男同士の関係は「パワハラ×同性愛」で成り立っている 差別がなくならない理由を社会構造から解き明かす

ウートピ / 2015年9月16日 18時0分

——いまはルミネのCMや、鹿児島県知事の発言など、あからさまな差別をするメディアや発言があればすぐに炎上しますが、女性もこうして意思表示するのが大事なのでしょうか?

安冨:表面に出てきたものだけ叩いても、構造自体を変えることはできません。「お騒がせしました」と謝罪して叩かれないようにするだけで、差別がなくなるわけではないですよね。構造の背後にあるのは、男性が“自分じゃないものになっている”ということです。男性に対するプレッシャーは女性と比べるとはるかに強いのですが、そうして負荷を感じるほど自分から乖離します。すると、今度は自分の感覚がわからなくなるので、自分の周りで発生している、より強い力にすり寄るだけになります。これが日本の大半の男性の作動原理です。

そして、力関係そのものが乖離の度合いによって決まります。強い人ほど、出世します。乖離するほど暴力を容赦なくふるえるようになるからです。ただ、以前の社会は露骨な暴力がまかりとおっていたけど、現代社会は隠蔽しながら暴力を振るわないといけません。それをうまくできる男性が、間接的暴力によるパワハラ×同性愛的な集団を統御して、さらに暴力をふるうようになる……つまりは、差別です。

——日本の男女格差は、ジェンダーギャップ指数が世界142カ国中104位(参照:「共同参画」2014年 12月号より)という数字を見ても明らかですが、男性はこれをどう思っているんでしょう?

安冨:なんとも思っていませんよ。私が勤める東京大学は女性教員比率が低いことは本書にも書いたとおりですが、ここ最近は海外からコンサルタントを招いて総長諮問会というのを開いています。彼らコンサルタントは一様にジェンダーバランスの悪さに驚きますが、それを指摘されると今度は総長が驚きます。いままで考えたこともなかったのでしょう。女性の声にはまったく耳を貸さないのに、外国人にいわれると拝聴するんですね。

権力が集中するところほどパワハラ×同性愛的になり、差別が起きます。メディアも、そのひとつ。それだけでなく、非常に巧妙に差別の構造を私たちの意識に埋めこんできます。特にテレビは、構成でそれを見せるんですね。バラエティー番組で司会が男性、アシスタントが女子アナというのが当たり前になりすぎていて、いまや誰も言及しませんよね。でも確実に、見る人に差別意識を刷り込んでいます。

伝統的家族観はとっくに壊れている

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