女子スポーツ発展の裏に現代にも通じる「女の苦悩」あり【いだてん】

ウートピ / 2019年7月13日 16時10分

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神回! と名高い『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK総合)の第26回「明日なき暴走」。この回でもっとも重要な役として取り上げられたのが、日本人女子で初めてオリンピックに出場し、銀メダルを獲得した人見絹枝(菅原小春)さんです。

「男は負けても帰れるでしょう、でも女は帰れません」「負けたら、やっぱり女はだめだ、男のまねして走っても役に立たないと笑われます!」「日本の……女子選手全員の希望が……夢が……私のせいで絶たれてしまう!」

菅原さんの熱演は「#人見絹枝に泣いた」と話題になりました。『いだてん』は、「女を置いてきぼりにしない稀有な大河」だとライターの吉田潮さんは考察します。

女子体育にもスポットを当てる気概

毛色の変わった大河『いだてん』、観てる? 低視聴率ばかりがニュースになっている感も否めないが、これ、ただの奇天烈大河ではなく、現代女性のうっ憤や辟易を織り込み、溜飲の下がる要素が満載の「女性を置いてきぼりにしない稀有な大河」なのだ。

すでに放送した26回分全部観てほしいのはやまやまだが、18話からの「女子体育の礎」でもいい。それが厳しければ、感動の神回26話だけでもいい。いったい何がそんなによかったのか、ごく私的な観点で紹介したい。

2部構成となっている本作。第1部の主人公はマラソン選手・金栗四三(中村勘九郎)。過酷なトレーニングの末、ベルギー・アントワープ五輪に出場したものの、メダルを獲れず、失意のまま放浪する。立ち寄ったドイツのベルリンで、槍投げを練習する女性たちの楽しそうな姿を目の当たりにし、その逞しさと明るさに触れる。

当時のドイツは、第一次世界大戦で敗戦したばかり。「敗戦したにもかかわらず、女性たちはもう立ち直っとる!」「これからは女子体育の時代だ!」と目覚める勘九郎。自身がゴリゴリの男社会に属していたにもかかわらず、女性たちのポテンシャルに目を向ける時点で、溜飲が下がる。

物語の主軸ではない「女子体育の普及」にもスポットを当てるところにも、女を置き去りにしない気概を感じる。

女らしさって何ですか? セリフを通じて問いかける

そんな勘九郎に感化されたのが、シマ(杉咲花)だ。初めは、子爵の名家・三島家の女中だった。三島家の次男や勘九郎がスポーツを謳歌する姿を間近で見て、「自分もスポーツをやりたい」と思った女性である。着物を着たまま、裾をまくり上げ、早朝密かにひとりで走る杉咲。女だって「風を切って地を蹴って走りたい」「五輪に出たい」。純粋な思いを胸に、女子校(通称・竹早)で勘九郎とともに教鞭をとることに。

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