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電動化のコストをどう乗り越えるか?転換期を迎える軽自動車業界

財界オンライン / 2021年9月16日 15時0分

スライドドアを採用したスズキの「ワゴンRスマイル」

軽自動車が転換期を迎えている。消費者のニーズが大きく変化したことに加え、電動化という壁が迫りつつあるからだ。

 スズキは主力車種の軽ワゴン「ワゴンR」の新型「ワゴンRスマイル」を発表。新たにスライドドアを採用した。これまで軽自動車と言えば、狭い道でも走りやすいように「コンパクト」がウリだったが、近年では車高が高い軽ハイトワゴンに加え、スライドドア車の販売が増加。

 広い室内空間や荷物の収納が容易な点が「子育て世代の母親のニーズに合致している」(関係者)からだ。そこで各社とも相次いでスライドドア車を投入したことにより、その数は2020年度には国内で販売された軽の半分を超えるほどになった。

 スズキ社長の鈴木俊宏氏は「後席の乗降のしやすさと大きな荷物の出し入れがしやすい両側スライドドアにより、機能性を高めたのが最大の特徴だ」と胸を張る。だが、車体が大きくなったり、先進安全機能が標準装備されれば価格も上がる。実際、10年前と比べても軽の価格は約4割程度上がっている。

 さらに軽を巡っては電動化が控える。乗用車と同様、政府は「遅くとも35年までに軽自動車を含む新車100%を電動化する」と表明。この動きに呼応するように、日産自動車と三菱自動車は共同で企画・開発を進めてきた軽クラスのEV(電気自動車)を22年初頭に国内で発売することを発表した。

 価格については各種の購入補助金を活用すると実質約200万円からだ。特に三菱自は09年に世界初の量産型の軽EV「アイ・ミーブ」を発売したが、価格の高さなどから販売が低迷し、生産を終了した経緯がある。

 電動化の最大の課題は「電池の価格」(別の関係者)だ。電池性能ではトヨタ自動車が優勢な全固体電池があるが、コスト低減につなげるためには時間がかかる。航続距離を延ばすために電池容量を大きくすれば軽の軽やかさや価格にも響いてくる。

「電動化はもちろん視野に入れる」と鈴木氏。いかに”庶民の足”として低価格を維持していけるか。消費者のニーズと価格に軽メーカーは神経を尖らせることになりそうだ。

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