家飲みビールで「ひとり暮らし自宅熱中症」に…内科医が教える予防のポイント

ウートピ / 2019年9月1日 15時30分

近所に住むいとこに電話をするとすぐに保冷剤と経口保水液を持って来てくれて、車で夜間救急病院へ連れて行ってもらいました。吐き気で経口保水液は口に含む程度が精いっぱいでした。いつも、水分補給になると思ってビールを飲んでいたのですが、医師には「とんでもない間違い。それがアダになった」と言われました。もう9月だし、熱中症シーズンは終わったと思っていましたが、よく考えたら7月下旬並みに暑く、油断していたと思います。とても苦しい体験でした。

ビールを1リットル飲むと、1.2リットルの体内水分を失う

泉岡医師のアドバイス

お酒は熱中症にとって大敵です。とくに野外でのレジャーやスポーツ観戦時に冷たいビールを飲むとのどの渇きをいやすように感じて、何杯も飲むことがあるかもしれません。しかし、実際にはアルコールには利尿作用があって尿量が増加し、また、体内でアルコールを分解するために水分を消費します。その相乗の作用で、1リットルのビールを飲むと1~1.2リットルの水分が失われると言われます。お酒を飲むほどに、水分補給どころか、体内では水分が不足する「脱水」が進んでいます。

Cさんの場合は、昼から寝る前までビールやワインを飲み続けたことで大量の飲酒になったことと、昼間の高温下での活動で体力を消耗していること、また夜間に冷房が切れたタイミングで体温が上昇したことが原因で、脱水症状から熱中症をまねいたと考えられます。

ビールの量と同じ水を飲む。水分とミネラルが豊富なおつまみを

ビールを飲む量の上限の目安はあるのでしょうか。また、熱中症予防になる飲み方について、泉岡医師は次のように説明を続けます。

夏はとくにお酒のなかでもビールをたくさん飲みがちなので、量を減らしてください。1日の適正な量は、カロリー過多も考え合わせて500ミリリットルまでです。

対策として、ビールを飲んだ量と同じ量の水を飲むことが理想です。「そんなに水を飲めない」「水を飲むと酒がまずくなる」という患者さんは多くいらしゃいますが、命には変えられません。最低でもビールの合間に水を飲みながら、水分とミネラルが豊富なおつまみ、例えばトマトやキュウリのサラダ、ナスの浅漬け、枝まめなどを選んで食べてください。

枕元に水を置き、目が覚めると飲む

さらに泉岡医師は、日々の生活での水分補給について、こうアドバイスを加えます。

ひとり暮らしの場合、夏場に大量にお酒を飲んで、冷房や扇風機を使わずにばたんと寝てしまうのは危険です。寝る前と起床後や入浴の前後には必ず、スポーツドリンクをコップ1杯~ペットボトル500ミリリットル1本程度を飲みましょう。また、寝るときには枕元にスポーツドリンクや水を置いておき、夜中に目が覚めたときに飲むことを習慣にしてください。これらは二日酔いの予防にもなります。

また、吐き気がする、おう吐した、頭が異様に痛い、めまいがするなど異変を自覚した場合は、飲めるようなら経口補水液を少しずつ飲んでください。

さらに、残暑のころは体も気分的にも暑さに慣れただけで、実際には高温、高湿度の環境にあります。それを念頭に、日ごろから水分をとる、日ざしを避ける、冷房をつけるようにして熱中症予防を心がけてください。

昼間の野外飲みから続いての「ひとり家飲み」…。お酒に強いという自覚は、熱中症の危険と背中合わせかもしれません。アルコールは水分補給にならないことを肝に命じておきたいものです。もう9月だし大丈夫だろう、という油断もあったという経験談、また、何がどう悪かったのかの指摘とその改善法のアドバイス、ひとり暮らしの家飲み派にはとても参考になるのではないでしょうか。

(構成・文 品川 緑 / ユンブル)

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