さんに、なぜ今「信仰」をテーマにした小説を書いたのか、お話を伺いました。前後編。

「不信」が溢れている世界で描きたかったもの

——川村さんと言えば、全世界累計200万部を突破したベストセラー『世界から猫が消えたなら』を2012年に刊行して以来、『億男』『四月になれば彼女は』『百花』など話題作を次々に発表されています。今回の『神曲』は2年半ぶりの長編小説ですが、「宗教」や「信仰」をテーマに執筆された経緯をお聞かせください。

川村元気さん(以下、川村):僕は映画の仕事もあるので、小説は2、3年に1作しか書けません。それだけに、毎回「今、自分自身が不安なことを解決するために」小説を書くんです。常に「世間は今どんな気分なんだろう?」ということを考えているのですが、自分にとって切実なことは同時代を生きる皆にとっても同じであろうと仮説を立てて書いていく。今は世界に「信じられるものがとても少ない」気がして、でも「不信にまみれて生きる」のは嫌で、そこを書きたいと思いました。

——どういう意味でしょうか?

川村:今はインターネットで検索すれば何でも分かったような気になれます。僕も日々ネットに頼って生きているのですが、一方で世間を見渡すと「有名な神社に行ってきた」とか「あの占い師は当たる」とか目に見えない存在への依存度が、以前にも増して上がっている気がして……そのアンバランスさに興味を持ちました。

もともと「神様」や「宗教」のようなものをテーマにしたいという気持ちはあったのですが、それを直接的に書いても自分が読みたい物語にならない。どちらかと言うと、それを信じ切ってしまう人間とか、どうしても信じることができない人間のことを書きたかったんです。

——川村さん自身は神や宗教についてどんなふうに思っているのでしょうか?

川村:基本的に僕はうたぐり深い人間で……。占いや宗教などに対してはどこか斜めに見てしまうところがあって、何かを信じ切れることに憧れがあります。でも、今の自分のような人が実はマジョリティではないか、つまりそれが世間なんじゃないかと思ってもいるんです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

ミッション中・・・

10秒滞在

記事を最後まで読む

ミッション中・・・

10秒滞在

記事を最後まで読む

10秒滞在

記事を最後まで読む

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください