「仕事に熱心」な人ほど間違いを犯しやすい? 村木厚子さんと“叩きすぎ”社会について考えた

ウートピ / 2018年10月10日 21時1分

悪いことをしたと言っても、ポケットにお金を入れようと思ってやったわけではない。さっきおっしゃったように、もし領収書を作っちゃったら、この胸のあたりに何かがずっと残りますよね。

彼らも、よっぽど歪んだ人以外は、嫌な思いはあったと思うんですよね。だから、マスコミから改ざんを突き付けられたときも、やっぱり認めた。実はあのとき中で「それってダメだよね」と言ってくれた人もいたようです。

だから、すごくモラルが低くて悪いことをしたくて、あるいは、私利私欲で、儲けようと思って、ではなく多くの場合は悪い動機じゃない。だからこそ、そんなことができない、しなくて済むような仕組みを作ってあげたほうがいいと思いますね。

——仕組みを作ったり、明るみに出るようなシステムにしたりというのは大事ですね。どこの組織にも起こりうる話だと思いました。

村木:早く謝れば、早く楽になれる仕組みを作ってあげるとか。

「叩いて終わり」では解決しない

——世の中を見渡しても、SNSを見ても、必要以上に叩きすぎる風潮があると思います。叩くこと自体が目的になっている。

村木:だから何も言えなくなっちゃうんですよね。

——次につながらないですよね。

村木:隠している限り、次につながらない。児童相談所もそうで、虐待で一人子どもが亡くなられると、すごく叩かれるでしょう。「あのときに連絡をしてないから」とか、「なんで子どもの安全確認をしなかったんだ」とか。

この間、関係者の人に会ったらね、「言い訳できることではないけれど、助けている100の命のことは一度も報道されないんです。徹底的に叩かれるとやっぱりすごく辛い」とおっしゃっていました。

「誰が悪いのか?」の責任論になるから隠したくなる、かばいたくなるんですよね。そうではなくて「なぜ起きたのか? 二度と起きないようにするために、正直にみんなでさらそうね」と言えば、次に起きない方法が考えられますよね。

——そのほうが社会にとってもいいですよね。

村木:絶対プラスになる。最近、読んだ本で『失敗の科学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)という本があるのですが、イギリスのジャーナリストが世界のいろいろな業界で起きた失敗の構造を解き明かしていくんです。

その本に書かれていたのですが、一番事故が少ないのは航空業界なんですね。なぜかというと、事故が起こったら「ブラックボックス」というのを回収して第三者がそのデータを分析して、何が起きたかが隠せないようになっている仕組みがあるんです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング