<Wコラム>イ・ミンホとチャン・グンソクが生まれた年に韓国で何が起こったのか(後編)
Wow!Korea / 2016年7月4日 17時10分
イ・ミンホとチャン・グンソクが生まれたのは1987年だ。今から29年前である。その1987年に韓国では民主化を求める市民と学生のデモが全土を揺るがせた。事態をおさめるために、大統領の全斗煥(チョン・ドゥファン)と野党指導者の金泳三(キム・ヨンサム)が、6月24日に会談を行なった。
■政情は混迷するばかり
会談で金泳三は1987年4月の大統領特別談話(大統領選挙を直接制でなく間接制で行なうことを表明)を取り消すことを求めたのに対し、全斗煥も「改憲論議を再開することが望ましい」と応えて、事実上特別談話を撤回した。
しかし、両者の会談は決して実りのあるものにはならなかった。結果から言えば、不調に終わったのだ。
国民の間には失望感が広がった。
26日午後6時からは、在野団体「民主憲法奪取国民運動本部」が主催する国民平和大行進が全国各都市で開催される予定となった。警察はこの大行進を不法デモとして厳重に取り締まる方針を打ち出し、6万人近い戦闘警察を動員して朝から大がかりな検問を実施。さらに在野の指導者たちを自宅軟禁する処置に出た。
これに反発した学生たちは全国各地の都市で戦闘警察と激しく衝突。政情がさらに混迷の度合いを深めていく中で、民主党は「現政権を終わらせるために徹底的な闘争を行なう」と、悲壮な覚悟で民主憲法奪取への闘争継続を宣言した。
韓国は、もはや何が起こってもおかしくない状況に追い込まれた。情勢は逼迫するばかりだ。その最後の危機において、劇的な反転があった。
■オリンピックに救われた
民正党を代表して盧泰愚(ノ・テウ)は1987年6月29日午前に「国民の大団結と偉大な国家への前進のための特別宣言」を発表し、大統領直接選挙制を骨子とした事態収拾案を発表した。
主な内容は次の通りだ。
◆与野党の合意のもとで憲法を改正。大統領直接選挙によって平和的に政権を委譲する。
◆基本的人権を尊重して言論の自由を保証。社会の各分野で自治と自立を確立する。
ここまで与党が譲歩するようになったのも、国民の根強い抗議行動があったからだ。さらに、翌年秋にソウル五輪を控えていたことも見逃せない。盧泰愚は談話をこうしめくくっている。
「オリンピックまでわずかしか残っていない現時点で、国論が分裂して韓国が世界から辱めを受けるようなことがあっては断じてならない」
この盧泰愚の譲歩案を金泳三も最大限に評価し、「国民に希望を与える内容だ」として全面的に歓迎する意向を示した。
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