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日本製鉄が電磁鋼板の特許巡り中国・宝山とトヨタを提訴

財界オンライン / 2021年11月4日 11時30分

トヨタ自動車本社(左)と日本製鉄の本社が入る丸の内パークビルディング

「対話も行ったが解決に至らなかった。断固たる措置で高機能素材を守っていく」──こう話すのは日本製鉄関係者。

 2021年10月14日、日本製鉄は、自社の持つ「無方向性電磁鋼板」の特許が侵害されたとして、中国最大手の鉄鋼メーカー・宝武鋼鉄集団の子会社である宝山鋼鉄と、その部材を使用しているトヨタ自動車に各100億円の損害賠償を求めて、東京地方裁判所に提訴した。

 問題の電磁鋼板はモーターなどの鉄心に使用され、電気自動車やハイブリッド自動車の性能を左右する素材。技術的難易度が高い製品で「先人の血の結晶」(日本製鉄関係者)とする。

 トヨタは同日「本来、材料メーカー同士で協議すべき事案であると認識しており、弊社が訴えられたことについては、大変遺憾に感じております」とのコメントを発表。

 自動車を構成する部品は数万点とされ、その1つひとつの特許侵害の確認を、自動車メーカーがするのは現実的に不可能。調達の際に特許侵害がないかを相手方に確認した上で契約する。今回の宝山との契約もその流れの通りだった。ただ、製品特許の侵害は、それを使用した者も対象になる。使用者であるトヨタも同時に訴えないと日本国内での訴訟が成立しないというのも背景にあったと見られる。

 約2年前、トヨタがこの電磁鋼板を宝山鋼鉄から調達することが伝えられ、日本の鉄鋼業界に驚きが走った。「日本で使用するものは日本で調達したいが、電動化が急ピッチで進み、電磁鋼板は設備系でも需要が強く逼迫していた」(トヨタ関係者)ことから、安定調達の観点から宝山からの調達を決めた。

 日本製鉄はこの時期から調査を始めていたようだ。トヨタと日本製鉄は近年、鋼材価格を巡っても関係にきしみが生じていた。日本製鉄関係者は「今回の件とは関係ない。今後の関係に影響するとは思っていない」とする。だが長年の関係を踏まえてもなお、「虎の子」の技術は死守するという意志を示した形。

 日本製鉄は12年に、韓国の鉄鋼大手・ポスコが電磁鋼板の関連技術を不正取得したとして提訴。3年後にポスコから和解金300億円とライセンス料の支払いを受けることで合意。

「経済安全保障」、「カーボンニュートラル」に直結する戦略物資を巡るせめぎ合いはしばらく続くことになる。

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