<Wコラム>日本と違う韓国のビックリ~歴史から学ぶ教訓
Wow!Korea / 2016年4月25日 10時23分
ソウルに行ったときは、光化門(クァンファムン)に近い旅館にいつも泊まっている。
その旅館から街中に出るときには、李舜臣(イ・スンシン)の像の前を通る。その度に、ゆっくり像を仰ぐ。像の位置が高すぎて、すぐに首が痛くなるのだが……。
■日本に渡った朝鮮王朝の使節
李舜臣といえば、朝鮮出兵である。彼は救国の英雄として朝鮮半島の歴史に燦然と輝いている。しかし、李舜臣を讃えるだけでは歴史から教訓を得られない。私がいつも思い出すエピソードは韓国にとって苦いものなのだ。
それは、1590年の出来事である。天下統一を果たそうとしていた豊臣秀吉は、大陸に侵攻する意思を明確に持っていた。
日本での不穏な動きを察知した朝鮮王朝は、秀吉の天下統一を祝賀するという名目で、偵察を目的とした使節を派遣した。
使節は日本に渡ったが、そのとき秀吉は小田原攻めの最中だった。使節一行は京都でしばらく待たされることになった。
待っている間に使節は、日本の国情をもっと冷静に調べ上げるべきだった。それなのに、ただ時を待っていたとしか思えない。
小田原攻めが終わった後に東北を回ってきた秀吉は、1590年の秋に京都に戻ってきた。
■正使と副使の意見が違う
ようやく朝鮮王朝の使節は秀吉と面会したが、外国の使節に対して秀吉の態度はかなり無礼だった。宴席でもてなす食事は決して豪華とは言えなかったし、自らの赤ん坊を抱っこしながら使節と相対したのである。
しかも、赤ん坊が粗相をして、秀吉があわてふためくという一幕もあった。朝鮮王朝側の立腹も甚だしかった。ただし、使節たちは秀吉に会って、どんな印象を持ったのだろうか。
戦乱の世を終わらせて天下統一を果たした人物。傑物だと思っていたら、無礼な田舎者のように見えたのだろうか。
朝鮮王朝に戻ってきた使節のうち、正使の黄允吉(ファン・ユンギル)は国王の前で次のように報告した。
「秀吉はかならずや我が国に攻めてくるでしょう。万全な備えをしたほうがよろしいかと思います」黄允吉は国防の強化を訴えたのだ。
一方、副使の金誠一(キム・ソンイル)は次のように語った。
「秀吉はまったく取るに足らない人物でございます。我が国に攻めてこないことは明白でしょう」同じように秀吉と面会した正使と副使の意見が、真っ向から対立したのである。
その場合、格上の正使の意見が通りそうなものだが、実はそうではなかった。それはなぜなのか。
■派閥の力学で決まってしまった
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