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【農林水産省】米国が食品輸入規制を撤廃  TPPを念頭に台湾も前向き

財界オンライン / 2021年11月11日 15時0分

写真はイメージ

農林水産省は、米国が東京電力福島第1原発事故後に実施してきた農林水産物・食品の輸入規制を撤廃したと公表した。解除は9月22日付。福島県産のコメなど14県の延べ100品目の出荷が可能となり、輸出拡大に追い風となる。一方、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に加入申請した台湾も今後の日本との交渉をにらみ、規制解除に前向きな考えを示している。

 米国の措置により、規制を導入している国・地域は事故後の55から14に減った。2020年の米国向けの農林水産物・食品の輸出額は1188億円で、香港、中国に次ぐ第3位。輸出増に向けた政策に熱心な菅義偉前首相は「被災地の人々が待ち望んできたものであり、これからの復興にも大きく役立つ」と歓迎した。

 欧州連合(EU)は10月10日、輸入規制を一部緩和した。福島県産のタケノコなどが放射性物質検査証明書を添付せずに出荷できるようになった。

 岸田文雄首相と電話会談した英ジョンソン首相は福島県産食品などに対する規制解除に関し、前向きに検討を進める意向を示した。岸田首相は「科学的見地から規制が1日も早く解除されるよう期待する」と応じた。

 2国間交渉などの結果、規制を取り払う国・地域は着実に増えてきたが、「大所の中台韓」(日本政府関係者)が依然として規制を続けている。悪化し続ける日韓関係を踏まえると、韓国との協議進展は見込みにくい。世論に敏感な中国も難しそうだ。

 この中で台湾の解除が期待できる。台湾の野党・国民党は福島県産食品などを核物質で汚染されたことを意味する「核食」といった表現を使い、民衆の不安をあおってきた。

 しかし、台湾政府高官は禁輸について「(TPPの)交渉過程で日本から要求があれば、しかるべき対応をするのは当然」と説明し、風向きは変わりつつある。日本政府は「このチャンスを最大限活用する」(農水省幹部)と受け止めている。

【農林水産省】新大臣に水産族の金子氏 コメ需給対策が喫緊の課題

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