SBIの新生銀に対する敵対的TOB、金融庁にも難題
財界オンライン / 2021年11月5日 7時0分
新生銀はTOBに反対表明
新生銀行の経営陣を守るのか、それとも公的資金回収の可能性に賭けてSBIホールディングスを後押しするのか──。
【関連記事】SBIが新生銀行にTOB、経営陣の刷新を要求
SBIによる新生銀へのTOB(株式公開買い付け)が敵対的買収に発展し、金融庁も難題を突き付けられている。監督当局の立場だけでなく、過去の公的資金注入の見返りに預金保険機構などを通じて2割超の新生銀株を握る大株主の顔も持つからだ。
SBIは9月10日、新生銀の同意を取らずにTOBを開始。
これに対し、新生銀側は10月21日、「株主共同の利益に資さない」(工藤英之社長)として反対を正式表明した。「SBI以外の株主の利益が蔑ろにされる懸念が拭えない」との理由からだ。
SBIは「(新生銀が提案した)条件に応じるつもりはない」と即座に表明。両者の雌雄は11月下旬に開かれる買収防衛策の是非を問う新生銀の臨時株主総会で決する公算が大きくなった。
金融界や市場では、新生銀株を計2割超保有する預金保険機構と整理回収機構の議決権行使に注目が集まるが、実質的に判断を下すのは金融庁。金融庁は様々な事情を勘案して預金保険機構などと協議し、賛否を投じる方向で調整しているという。
金融庁は元々、SBIのTOBを歓迎していた。新生銀の株価が公的資金の完済に必要な水準に程遠く、「単独経営のままでは永久に半国有化状態から脱せられない」(監督局幹部)と懸念していたためだ。SBIの経営参画で収益源が広がり、返済の道筋が見えるという期待がある。
新生銀はTOBに反対したが、公的資金返済の具体策は全く示すことができていない。一方、SBIとしても新生銀が示した買取上限撤廃ではコスト、戦略共に見直しの必要が出てくる。SBI、新生銀、金融庁にとっても株主総会は正念場となる。
【関連記事】SBIホールディングス・北尾吉孝社長が語るデジタル金融、地銀再編の姿とは?
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