「病気になってよかったとは思えなかった」ずっと怒っていた私が怒りを自覚するまで

ウートピ / 2018年12月5日 20時45分

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「病気になってよかったとは思えなかった」ずっと怒っていた私が怒りを自覚するまで

32歳という年齢で初期乳がんが見つかった水谷緑さん。検査から治療まで一連の出来事についてエッセイとして描いた作品『32歳で初期乳がん 全然受け入れてません』(竹書房)には、独身で妊娠出産もしていないのにどうしたらいいのだろうと葛藤する正直な心情が表れていました。

突然、理由もなく、命や今後の人生が脅かされる、ガンという理不尽な存在。そんな出来事に対して、水谷さんはどのように感じたのでしょうか。

【第1回】告知された時の思い

友達に「すごい怒ってたよね」と言われて

——今回の作品のタイトルがまた面白いなと思っていて。「受け入れてません」って、作者が怒った表情で表紙の中で立っている。

水谷緑さん(以下、水谷):最初は違うタイトルで連載していたんです。「32歳、初期乳がんになってわかったこと」というぼんやりしたタイトルだったので、編集の人とも考え直さないと、とは言っていたんです。そんな中、この本が出たのが7月なんですが、5月頃友人とお茶をしていたら「緑ちゃん すごい怒ってたよね」と言われて。それで、「あ、私、怒ってたんだ」って気づいたんです。

——自分では怒っていないと思っていた?

水谷:あまり自覚はしていなかったし、どちらかというとうまく隠せていると思っていました。だから「バレちゃってたか」という感覚が正しいですかね。でも、なんだか気持ちがラクになったんですよね。私が怒っていたことがバレていた、そして、それでも一緒にいてくれる友人がいる、ということを知ってホッとしたというか。

——その怒りというのは、ガンという理不尽な出来事に対して、ですか。

水谷:いろいろな側面があったと思います。ガンの理不尽さに対してもそうですし、それにより自分のすごくみっともない姿を見せつけられる瞬間が増えて、それに対しても怒っていました。あとは、他人にすごく期待していたんですよね。

周囲にもっと悲しがってほしいと願っていた

——他人に期待、ですか。たとえばご家族やご友人に対して、もっとしてほしいことやかけてほしい言葉があった、ということですか?

水谷:そうですね。ものすごく正直な気持ちを言えば、もっと悲しがって欲しかったんです。私が悲しむのと同じように、ずっと悲しんで一緒に泣いて欲しかった。ツラいのに頑張って偉いね、と言って欲しかった。でも実際は、ガンだと言ってもスルーされたり、重たい相談をした直後にインスタグラムで楽しそうな投稿をしていたり、母親には入院するときにケンカをして帰られてしまったり、期待していた通りにはならなかったんですよね。

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