ビル再生事業着実:サンフロンティア、M&Aも駆使のホテル事業孝行息子が育つ
財経新聞 / 2024年9月22日 17時27分
サンフロンティア不動産(8934、東証プライム)。都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)のビル改修・再生を主軸事業としている。
中核事業の堅調さは、収益動向に顕著。2021年3月期こそ「52.3%の営業減益、42円配据え置き」となったが以降は「53.3%増益/44円配、22.9%増益/48円配、18.1%増益/58円配」、そして今3月期も「25.2%の増収(1000億円)、18.6%の営業増益(208億7000万円)、17.5%の最終増益(140億円/連続最高益更新)、8円増配66円配」計画。
21年3月期以降をサンフロンティア不動産自体が、前期末の決算資料でこう解説している。
「民間調査機関の調べで東京5区平均賃料40カ月連続の下落後、23年11月に(坪単価1万9726円)で底を打ち、足元(24年3月)では1万9820円とやや上昇基調になっている。また平均空室率も23年6月にピーク(6.48%)となった後、概ね改善が進み24年3月には5.47%となっている。
新築オフィスビルの竣工ラッシュ/コロナ禍からのリモートワークの進捗で、軟調な市況となった。がコロナの5類移行(23年5月)で潮目が変わった。マイナス金利解除も金融緩和が維持され、ビル需要にはマイナスに働いていない」と読み切りつつ、「厳しい客観状況の中でも堅調な流れを生み出すことが出来た」と訴求している。
受託棟数(22年3月末421棟/23年3月末457棟/24年3月末493棟)を伸ばし稼働率も「91.49%、89.61%、93.92%」を見せつけられると、アレコレ言い及ぶことはない。
私はいまむしろ言い及びたいのは、ホテル事業の回復/積極化姿勢だ。今3月期第1四半期の時点で、以下の様な現状を公にしている。
◆23年10月6日に払い込みが完了したCBの発行などによる資金を活用し、「たびのホテル」ブランドを中心に再開発に投資し事業の拡大を図る。現時点で計画中のホテルは12/1678室。運営中のホテルと合わせると、39ホテル/4801室となる計画。
◆佐渡のホテル2棟を改装し、上級ホテルとして再稼働した。
◆M&Aにも注力。7月にM&Aで沖縄県恩納村の「オリエンタルヒルズ沖縄」がグループに加わった。コテージタイプの全14棟のオールスイートヴィラ。
着実なビル事業に加えホテル事業の再生に走るサンフロンティア不動産の株と、どう取り組むか。本稿作成中の時価は1700円台入り口。税引き後配当利回り3%強。8月5日に1450円まで値を消した後の戻り基調。IFIS目標平均株価(2400円)は年初来高値を上回るが、予想PBR0.91倍を勘案すると好配当利回りを享受しながら待ってみるのも一法か・・・
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