学校は社会の縮図…子供の「節操のなさ」を見習いたい【ブレイディみかこ】

ウートピ / 2019年7月29日 20時50分

写真

イギリス在住の保育士でライター・コラムニストとして活躍するブレイディみかこさんによるノンフィクション『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)が6月に発売され、発売1カ月で累計3万6000部を突破*しました。
*2019年7月24日現在。

本のタイトルにもなっている「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は、イギリス南部の都市・ブライトンに暮らす、日本人の母(みかこさん)とアイルランド人の父の間に生まれた「ぼく」がノートに書いた言葉。

名門小学校に通っていたものの、元・底辺中学校に進学した「ぼく」が、貧困や格差が絡み合った複雑な人間関係や自らのアイデンティティについて悩んだり迷ったりしながらも軽やかに壁や分断を乗り越え、成長していく姿がテンポ良く描かれています。

ブレイディさんに3回にわたって話を聞きました。

今の“現場”は子育て

——『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は、読書情報誌『波』で2018年1月号(2017年12月27日発売)から連載がスタートしました。現在も連載中ですが、連載の経緯を教えてください。

ブレイディみかこさん(以下、ブレイディ):『子どもたちの階級闘争』(みすず書房)で新潮ドキュメント賞をいただいたのですが、その際に『波』で連載しようというお話をいただきました。

担当さんからは「今の現場を書いてください」と言われたのですが、現場と言われても『子どもたちの階級闘争』で書いた託児所はつぶれていたし、「じゃあ今の私の現場って何だろう?」と考えたときに、「今の現場は自分自身の子育てじゃない?」と思ったんです。

これまでは保育士として他人様(ひとさま)の子供の面倒を見て、その子たちのことを書いてきたのですが、今の私の現場は子育て。そう考えたら、たまたま息子が中学校に入ったばかりのタイミングで、その学校がとてもユニークだった。それで中学校の説明会のところから書かないといけないな……という感じで連載がスタートしました。

——連載で意識されていることはありますか?

ブレイディ:意識しているというよりは、毎回締切に追われてるというか(笑)。

ただ、そこまで戦略的に書いているわけではなくて、日々あったことや面白いことをノートに書き留めているんです。それで「このエピソードをつなげてこういうテーマにしようかな」とその都度決めていく感じですね。「これが伏線で」「こういう順番で」とか、戦略はまったくないです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング