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関西電力の40年超原発が再稼働 原子力政策は停滞する中で

財界オンライン / 2021年7月8日 18時0分

森本孝・関西電力社長

次期エネルギー基本計画は決定時期が先延ばしに…

 

 関西電力(森本孝社長)の美浜原発3号機(福井県美浜町)が6月23日、10年ぶりに再稼働した。運転開始から40年を超す原発の再稼働は、2011年の東京電力福島第1原発事故後初めて。今回の実績で「他の(運転40年超の)老朽原発の活用にも道が拓けた」(市場関係者)形だが、関電や再稼働を後押ししてきた経済産業省は素直に喜べないのが実情だ。

 菅義偉首相による2050年の脱炭素宣言に乗じて次期エネルギー基本計画(エネ基)に原発の建て替え・新増設を盛り込む経産省の目論見が思惑通りに進まず、原発の位置付けが宙に浮いているためだ。

 経産省は当初6月に予定したエネ基の改定原案の決定時期を先延ばしし、改めて原発復権の道を探っている。資源エネルギー庁長官の保坂伸氏ら経産省は、発電時にCO2(二酸化炭素)を出さない原発を再生可能エネルギーと同じ「脱炭素電源」として一括りにして、原発の建て替えや新増設に道筋をつけるシナリオを描いてきた。

 しかし、与党の公明党は「将来的に原発に依存しない社会を目指すべき」とする脱炭素提言を公表。肝心の菅官邸も脱炭素戦略の策定に当たって、脱原発派の小泉進次郎氏や河野太郎氏を重用。経産省の方針を後押しする姿勢を示す自民党の総合エネルギー戦略調査会も秋までの衆院解散・総選挙を意識し、腰が引けているのが実情。

 原発復権シナリオが不発に終われば、電力業界で最も打撃を受けるのが関電。関電はもともと原発への依存度が高い。

 東電や中部電など他の大手電力は福島原発事故後に原発を代替するLNG(液化天然ガス)火力発電所を大幅に増強したが、関電は原発復権にかける独自戦略を採ってきたからだ。今回40年超の原発の再稼働に漕ぎつけた美浜町では水面下で4号機の新設計画を地元と調整してきた経緯がある。

 業界では「万が一、経産省が次期エネ基で原発復権を打ち出せなければ、関電は経営戦略の大転換を迫られ、窮地に陥る」との見方も出ており、美浜3号機が再稼働しても、一安心とはいかない微妙な状況である。

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