<Wコラム>韓国ドラマの過酷な制作環境は改善できるのか
Wow!Korea / 2016年4月23日 12時13分
韓国ドラマの制作環境には大きな問題があると以前から指摘されてきた。その主な原因として挙げられていたのは、「あまりに無理な撮影スケジュール」、「制作スタッフをはじめとした人材の不足」、「出演俳優に多額のギャラが支払われることによる制作予算の偏重」などである。
◆スター俳優のギャラが高騰
韓国では、「ドラマの制作現場の環境が悪くなっている」という声が多く聞かれる。
そうであるならば、いつから環境が悪化したのか。
韓国ドラマに携わる人々の間では、韓流ブームに火がついてからだという見方が主流のようだ。
昔の韓国は、ドラマといえば大家族のドタバタ劇を描くホームドラマか、時代劇が大半を占めていた。1990年代に入ると、核家族化や視聴者の嗜好の変化から、韓国も日本のように美男美女が登場するトレンディードラマが流行するようになる。こうした作品も、あくまで物語の内容や演出力で勝負することが多かった。
ところが、アジア各国で韓流ブームが起こると、ドラマ制作の主眼は人気俳優がどれだけ出演しているかに移るようになった。
その結果、人気ドラマの収益が飛躍的に増大する一方で、一部のスター俳優のギャラが高騰する事態も招いてしまった。
そして、作品の質に厳しい目を持っていた韓国の人々でさえも、自国の作品が海外で評価されることを肯定的に捉えるあまり、スター偏重になっていく現状を甘んじて受け入れる傾向があった。
◆激務の象徴がプロデューサー
韓国のあるテレビ局のプロデューサーは、そうした問題点を的確に指摘している。
「韓流ブームが起きて、韓国ドラマが大金を稼げるコンテンツになったために、放送局も制作会社も視聴率競争ばかりを意識するようになりました。専門スタッフを地道に育てたりということをしなくなってしまったのです。」
目先の利益を追うあまり、時間や人手をかけて良質の作品を生み出すという意識が、いつしか薄れてしまったのかも。
また、プロデューサーの役割に問題があるという指摘もある。
現在の韓国では、プロデューサーが撮影現場で演出を行なうだけでなく、ドラマそのものの企画や制作管理など多くの業務を兼務することが多い。日本のように、演出は現場のディレクターが責任をもって行ない、その他の制作進行に関わる業務をプロデューサーが担当するというような分業体制が明確になっていないのだ。
韓国ドラマのプロデューサーは、まるで映画監督のように働くわけだが、放送時間が映画の数十倍もあるドラマでこのような働き方をするのは健全とは言えない。結局、制作の総指揮者にあたるプロデューサーが激務を行なっているせいで、その下で働く多くのスタッフたちも、問題が多い労働環境に対して異議を唱えにくくなってしまう。
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