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【財務省】日銀は政府の「子会社」か? 安倍発言の火消しに追われる

財界オンライン / 2022年6月6日 11時30分

「日銀には金融政策や業務運営の自主性が認められている。会社法でいうところの子会社には当たらない」

 鈴木俊一財務相は5月13日の閣議後会見で、日銀の独立性は維持されているとの政府の立場を強調した。日銀による市場を通じた国債の買い取りをめぐり、安倍晋三元首相が「日銀は政府の子会社だ」と発言したことを踏まえた見解。夏に参院選を控える中、与野党や有識者からは安倍氏に対し「軽率な発言」と批判が出ており、財務・金融当局のトップが自ら火消しに追われた形だ。

 鈴木氏は「日銀が保有する国債は、日銀が物価目標の実現に向け、金融政策の一環として買い入れている。政府としては、今後永続的に日銀が国債を買い入れるとの前提に立った財政運営を行うことは適切とは考えていない」と指摘。「市場からそのような疑いを持たれ、信認を失う事態を招くことがないようにしていく」と語った。

 一方、岸田文雄首相が英ロンドンの金融街シティーでの表明した、国内の個人金融資産約2千兆円を貯蓄から投資へと促す「資産所得倍増計画」について、鈴木氏は「資産所得の向上が消費拡大につながり、次の成長に結び付くという好循環を実現する主旨だと理解している」と説明。ただ、記者団から実現に向けた具体策を聞かれると「首相が示した方向性に基づき政策を総動員することが重要だ」と述べるにとどまった。

 岸田首相が発表した資産所得倍増計画は、首相の最側近である木原誠二官房副長官の発案とされているが「世界では完全にスルーされている」(財務省幹部)のが実態。首相の足元からも「皆いらいらしている」(自民党福田達夫総務会長)など、首相の「新しい資本主義」への不満は強まっており、今後、政権運営の火種になる可能性もある。

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